矢沢永吉ディスクレビュー あとがき 『長い旅』を聴きながら
『長い旅』を聴きながら
矢沢永吉、永ちゃん、E.YAZAWA、キャロル、ワケンロール...
永ちゃんを好きになったのは、どうしてだろう?ビートルズ・ファンだったから、その流れでキャロルを好きになったから?半分YES、母親が隠れファンだった。MDにダビングしたベスト盤「BALLAD」を聴いてたんだね、「良いメロディをつくるんだよ」って教えてくれたわけ。
それまで矢沢と言えばマイクスタンド振り回してワオワオしてる人ってイメージだった。本当よ。そういえば幼い頃に家のテレビでマイクスタンド振り回してる人の映像観た記憶蘇ったね。あれ母親矢沢をテレビで観てたってことだね。それでキャロルがベスト盤CDをユニバーサルからリリースしたタイミング、中学か高校生の時、これも母親入手してたね、レザーとリーゼントにピンときた。モッズだかロッカーズだかちょうちんだか知らないけど、俺はこの頃ロック、ボックンボックンに聴いてた、ザ・フーとか好きでモッズ気取ってたわけ、今思うと純情だったの。でもキャロルのサウンドにワオってきたんだね。
それから滑った転んだで、ライブにも行ったり、成りあがり読んだり、ソロアルバム聴き始めたりして、矢沢とのハート・トゥ・ハート。ハートで汗かいてる男に魅了されたね。好きで聴き始めた、なぜなら、法律に「矢沢のLPを買いなさい。ステージを見なさい」と載ってないもの。自由なのよ。感受性のままに、自然にレコード屋に行って、自由な判断のもとに選べるわけ。でも矢沢を選んでた。それに影響受けて、功名心というか、やってやるって気になってなんとか生活してる、なぜなら永ちゃんが「おまえも、やれば?」っていってたから。
あれ?なんの話だっけか?ディスクレビュー後書きだ。とにかく10代からわりとずっとスタメン的に永ちゃんを聴き続けていてファッファと楽しんでて、それと並行して色んな音楽、ロックだジャズだちょうちんだ聴いてて、また永ちゃんに戻ると、意外に永ちゃんの作ってる音楽ってすごく水準の高く、自分でビッグマウスかましてるだけじゃないんだなと思うことが多くありまして、で最近も2020年末にDiamond Moon行って最高の時間過ごして永ちゃん聴いてたんだけど、探せども探せども矢沢永吉という現象やキャラクター性と殆ど永ちゃんしか聴いてない人による音楽レビューしか見当たらんし、オフィシャルで出た「地球音楽レビュー」も今や全然役に立たないんで、俺がガッツリ「音楽」という角度からしっかり文章化して、いかに音楽的に永ちゃんが面白い事をアルバムに刻んでいるかを世に伝えなければいけないと勝手な使命感で書いたものです。
久しぶりにじっくりアルバムを聴き発見することも多いのと、永ちゃんが常に最新型である事を発見したのがとても大きく、こんなにワクワクさせてくれるアーティストいないなと、プロデューサーとしての矢沢永吉の偉大さに驚きました。
現時点の最新作「いつか、その日が来る日まで…」のフレッシュさは、80年代の作品よりも魂が若い気がします。永ちゃん、歳をとるのは肉体、スピリットは老けないと言っていましたもんね。
私の文章で、今まで永ちゃんの音楽を聴いたことがない人が、きっかけで聴いてみたり、「「情事」くらいまでは聴いてたんだけど」の様にお付き合いがしばらく離れてる人が今、最新の矢沢永吉、その時々の最新の矢沢永吉を聴いてくれたら楽しいなと思います。
誰に何も言われず勝手に書いてきましたが、都度都度読んでるよと言ってくれた方々、最後まで書く勇気をもらいました、ありがとうございました。
「長い旅」を聴きながら。