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各職業は、遠慮している場合じゃない

『キラキラした職業ほど、その裏で何倍もの地道な業務がある』っていう話を、よく聞きます。

キラキラした職業の例でいうと、芸能人だったり、スポーツ選手だったり、インフルエンサーだったりといったところでしょうか。

そういった職業の光の部分ばかりに焦点が当たって(だからキラキラしているとも言えるのだけど...)、裏の激しい競争や、厳しいトレーニングなどは、相対的に触れられることが少ないです。

そういった状況を指して、『キラキラした職業は、勘違いして志した若い人たちが後から苦しい思いをしないように、普段から裏の部分も伝えるべきだ』なんて言説が、定期的にSNSを賑わせます。


ぼくもこれまでは、そうするべきだなーと思っていました。

しかし、最近は少し考え方が変わってきつつあります。

最近は、その職業のキラキラした部分(≒魅力)は、これまで通り(これまで以上に)発信していっていいんじゃないかということを、ボンヤリと考えています。

大きな目的はやっぱり、『間口を広げる』こと。


これから特に日本は人がどんどん足りなくなっていきます。

そうなると、各職業、各伝統、各文化は、自分たちの技術だったり歴史だったりを後世にも伝えていくならば、激しい人材争奪戦に参戦する必要があります。

『表ではキラキラしたこの職業も、実はこんなにつらいんだよ』とか、『うちのこの職業はとっても地味だから、どうせ若い人なんて来てくれないよ...』とかって卑下していたら、冗談抜きで消滅してしまいます。

もちろんロボットが代替してくれるところも多分にあるでしょうが、同時に生身の人間が受け継ぐべき技術や伝統っていうものも、絶対にあるはずです。


あとは、ぼくはまだまだ社会に片足踏み入れて3年にも満たないペーペーですが、それを前置きしたうえで言うと、いまキラキラしていると言われる職業もそうでない職業も、その職業自体の『魅力』自体にそこまで大差はないなというのが、率直な感想です。

たまたま光の部分が当たりやすい職業なのかどうかというだけで、実際にやってみたらどの仕事にだってやりがいや奥深さはあるし、同時に地道な積み重ねが必要っていうのも、どの職業にも当てはまります。

つまり、それぞれタイプというか種類が違うだけで、『キラキラした部分』と『裏の地道な積み重ねの部分』の割合みたいなものは、どの職業でもそんなに変わらないんじゃないかなというのを、これまでぼくが見てきた職業の限りでは思います。

だから、『キラキラ1割地道9割』みたいな割合は、仕事の正体そのものなんじゃないかとも思っています。


その割合がどの職業においても不変であると仮定するなら、それは前提として、貴重な1割のキラキラした瞬間に全力にスポットライトを当てることは、とても大事なのではないでしょうか。

(それぞれの伝えるバランスが大事っていう正論は一旦置いておいて、きょうはあえて極端な話をしています)


いま、芸能人だったりアスリートだったりにあれだけ才能にあふれた人たちがたくさんいるのは、やっぱりキラキラした部分がたくさんメディアで露出していて、その姿に憧れを抱いた数多くの人たちのなかで、競争が行われているからです。

だから他の職業も遠慮してないで、地道な積み重ねが大事なことは大前提として、積極的にキラキラした部分を発信していくべきだなと。


もしかしたら、発信してるけどキラキラ度が足りなくて若い人たちに届いてないなら、もっともっと張り切って発信していかないとなということを、最近溢れかえる人材不足のニュースを見ていて感じました。

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藤本 健太郎 / 編集者
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