「ほめる場合も、叱る場合も、その前に信頼関係を作っておくことが大事」

Q:教員を目指してます。 上手なほめ方・叱り方のコツを教えてください

A:どちらも、日頃からのコミュニケーションをよくとり、信頼関係作っておくことと、日頃から相手をよく観察して良いところを探しておくこと(肯定的資質の探求)が大事です。


ほめるときに特に注意すべきポイントは次の三つです


「才能ではなく努力を誉める」

生まれつきの才能ばかりをほめていると、挫折したときに『私には才能がなかったんだ』と思って努力をしなくなります。日頃から努力を誉めておくと、失敗したときに『努力が足りなかったんだ』と思って次も頑張ることが出来ます。


「100%できてなくても、前よりできたところや、頑張っているところを見つけてほめる(情報的報酬)」

これによって、『頑張った分だけできるようになった』という随伴性の認知が起きます。そしてそれが『今できない事も頑張ればいつかできるようになる』という自己効力感を生みます。また『ちゃんと見てくれている』という嬉しさから信頼関係も生まれます。


「『ほめる』というより『認める』」

『ほめる』という行為には、ほめる側にとって望ましい行動を増やそうとする『支配』の側面があります。人間には『自分のことは自分で決めたい(自律性への欲求)』がありますので、『支配される』と思うと、反発して逆効果になります。そこで、その子が自主的・自発的に頑張っていることをほめる(認める)気持ちが大事です。




叱る時に大事なポイントは次の二つです


「日頃からコミュニケーションをとって信頼関係を作っておく」

信頼関係のない状態で叱ると、『この人は私が嫌いだから怒ってるんだ』と思われて逆効果になります。ですので、叱る前に、日頃からコミュニケーションをとっておいて信頼関係を築いておくことが大事です。


「相手の良い所や人格を認めつつ、してしまった行為のみ叱る」

例えば『あなたほど注意深い人が、どうして今回はこんなミスをしてしまったのか?』と叱れば、相手との信頼関係は壊れません。逆に『いつもいいところを見てくれているんだ』と信頼関係が深まります。


これらのテクニックは、教員以外でも、親が子どもをほめたり叱ったりするときにも使えます。お試しあれ(^^♪



補足:失敗したらすごい傷つくと思ってる子は、『ダメでもともと、失敗しても気にしない』と自分に言いきかせることで、その恐怖をなくそうとしたりしてます。これを「悲観的防衛」と言います。

この「悲観的防衛」をしてる子に『大丈夫、きっと次は出来るよ』と言ったりすると『ダメでもともとじゃないなら失敗したときすごい傷つく…』とやる気をなくすことがあります。

そういう子の場合は
『ダメでもともと、失敗しても大丈夫、出来たら自信になるよ』
と安心させてあげる配慮も要ります。

そのためには、この場合もやはり、日頃からよくコミュニケーションをとって、信頼関係を作り、相手の事をよく知っておく必要があります(*^^*)

良い先生になってください

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