「お絵かきや好きな絵本にあらわれるこどものこころ」
スクリブル法と言うこども向けの心理テストがあります。
まず、こどもに「お絵描きゲームしようよ」と声をかけ、画用紙に適当に線を描いてみせて「これ何にみえる?いろいろ描き足して絵を描いてみて」と言います。
こどもが「えーとね…」とか言いながらいろいろ描いてくれたら、
「じゃ今度は○○ちゃんが線を描いてね。私がそれを絵にするから」と言ってこどもが描いた線からお絵描きします
というのを二人で楽しみながら二・三回繰り返した後、
「今描いた絵をみんな使ってお話を作ってみようよ?」
と言って、こどもにお話を作ってもらいます
そして、できたお話の世界について話し合い、そのファンタジー世界をこどもと共有します
そうすると、そのお話の中に、こどもが今悩んでいることや願い等がはっきり表れてきます
お友達と喧嘩して仲直りしたいと思っている子は、「森の中で動物さんたちが喧嘩して仲直りするために…」というお話を作ったりしますし
新しく入った園にまだ慣れていなくて、保育士さんに安全な基地のような存在になってほしいと思っている子は「嵐がきたけど、頑丈なお家が守ってくれました」というお話を作ったりします。
この現象を心理学では投影と言います。
投影は、その子が好きな絵本やお話に対して行われていることもあります。
その子が好きな絵本やお話を訊き、さらに「そのお話のどこが好き?」と訊いてみましょう
(同じ作品が好きでも、こどもによって違うところに感情移入したり、投影したりしていることがありますので、好きな絵本やお話を訊いただけではわかりません)
そして、スクリブル法と同様に、その子と話しあって、そのファンタジー世界(同じ作品に対してでも、こどもによって、一人一人違う世界を体験しています)を共有します。
すると、この方法でもこどもの今悩んでいることや願いが結構分かります。
このような方法で、こどものこころが分かったりするのは、こども達が、現実から離れた安全なファンタジー世界の中で自分の課題を考えているからです。
実は、そのときのファンタジー世界は、大人になってもこころの中に残っています
人生に迷ったり悩んだりしたときに、こどもの頃に好きだった絵本やお話を思い出してみましょう
解決のヒントが見つかるかもしれません