「出来ることを思い切り楽しみ、『きっと出来る』と感じたことをしてみる」というのが上達の近道
保育の心理学という授業でこどもの心理や発達について教えていると「これは大人にも当てはまるのではないかな」と思えることに出会います。
その中の一つが、この投稿の題名「出来ることを思い切り楽しみ、『きっと出来る』と感じたことをしてみる」です。
こども達、特に乳児や幼児達は大人達がびっくりするようなスピードで成長していきます。
例えば、生後12か月くらいでつかまり立ちをしはじめた子が、つかまり歩きを経て、1歳2か月くらいで2~3歩ひとり歩きが出来るようになったと喜んでいたら、1歳6か月くらいで走ることができるようになってる…という様子を観察すると、
『こないだ、つかまり立ちしてた子が、走っている!!』
と大人たちは目を丸くすることになります(こういった驚くべき成長は、運動の発達以外の言語や社会性の発達等でも観察されます)。
もちろんこういった発達が可能なのは、遺伝子にプログラムされている身体的成長が、乳児や幼児においては、それ以降よりも大きいという要因もあります。
しかしながら、適切な環境内で、適切な行動をしないとこういった発達は起こりませんから、こども達は『自分を発達させるのに適した行動』をしているということになります。
では、『適切な環境』や『自分を発達させるのに適した行動』とはどういったものかと、さらによくこども達を観察すると、こども達は『安心できる環境内で、夢中になって遊んでいる』ときに、最もよくその心身を発達させています。
『遊び』というのは、自発的に自由に楽しんで行うものですから、『お勉強』とは違って、難しすぎることや出来なさそうなことを無理にしたりはしません。ひたすら『出来ること』や『きっと出来ると感じたこと』を楽しんで行います。
そうやって、今出来ることや、きっと出来ると感じたことをひたすら楽しんで行っているうちに、心身の発達が促されて、以前出来なかったことがいつの間にかできるようになっている…
すると、できなかったことができるようになった喜びから『もっとしたい』と意欲が高まり、ますます夢中になる…
というのを繰り返すのです。
この時注意しなくてはならないのは、乳児期や幼児期の発達のスピードは個人差が大きいということです。
お友達より、ちょっと発育が遅いだけで後から大きく成長する可能性のある子が『みんな出来るのに、僕は出来ない…これが苦手』と思ってしまうと、後から心身の準備(レディネスと言います)が整って、やってみれば大きく成長できる時期が来た時に、苦手意識からあんまりしなくなっていて成長できず、本当に苦手になってしまったりすることがあります。
これらのことには、乳幼児期以降のこども達や大人達にも当てはまる、さまざまな技能の上達の心理学的なコツが示されています。
すなわち、上達の近道は
①『安心できる環境』で
②『自発的に自由に、出来ること、出来そうなことを思い切り楽しむ』、
③『他人と自分を比べない。過去の自分と今の自分を比べて、出来るようになったことを意識する』
④『以前出来なかったことも、いろいろな経験やそれに伴う成長によって心身の準備が整って、今やってみたら出来るようになっているかもしれないので、あきらめない』です。
お試しあれ(*^_^*)
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