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外務省のプログラムで「日本のお城」について講演しました

先日、外務省が推進する対日理解促進交流プログラム(JENESYS)にて、「日本のお城」をテーマに約1時間オンラインで講演させていただきました。

このJENESYSですが、その名の通り、日本の文化・歴史等を将来を担う世界の人材に向けて発信しているプログラムとなり、今回は、東南アジアのブルネイ国の学生に向けてのオンライン・ウェビナーでした。

広報文化外交と呼ばれているそうです。通訳案内士も広義の意味で、「広報文化外交」の一翼を担っているんだなと今回改めて思いました。


こちらのプログラム。凸版印刷協力のもと、日本国際協力センター(JICE)が主催されています。世界情勢が著しく変化する中で、国のソフトパワー(文化力)がますます大きな意味を持ち、世界各地に日本のファンを増やす重要性が増しています。国としても、JICE等の機関を通じ、しっかりとソフトパワーを高めているのだな〜と、今回、この活動に参加させていただき思いました。

"Profound Tourism"サービスを展開する凸版印刷。由緒ある寺社仏閣の訪問や文化体験を通じて日本の伝統文化に宿る精神性に触れるツアーも展開されています。

お城の魅力を海外に伝える!オンライン x オフライン

今回、オンラインのウェビナーという形でお話させていただきましたが、お城ガイドオンラインセミナー、非常に親和性が高いものであると感じました。

そもそも、「お城」を説明する際に、通訳ガイドとして大きな壁となるのが、そのお城が辿った「歴史」の説明です。歴史トピックを回避して、目の前に映る情景(例えば、天守の高さが何mであったとか)のみを説明することもできなくはないですが、インターネットが発達した昨今において、既成事実のみを淡々とガイドすることは、ますます意味を成さなくなると思います。

それよりも、その城がどのような”ストーリー”を辿って、今も、この場所に存在しているのか。外国人(特にFIT等で来られる富裕層向けのお客さま)の知りたいポイントはそこだと思います。

歴史的な背景を説明する際、例えば、"This castle keep was built in the Edo period"と説明したところで、"What is the Edo period? "となります。そうなると、まず”Edo”の説明から入り、必然的に解説が長くなります。

僕は、江戸城をガイドする際、少なくとも"Edo" "Shogun"といったワードを解説する時に、毎回、休憩がてらベンチに座ってもらい、持参した資料を見せて説明しているのですが、時間や見やすさの点から、もっと良い方法はないかと考えていました。

この問題の一つの解決策として、希望するゲストに対し、ツアー実施前に、オンラインで日本史の概要を含めて説明し、その後、実地のツアーでその現場を訪れるといった「オンラインとリアルツアー」の融合が効果的ではないかと思いました。

「必ず必要」というわけではないですが、「こういうオプションも提示できる」ことを示すのは、通訳ガイドとしての魅力と価値を高めることになると思います。

日本のファンを増やすため、ポストコロナ後のツアーをより魅力的なものとするため、試行錯誤は続きます。

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