言葉のかけ方で部下のモチベーションは上がったり下がったりする
皆さん、こんにちは。エグゼクティブ・コーチの林健太郎です。
この記事は、私が制作した動画講座:DELICオンラインから、チャプター5でお伝えしている「承認」について解説していく第2話になります。
(第1話はこちらからお読みいただけます)
第2話では、承認のフレーズを使うときにリーダーが気をつけるべきポイントをお話していきます。
優れた承認ができるリーダーになるための参考にしてみてください。
「でも」はご法度
第1話では、4つのカテゴリーに分けて承認の言葉を解説してきました。
これらの承認の言葉は闇雲にただ使えばよいということではなくて、使う時には幾つか気をつけてほしいポイントがあります。
まず1つ目のポイントは、承認の言葉を伝えた後に『でも』という言葉をつけないこと。
例えば「本当に良くできてるね、でも君はいつも最後の詰めが甘いんだよ」
この組み合わせ、いかがでしょうか。私が受け手だったとしたら、あまり嬉しくないと思います。「また説教かよ」と思うかもしれません。
この場合、承認の言葉自体は使っていても「でも」という言葉、そしてその後ろに批判的な言葉が続くことによって、相手は「でも」より後ろの批判的な内容しか覚えていないということが起こります。
残念ながら、これでは承認の効果は見込めなくなります。
『でも』という言葉を組み合わせて使わないように心がけてください。
伝え方にこだわる
2つ目のポイントは「非言語情報に気をつける」ということです。
どういう表情で承認の言葉を伝えるのか、あるいは、どういう口調やトーンで伝えるのかによって、あなたの承認の言葉の伝わり方は大きく変わるということなんです。
例えば、この私の画像のように眉間にしわを寄せた状態で「すごく良くできてるね」と部下に伝えた場合、相手にはどんなメッセージとして伝わるでしょうか。
少なくとも、何を伝えたいのかが汲み取りにくいと思うのですが、いかがでしょうか。ポジティブな言葉は聞こえるが、仕草はネガティブという場合、受け手は困惑するはずなんです。
第1話で出てきた、「承認しているつもりの上司」と「承認されていないと思う部下」の構図はこうして作られている可能性があります。
つまり、伝える側が意図していないメッセージが受け手に伝わるリスクにつながるんです。
他にも、携帯電話やパソコンなどは要注意です。
例えば、上の画像のように携帯電話を見ながら「すごく良く出来てるね」と部下に伝えとしたら、これは部下にとってどんなメッセージになるでしょうか。
額面通り、言葉通りに受け取ってくれるでしょうか?
きっとそんなことはないはずです。
言葉を伝える、という行為自体はものの数秒でできることです。
部下のモチベーションを上げるために「時間の投資」と考えれば、短時間で効果絶大ですのでROIは悪くないのではないでしょうか。
ぜひ穏やかな表情、優しい声のトーン、心がけてみてください。
個別化の重要性
さて、ここからは個別化ということについてお話していこうと思います。
実際に職場でリーダーが承認を使うときには、部下それぞれの好みに合わせて、言葉を変えていく必要があるというお話です。
このシーンは、私と部長との会話から始まります。
林:あなたの部下は何人ですか?
部長:3人です。
林:3人ですか。3人が3人とも、同じ承認の言葉を好むと思いますか?
部長:確かに、そんなことはないと思います。
林:そうなんですよ、承認の言葉というのは、個別化して相手の好む言葉を伝える必要があるんですよね。
部長:確かにそうですね。
この会話を受けて、部長はすぐに部下に「承認の個別化」を試してみようと試みます。
そんなシーン、ぜひ動画でご覧になってみてください。こちらは動画の7分47秒からご覧いただけます。(動画はこちらから↓)
個別化に挑戦した部長に感想を聞いてみましょう。
林:承認の個別化、どう感じました?
部長:やっぱり相手の好きな承認の言葉を使うと、すごく相手も喜んでくれますし、そうじゃない言葉のときは、喜んでいないのが明らかにわかりますね。
林:こうやって個別化することは仕事の中で負担になりそうですか?
部長:いや、そんなに負担にはならないですね。相手がどんな言葉を好むのかを覚えておけば、日常の仕事でも使えるように思いました。
林:良かった。ぜひ承認の言葉は個別化して使ってみてください。
部長:はい、やってみます。
さて、これで承認のスキルに関する解説はおしまいです。
承認のスキルはコーチングスキルの中でも、比較的時間をかけずに簡単に使えると思いますので、すぐに使って、その効果を皆さん自身が試してみてくださいね。
次回は、DELICオンライン、チャプター6を使って、質問のスキルを一緒に学んでいこうと思います。
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