【新卒Q&A】新卒社員に求めること / 中途社員との違い / 経験年数の差は埋められるのか
4月から新卒社員を5名迎えたり、24卒採用活動も目下進んでいるところで、新卒採用に関してあれこれ聞かれたり話したりすることがありました その中で出てきたQ&Aを一部書いておきます
あくまで自分が聞かれたらこう答えますよ、って内容なので、一般的に使い回せる話かどうかは知りません なんか使えそうなタイミングがあればに都合よく使ってください
※文体について、社内Slackとかずっとこういう感じなのでnoteも同じノリで書いてみたところ非常に書きやすかったので今後この書き方に統一します
Q:新卒社員に求めることはなんですか?
A:仕事で活躍してくれることです
仕事で活躍するとは、お客様やチームに貢献することです
今できないなら1日でも早くできるように努力を尽くして下さい
それができないうちにそれ以外のことを期待することはありません
Q:中途社員と新卒社員の違いはなんだと思いますか?
A:新卒社員は仕事の引き出しが空っぽで、中途の人は仕事の引き出しに経験に応じた何かが色々詰まってるという点です
仕事で使う引き出しの中身が空っぽの人だと仕事で何もできないので、さっさと必要な中身を埋めてもらう必要があります
そういう人たちに求められるのは
短期間で必要なものを詰め込もうとする姿勢
短期間で必要なものを詰め込める能力
詰め込んだ先から最大限活かそうとする姿勢
できるだけフィードバックを多くもらって改善に活かす姿勢
課題点を修正してプラスにしていく能力
その努力を継続する姿勢
あたりが中心になります
日々やるべきことの大半が姿勢と行動の話なので「いいからやんなよ」みたいな世界で戦っている、と思ってもらって大丈夫です
経験ない若い人が経験豊富な人に勝るといえる共通点は「捨てたり入れ替えたりする作業が必要がないのでその点は楽」「時間と体力がある」の2点です
必然的に社会人の何年目かまでは「時間と体力を最大限活用して空っぽの引き出しに必要なものを詰め込めた人が勝ち」みたいなゲームをやってるのに等しいです
ここではもちろん勉強して知識だけたくさん入れなさい、ではなく「経験」という中身のことを言ってます
一方、
過去の経験が豊富で引き出しに色々入ってる人について言えば、これから使ってほしいものは残しながら、古くて使えないもの、使ってもらいたくないものは捨てて、替わりに新しいものを入れていってもらう作業が必要になります
引き出しに入ってるものがほとんど全てが「あって欲しいもの」で、捨ててもらったり入れ替えてもらう必要があるものが少ない人ほどマッチ度が高くてすぐ活躍できる人、という可能性が高いです。ただし残念なことにそんな都合の良い人などめったに出会えません
逆に、捨ててほしいものとか入れ替えて欲しいものがたくさん詰まってて、そのまま使えるものが少ない人は、入社しても色々お互いに無理ばかりが増えてたいへん効率が悪く誰のためにもなりません
そういうのを一般的に「ミスマッチ採用」と呼び、中途採用における最重要ポイントの一つがこれをやらないことです
Q:中途の人と10年以上のキャリア差がある中で、新卒社員がそういう人と数年で肩を並べられるようになると思いますか?
A:なりますよ
たとえば、自分は趣味でピアノやるんですが、弾いてる期間だけで言えば累計30年近くとかになります
30年近くもやってれば相当うまいんじゃないですか、と期待された方もいると思いますが、実際には初心者から見れば上手だけど上級者から見たら下手、くらいのレベルです
所詮は「手なり」で無理なく弾いてる趣味程度のものでしかなく、まがりなりにも基礎練習やってた20ウン年前に比べても指も全く動きません
歴だけ見れば立派なものですが、コンクールの入賞とかを目指してガチで何年間か特訓してきた小学生のほうが比較にならないくらい上手です
別の例で、趣味で囲碁をやっています
30歳でルールを覚えたけど、8ヶ月くらいで初段を取り、その後はゆっくり4~5年くらいかけて何となく四段程度の棋力にはなりました。覚えてから初段までは社会人としてはそこそこ早いほうで、その後の上達は人並みかそれ以下くらいだと思います。
子どもだとルール覚えて数年で全国大会で優勝することも珍しくなければ、大人になってから始めて20年やってるけど3級くらいです、という人もいます。
大事なのは「歴◯年」じゃなくて密度と内容です
また、同じくらい大事なのが環境です 環境とは、誰に教わるか、どんなレベルで何を目指してる人が周りにいるか、などです
その中で自分の到達地点を決めるのは、どのレベルを目指してどれくらいやったか、です
そこそこでいいやと思ってやってる人はそこそこまで行けるかどうかが着地点になりますし、これくらいでもいいか、と思った人はそこ以上には到達しません
才能とかセンス・向き不向き、みたいなのは、もちろん一流とかその中でもトップレベルになれるかどうかの差には関係すると思いますが、世の中の大半の人は「センスとか才能とかいう前に、本気で上を目指して努力する気が最初からないし、実際そこまでやってない」の段階から抜けてないですよね
上を目指して努力を継続するのはとても大変で、必要ないのにとても大変なことをわざわざ続けたい人はいないので、それが大半で自然です
で、社会人においては、歴が長いからすごい出来るとか肩書がすごかったからすごい、とかの法則はマジでないです
繰り返しますが本当にないです
むしろ、楽器だのスポーツだのなら小学生から大学生くらいまでやってればトップレベルか趣味レベルかの違いはあっても素人よりは格段に上手とかは普通に保証されてると思いますが、ビジネスだと◯年とか以前に「本当に経験者ですか?」ってなることすら普通にあるんですよ
理由は社会人スキルは環境依存度が高いからみたいな話なんですがここでは割愛します
とにかく大手でキャリア◯年、他社で◯◯役員、みたいな経歴の信ぴょう性のなさは強調しておきます。
もちろん、だからといって大抵の仕事は初心者が2年や3年そこら頑張ってみたところで1流になれるほど甘くはないでしょうから、前の問題で言った通り、必要なことを引き出しに突っ込みまくって突っ込んだ先から仕事で使いまくって自分より上手な人からたくさんフィードバックもらう、の期間は何年かは必要ですよ
これはスポーツで言えば、体力つける、筋肉つける、基礎練習を死ぬほど重ねる、ルールや戦い方の基本を覚える、の期間です。これをすっ飛ばして一流選手になれる人はそうそういないでしょう
で、少なくとも、そういう段階にいるうちは、周りと比べて多少進みが早かろうが遅かろうが大したことではなく、文字通り「五十歩百歩」ということばがピッタリとハマります
そもそも周りと比べること自体がナンセンスなのですが、そんなことを気にしてる暇があったら「いいからやれ」に尽きます
そういう感じで2年3年と過ごしていれば仕事の量・任される仕事の質とどっちも上がってくので等比級数的に成長していきます ここで量やらずに出遅れる人は結果的に任される仕事の質も上がらないのでやってる人とくらべて等比級数的な差がつくことになります
「任される仕事の質が上がらない」の理由は、組織で働くならいかに成長につながる仕事に恵まれるかという受動的な要素が多分に入るんですが、シンプルに「あいつめっちゃやるからあいつに任せようぜ」って言われる人のところにそういう機会が集まるんですよ これは運要素じゃなくてほとんどが努力と行動の差です
なのでしばらくは「いいからやれ」でいいんです
(ここらへん一帯、会社に採用されてる時点でその仕事するにあたって最低限の能力水準は満たしてるはず、を前提としてかいてます)
話が逸れましたが、そういう感じで集中してやってれば3年5年とかでキャリア10年20年の人たちと十分戦えると思いますよ
もちろん「キャリア10年20年の中でも抜きん出てすごい人」と戦えるかというとそこは差は大きいでしょうけど、そもそもそういう人は世の中に非常に少ないんです
若いうちはそれでもみんな向上心もって頑張れるけど、年とって体力なくなったり家族できたりすると「仕事はここまででいいかな」って線引き始めるんですよ
あと、それ以上に、年とるとプライドとか年長者の意地とかみたいな謎の感情もでてきて、あんまり人のアドバイスとかも素直に聞けなくなってくるし、若くて伸びてる人をみて「負けないように頑張ろう」とかじゃなくて「まだまだ経験浅いからこういうところが未熟だね」みたいなマウント取るだけで満足するようになっちゃうんですよ
なぜかというと、年齢重ねていくと、本気でやってうまくいかず傷ついたり人間関係で大きなストレスかけたりせずに仕事するための「落とし所」を自分なりに見つけて、その中で上手に過ごしていく技術がどんどん上達していくんですよね
この辺は人生のネタバレ的な要素なのであんまり書くべきじゃないかもしれないですが、多くの人、というよりほとんどの人はそういう方向に流れていきます
で、そういう「落とし所」にすっぽり収まりきってしまってる人は、逆にいえば成長自体はそこでほとんど止まってるので、止まってるものは進んでればいずれ勝手に追い抜けるわけです
なので経験◯年は一定のレンジを超えるとほとんど関係ないです
経験年数がとにかく大事という人は経験長いことそのものにプライド持ってる人だけです
で、まぁ、これまで書いてきたようなことを「確かにそうですね、じゃあやります」って言って3年5年と続けられる人はその時点でレアキャラなので、その時点で頭一つ抜きん出た存在になってると思います
あくまで「個人の仕事力」として話せる領域に関しては、という条件つきですが、ここまで書いたことの中では特別優れた才能とかセンスとかはほとんど要らないと思います
加えて、さっき言ったような「上手に収まる方法」に向かわずに敢えて劣等感やストレスと戦いながら10年も15年も努力を継続できる人、なんてレベルになれば超ウルトラレアキャラです
みんなでそういう人目指して頑張りましょう、とは言わないけど、みなさんが想像する「いずれ自分もそんな風になってみたいと考えるすごいビジネスパーソン」は大抵そういう感じの人がなってるんじゃないかなと思います
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