魚さんと人形地獄
この曲について
まず、この曲も以前以下の記事で書いたように展覧会で書いた一曲。
もともとはサックスがメロディーを吹いていたのをソロ用にアレンジした。
なぜ「monsieur poisson」(ムッシュー ポワソン)っていうタイトルか?というと、展覧会で作品を見ながら曲を書いていた時に、その作品の横で目にしたのがこの言葉。コレを仮でこの曲のタイトルとしておいた。通常、後から曲のタイトルは変えるんだけれど、響きと言うか雰囲気が気に入ったのでそのまま使用。
青を基調とした具象画ではないけれど「町で佇んでるオッサン」という感じの絵と「monsieur poisson」という言葉から、マルセイユの港街かどこかを舞台にした感じを想像しつつ、この曲を書いたんだ。
技術的に目標としたコト
今回の技術的というか音楽的な目標は、「いかにパーカッシブなテクニックを使いつつグルーヴを提示し、且つメロディックな事をするか?」でした。これはかなり以前から意識してやってきたのだけれど、右手のテクニックを実用的に使えるまでにかなり時間がかかったように思いまっす。
いわゆるロカビリーの人のスラップって面白いな…と以前から思っていて、その辺を自分なりの言葉として話せるようにしたら面白いかも…と、少しづつ練習はしていたのだけれど、いわゆるスラップだけだとメロディーが余り通らない印象なので、その辺は通常のピチカートの鳴らし方なのさ。それに親指を交えた4フィンガー、とか3フィンガーでゴーストノートを織り交ぜつつって感じの演奏。
この親指を交えて2声とかを弾くってのはギターの類ではよく有るけれど、ベースだと余りポピュラーでは無いと思う。どちらか一方で一声だけだよね、通常。だけど親指が同時に使えると弾ける音のレンジが広がって便利なのよね。弦に当たる面積とか角度が他の指と違うから、音色が他の指と同じにはならない(練習してればいつかは同じになるかもね)から、それが問題といえば問題だけれど、それはそういう音色が出る方法、と割り切ってしまえば一声の時も表現の選択肢が一つ増えるという感じだから別に問題では無いと思う。
もう一つはこの感じで弾くと、弦を振動させる方向が、指板に対して対縦方向と横方向の2種類が混在してしまうから、音楽的なコンテクストが壊れないように瞬時に選択する必要はあるよね。
まだまだ開拓中の技術だけれど、ソロだけでなくて、アンサンブルの中でも色々と可能性が広がりそうだよね、と。
おまけにラスト人形地獄
以前の記事を引用したのでそこに関連した宣伝を…。
オイラが音楽を担当した夢幻紳士人形地獄、お陰様でインディーズフィルムとしては異例のロングランとなっているようです。
詳細は以下からご覧なれます。
この上映でいよいよラストな様子ですが、この映画の為に作った音楽達はオイラにとっても特別です。是非、シクヨロ。観に行ったら是非サントラ盤もシクヨロ。この映画の世界観の為に作った…というかこの映画の世界観から引き出された音楽達です。