ブラジル音楽強化週間なのです。
今月は割と盛り沢山で有り難く、そして楽しいのでっス。
まずは日本の「吟遊詩人ロッカー」辻さんに始まってハンブルク&ベルリンで抽象音楽のコンサート、帰ってきてすぐにフランスのオルタナ系フォークロックの録音をして、締めはブラジル音楽っス。
ブラジル音楽なう。
そもそもこのブラジル音楽のプロジェクトの主であるトニーニョとは去年の夏に初めて一緒に音を出したんだ。
その時に使ってたオイラの自作エレクトロ・アコースティック♡アップライトベースのカタチが、彼らの伝統楽器”RABECA” (https://en.wikipedia.org/wiki/Rabeca 日本語版の解説は無いっス、残念。この写真ではバイオリンの様に弾いてるけれど、実際には立ててチェロとかコントラバスみたいな感じで弾く人もいるらしい) を思い出させる様で、オイラのこの楽器をそのRABECAの大きくて音が低いバージョンとして扱ってみよう…というアイデアがあってオイラにお呼びがかかったらしい。
トニーニョはもう長いことパリで活動して来てるミュージシャンで、”Harmoniamundi”っていうフランスのレーベルの初代音楽監督(?)だったMoustakiっていう、出るトコに出たら超有名らしい歌手の伴奏者を長いこと務めてたんだとさ。
そんな関係で彼はパリに住む全てのブラジル系のミュージシャンを3世代4世代に渡って知ってる。その道のスペシャリストはほぼ全員知ってるわけよね。
なぜオイラなのさ?
ではなぜ「ブラジル音楽」というよりはむしろ「ブタ汁つゆダク」って感じのオイラを選んだんだろうね?という話。
それは単純に言って、外部からの何かを持ち込みたかったんだろうね…とオイラは理解している。
というのも、これは以前にも旧ユーゴスラビア系のジプシー系音楽をやってた時にリーダーに言われた事があるんだけど、
「ユーゴスラビア人は同じ故郷の人間だけが集まるとある種のカルト宗教みたいになって、いわゆる”伝統”から抜け出せなくなっちゃうんだよ。オレは新しいジプシー音楽を作りたいんだ。だから君みたいな全く違う所から来た人に新しい感覚を持ち込んで欲しい。」的な感じ。
オイラが何かのプロジェクトに呼ばれる時はいつもそんな感じさ。
なのでアイデアは提案するなり、演奏中にやってみせる事にしてます。
そう言えば、トニーニョ自身も「ブラジル人じゃ無いから良い…」的なニュアンスの事を言ってたわ。
で、今回のトニーニョのプロジェクトで実際やっているのは、いわゆるベースラインも勿論弾くけれど、それ以外の事も。つまりは通常その”RABECA”がやる様な役割も求められてる。ソロ楽器としては勿論だけれど、弓でリズムを作ったりとかで、アンサンブルがよりバリエーションに富むように…という感じね。そんな感じなのでこれから案内するコンサートの2つ目の方ではオイラの担当楽器がRabeca/cello/basseになってる。楽器はいつもどおりのエレアコ君です。
彼の音楽の紹介。
コンサートでは、下のアルバムからの曲を中心にお送りします。
個人的には音楽的な構造とハーモニーの感覚が面白いな、と。
ほぼ全ての曲において共通してるのは、1つのモチーフを展開させつつ、それに対する和声が変化していくという構造。和声は”機能”としては毎回同じなのだけれど、そこで選ばれる響きのバリエーションが多彩。
今回このコンサートに向けて全曲採譜したのだけれど、いわゆる”ブラジル音楽のやり方”が理解できた気がしまっス。
では、コンサートの案内を。まずは1つ目。
1つ目は今週末に1区のギャラリーでの演奏。
注意してもらいたいのは、このコンサートの会場は小さいギャラリーなので、客席が無く全員立ち見です。ガヤガヤした感じがお好きな方はコチラがオススメ。
続いて2つ目。
もともとはこのフェスティバルの為に編成されたプロジェクトっす。
12区にある小劇場です。当然客席はあるので、落ち着いた環境で聴きたい方はコチラがオススメ。予約推奨です。
「夢幻紳士人形地獄」アルバム絶賛発売中。
毎度おなじみ「夢幻紳士人形地獄」。
この映画の為の音楽を作る時も監督に「ぶち壊して下さい〜」みたいな感じで言われたっけねぇ。
つまるところ私の役割はそれなのですね、何処へ行っても。
それはそれを受け入れてくれる懐の広さを持った人々により成り立っている事なので、感謝してます。
このアルバムに収録されてる音楽も、監督の懐の広さ故に出来上がったモノだと痛感しておりまっす。
そんなワケでCD、MP3のアルバム共に通販にて絶賛発売中です。
各種ストリーミングサービスでもお楽しみ頂けます。