ハラにペ第三回 「ようやく病院へ」
これは退院直後に書いていた記録を元に書いています。
2018年4月4日
朝8時半頃だったかな…。目が覚めるとカミさんが電話をしている声が聞こえる。ウチから最寄り病院である「アメリカンホスピタル」に電話して予約を入れてくれてるようだ…。
起きて身支度をし病院へ行った。歩くのはもちろん、立つことすらままならないのでタクシーで。
この時もまだ血尿&血の塊は出続けていた。
アメリカンホスピタル、略して「アメホス」に到着後、日本語の診療室へ。
アメホス内では各言語ごとに診察室が設けられていて、自身の母国語で診療を受けられる仕組みになっている。そこには日本語での診療室もあり、日本人医師とスタッフが常駐している。
かなりな大病院なので受付で場所を聞いてから移動、予約を入れた日本人医師のもとへ。
この先生は電話でのカミさんの話から私の状態を察し、とりあえず通常の手続きを横に追いやって、当日の朝9時半に予約を入れて診てくださっていた。そして、さらに急を要すると判断し簡単な診察の後、緊急病棟へと送り出してくれた。「通常の手続き」で検査の予約を取り直していては時間がかかり過ぎてしまう…という判断のようだ。
フランスでの「通常の手続き」とは…。
フランスでは基本的には診察も検査もまず予約を取らなければならない。当日に予約無しでいきなり行ってもほぼ確実に追い返される、専門的な分野は特に。少なくとも数日、通常だと数週間、場合によっては数ヶ月とか…待つのが普通。各種予約は主治医の指示書が無ければ取らせてもらいない事が殆ど。仮に取れても現場で指示書を提出出来ないと、これもまた追い返される。
おおまかな流れとしては、主治医の予約→主治医に診察を受けて指示書を書いてもらう→専門医または各種検査の予約→専門医の診察または検査という感じ。
同じ病院内の緊急病棟へ移動し、検査の手続きを済ませ、案内された部屋で待つ。担当の医師が来るまでに採血と検尿用の尿を済ませる。
家を出る前よりも色は薄いが、まだ一目見て血が混ざっているのがわかる。
20〜30分待っただろうか。
やっと医師(今思えばスキャン技師かも…?)が診に来てくれた。この時点ではこの担当の方、カミさん共に腎臓結石だと思っていたようで、この彼はかなり軽いノリで明るい雰囲気だった。
結石は良くあるパターンでそんなにシリアスなモノでも無いんだろうね。そういえば先程の先生も「結石だったら水を沢山呑んで排尿、それで石を出して終わりです…」的な事を行ってたな…。
付き添ってくれているのが妻である旨を述べるとニヤニヤしつつ「コノ色男め〜(ツンツン)」って感じで茶化してくる感じなノリ。
「とりあえず石の場所を把握する為にスキャンを取りましょう」となった。
スキャンを撮って現像、その画像を元に分析となるとポラロイドで記念写真 を撮ってるのとはワケ違うので、結構待たされる。
スキャンを撮ったあたりから痛みが引いてきて、結果を現像してる間には痛みはほぼ感じなくなっていた。
痛みが引いたら今度は空腹を感じ始めてきた。
朝9時半に病院へ来たけれど、この時既に14時位にはなっていた。
お腹もすくハズである。
自分としても、この時は結石だと思い込んでいたので、「さっさと終わらせて何か食べたいなぁ〜」という位な感じで診断結果を待っていた。
しばらく経って...多分スキャンから一時間位は待っただろうか、忘れられてるんじゃないか?という不安に駆られる位に待たされた挙げ句に...ようやっとスキャン結果と共に先程の彼が来て、そして言った…。
「あなたは結石ではありません。腎臓の横に通常は無いモノが写っています。運が良い事に今日は腎臓の専門医がいます。彼に診てもらってください。」
その表情はさっきと打って変わっていてシリアスそのもので、軽い雰囲気など微塵も無くなっていた。
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