リモート録音始めました。
音楽を真面目にやりたいと思い始めた10代の半ば頃、望んでいたのはジャズミュージシャンになる事では無く、スタジオミュージシャンになって世界中の色んな人と色んなタイプの音楽を演奏する事だった。それと同時に、ベースの演奏を通してアイデアをやり取りしつつ音楽を創っていくプロセスって面白そうだな…というのもあったな。
だから、その為にジャズを始めてみたんだ。技術とか対応力とかそういう事を考えて、それから入るのが一番便利だと当時は思ってたから。
ある程度出来るようになったら今度はジャズが面白くなってしまって、いつの間にか最初に思っていた事は脇に追いやられてしまった。やりたかった事の軸自体はは変わってないけどね。録音作業での構築的なプロセスから現場での即興的なモノへ興味が移ったって事かなぁ…。
そうして月日が流れて時代が変わり、テクノロジーも進んで…。
去年の後半から、本当に少しづつだけどネットで録音の依頼を受け始めているんだ。ホームスタジオでコントラバスのパートの録音を請け負うリモートレコーディングってヤツ。
自宅に居るにも関わらず、違う地域、違う国のクライアントから今まで演奏したことの無いような、それまでだったら縁が無かったようなジャンルの録音を請け負っているのさ。
依頼する方も新たな縁を求めてるんだろうねぇ。
超絶高価な機材を持ってないとお話にならない時代や、ブロードバンド常時接続以前の時代だったら想像できなかったけれど、機材の価格が安くなって、でも性能は向上し、このご時世でテレワークが普及したってのもあってか、割とこういうのは当たり前になって来てるっぽい。10代の頃にやりたかった事が当時は想像もしなかった方法で”普通のコト”になりつつあるんだな…という感じ。
依頼して来るクライアント側も本人の人脈の外に出たいからこうやって依頼してくるのだろうけれど、そこでの判断材料はネット上で視聴可能な作品郡だよね。
そうなってくると依頼を受ける側としては、「信用に足り且つ興味の対象となる情報をどうやって発信し続けるか?それをどう拡散させるのか?」の方が「現実世界でどのコミュニティーに属するか?」よりも重要視されるという事なのだろうな…と思う。
それは単純に自分自身の努力の問題(制作→発表→拡散という流れ)で完結させられる割合が多いワケで、シンプルでオイラは好きだな。
そんな感じなので依頼の内容は割と「アイデアを借りたいので好きにやってみて…」ってな感じが多いね。それはクライアント側もアーティストで、前提としてクライアント本人の求めてるセンスに合ってると思うから依頼してくるっていうのが有るからだと思う。
最近の例だと、「リモートレコーディングしてます?」というコンタクトがシンガポールからあり、実際にビデオ通話で話したら「あなたのyoutubeでの作品見ました。映像が浮かんでくる様な音楽ですね〜。今、私はテレビドラマの音楽を作っているのですが、是非力を借りたいです〜。思いつくことを全部やってみて下さい〜。」とか、こういう感じ。
その他の依頼は、ベルギーからのモノで、バロックとキューバ音楽混ぜてみた…的なヤツ。書法が割とテクニカルなので書いてあるフレーズは基本的に変えずに、音の切り方とかゴーストノートの入れ方でリズムのニュアンスの変化を表現するっていう感じ。
まだまだ沢山のクライアントがいるとは言えない状況だし、もっと依頼が増えるような努力をしていかなければならない状態だけれど、やった仕事に関しては満足してもらえてるみたいだし、「これだよ!10代の頃のオイラがやりたかったことは!」と依頼が来る度に嬉しい気持ちになっているのです。
という事で、日本の音楽家の方向けにもこのサービスを始めます。
(下のリンクから概要はご覧になれます。)
色々な音楽家の方達と出会えて創作のお手伝いができるのを楽しみしています。
宜しくお願い致します。