音楽を担当したインディーズ映画、”夢幻紳士 人形地獄”があちこちで劇場公開!!
「夢幻紳士 人形地獄」がついに劇場公開!!
2021年5月22日より東京・K's cinemaで、その後順次全国で公開されます。
2017年の10月に音楽制作の依頼が来たのだけれど、制作自体はは2015年位からしてたらしいですね。完成した報告を受けたのが2018年で、2019年以降ズ〜っと世界中のコンペティションに応募して色々と賞を貰ってたみたい。
今回の劇場公開、関わった者としても大変嬉しく思っています。今回はこの作品の為の音楽を作る時に考えてた事とかを書きたいと思います。それを通してこの作品のストーリー以外の世界観の一端を少しでもお伝えできれば…と。そうして少しでもこの映画に興味を持ってくる人がいたら嬉しいっス。そういう側面からの映画の楽しみ方があっても良いよね…。
あらすじなどは告知の媒体で充分に見れるので、その辺については触れません〜。
最新情報へのリンク
最新情報は下のリンクから見れます。映画のいろいろな情報も見れます。
で、コレが宣伝用クリップ。
で、ツイッター。
まずは依頼を受けた経緯から。
共通の知人からオイラを推薦されたみたいで、オイラの作品達をアレコレと聴いてくれたみたい。で話を頂いたときには既に「好きにやって下さい〜」という感じだった。
まず、仮音源がついた仮完成版を頂いて、それを観つつ制作資金調達の為のクラウドファンディング用に監督が書いた文章とかを読ませて頂きました。
もうすでにクラウドファンディングは終了していますが、監督の想いや考えを知る素材として興味深いと思います。
なぜこのようなリンクを今更共有するか?というと、監督が書いていたこの映画を撮るにあたっての考えに共感できるところが結構あったからっス。こういうのがこの作品の映像表現の幹になってると思うのですな。
細かい引用とかは面倒なので、オイラが常に音楽を作る時に思っているコト、を書きたいと思います〜。言い回しの違いはあれど割と重なる点もあると思うので。多分、監督はそういう事を感じ取ってくれたから、多少の注文はあれど、端っから「好きにやって下さい〜」って丸投げしてくれたんだと思う。
音楽を作る時に思っているコト
音楽ってのは”ファンタジー誘発装置”という側面が多々あると思う。耳から聴こえる音を通して現実には目の前に存在していない世界へ想いを飛躍させてくれる…という意味でね。そういう感じでオイラ個人としては音楽を作る上での最終的な目的は、聴き手を”内面的な旅”へ誘うコトなのさ。
それを達成できるか否かがかなり大切で、テクニカルな意味での多少の問題って、”ファンタジー力”が大きければ大きいほど気にならなくなっていくものだと思うんだよね。だから、達成すべき事はそれをどうやって可能な限り引き上げるか?というコトだと思う。
それと、創作行為ってそもそもが大なり小なり色々な種類の不自由さと隣合わせだと思うのね。だけれども、その不自由さを糧にして先へと繋げていこうとする創意と工夫ってのが大事で、それがクリエイティビティーの一つの源流なんだとも思うのよね。
で、この映画の為の音楽を作るにあたって思ってたコト
それはまず、「作中の一要素として作品全体のファンタジー力を上げる事に貢献できたら本望だな…その為に登場人物の作品中では描かれていない人生や、その物語の存在を感じられるような音を作りたいなぁ…」と言うコトだったんだ。
なので、それぞれのキャラクターの人物像やそれまでの人生を想像しながら曲を作っていった。聴き手を”旅”に誘いたいなら、まず自分が”旅”をしなきゃね…という考え。
頂いた映像には仮音源が着いていたので、どの場面で音楽がつくのか?というのは既に明確。その各シーンをリピート再生しながら、そこの場面の鍵となるキャラクターの為に主に書いていった。選択肢を出来る限り提供できるように、全ての音楽をそれぞれ独立した曲として完結出来る様に作っていった。
勿論、音楽がこの作品の中心では無いので、曲の全体像が見えるような使われ方はしないのは端から承知で、納品後にどこをどう使うかも監督に一任するので、どこをどういう風に使われるか?も知れず、という状況。でもそれで良いと思うんだ。作った曲の中から例え一瞬しが使われなくても、そこに力があればしっかり役割は果たしてくれるだろう、と。そういう事で、音楽の端から端までしっかりと何らかの気配があるモノを作るという事を目標にした。
ってなワケでダイジェスト
お陰様で伸び伸びと出来て、自分でも気に入るものが出来たし、作っていて色々と気づく事もあり、楽しい制作プロセスでした。
こうやって関係した者の能力を引き出せるのも監督としての能力の一つなんだろうねぇ。
映画館へGO
っと言う感じで自分の担当した音楽に関して書いたけれど、パッと目が行く所以外にも色々楽しめる点が多い作品だと思います。実際に衣装賞やら俳優賞やら取ってるしね。
個人的には役者さん達のそれぞれの雰囲気が好きだったな…ってのと、映像表現の工夫が面白いな…と思って観てました。
映画館特有の大きな画面とか映像や音の質感で実際に観たら、さらに見どころが増えるだろうなぁ…と妄想ナウ。
というコトで是非映画館へGO。
恐縮だけれども音源の宣伝もさせてちょ
映画の宣伝に貢献できたら…と思ってコレを書き始めたのだけれど、折角なので最後に恐縮ながら自分の宣伝もさせて頂きます。
映画館での上映と同時にサントラCDを発売予定、なので段取りナウ。
自分でも気に入ってる音源なので今後も大事に付き合っていこうと思います。
”手に取る喜び”のある物が作りたいなぁ…というのが目標っス。”手に取る喜び”ってのはフィジカルなメディアの一つの存在意義でもあり、且つネットからダウンロードできない部分だものね。
目下のトコロ、今作品が公開される会場のみでの販売になりまっス。映画の作品中からスピンアウトした世界観がお楽しみただけると思いますので、日常生活からこっそり抜け出したい時のお供に是非シクヨロ。