ハラにペ 第11回

前書き

2018年に腎臓がんが発覚し、全開腹手術で左腎臓ユニット全摘出。その時の事が誰かの為に役に立てば…と思いコレを書いています。実際に当時も誰かの経験談をネットで読んで情報を得ていて、それには大いに助けられたので…。
以前の投稿は入院直後につけていたメモを元に書いていましたが、それはやはり時期尚早だったようで、書いてるウチになんだか辛くなってきて途中でやめてしまいました。なので、当時のメモが元になってるのは第8回まで。現在は記憶を辿って書いています。記憶が曖昧になってきている点がありますが、その辺はご容赦を。
ちなみに現在は健康には特に問題はなく、元気です。
では本題へ。


手術直後は集中治療室で その1

今回はICUでの話。
ICUには数日いました。入院生活全般に言えることですが、基本的に病院側は採血やら食事の時間やら、彼らのスケジュールに沿って行動しますが、それ以外の時間は患者的にはどう過ごしても自由…という感じでした。全開腹手術後の患者が行動できる範囲なんてのは限りがあるので、わざわざ制限などは必要ないのかも知れませんけれども…。 

この時点での格好

後ろ開きの薄いモックの様なもの一枚と静脈炎を防ぐ為というふくらはぎ全体をカバーするサポーターの様なモノ、それに点滴数種類が左手にあり、左脇腹にはドレインを排出する為の袋が差し込まれ、尿道カテーテル。

ICUでの生活パターン

朝は6時頃、採血の担当者がやってきます。眠っている患者にお構いなくガサガサやるので、毎回それで目が覚めました。今思えばわざとそうしていたのかも知れませんね。
8時位に朝食。その時には絶対「オナラは?」という質問。「出ました(ドヤ顔)」「良いですね!」というやり取り。
その後、詳しい時間は忘れてしまいましたが、午前中に執刀医が状態を確認にやって来ました。毎回色々データや傷口をチェックして、「経過は良好!+(Vサイン)」と言い残し疾風の如く去っていきました。
昼食は確か12時頃。
午後は傷口の癒着を防ぐためのリハビリ。
夕食は18時位でしたでしょうか? 

大まかな私のパターンは上のとおりでしたが、数時間おきに看護師さんが来て色々検査したり取り替えたりしてくれていた記憶があります。

「傷口の癒着を防ぐために、寝たきりにならないで、できる限りベッドから起き上がって、可能な限り動いてください」と言われていた為、一日に一回は病室の外へ歩きに行きました。「歩きに行った」とはいえ、手術直後&点滴と尿道カテーテルがぶら下がった状態なので、病室から5メートル先へ行って戻ってくるだけで割とヘトヘトになり、一仕事終えた感覚でした。

それ以外の日中はできる限りベッド横のテーブル付きの椅子に座って過ごしていました。座って何かをしていた訳ではなく、ただひたすらボーッとしていた記憶が有ります。やはり傷口が大きいからでしょうか、時間があっても積極的に何かをする気にはなれず、かといって「暇だなぁ…」とも感じませんでした。ただただボ〜っとしているうちに時間が過ぎていった気がします。

傷口の状態

麻酔が効いてる限りは特には痛みを感じませんでした。しかしその状態でも腹筋の縫合部部分は力が入ると激痛がします。なので、ベッドから起きたり寝転がったりする事は自力でできず、電動ベッドの補助を借りて体を起こした状態にキープし、そこから方向転換するカタチでした。

起き上がり体をずらしベッドに腰かけた状態にまでなると、今度は内臓全体がズレるような痛み…。それが収まるまでベッドの上でじっと待っていました。
「全開腹で内臓を動かして、おまけに一器官まるごと(大体握りこぶし2個分)摘出してるんだもんな…内臓の場所が落ち着かないんだろうな…」と毎回思っていました。
そこから動けるようになるまで毎回大体30分くらい経ってました。

お腹に力が全く入らないからでしょうか??声も通常よりも遥かにか弱い声しか出せませんでした。
笑ったり、咳をしたり急激な収縮も大敵でした。そうなると、激痛です。

麻酔が切れてくると、お腹の中の摘出箇所あたりに鈍痛が始まります。

リハビリ

横隔膜の癒着を防ぐため毎日一度リハビリの先生がやって来ました。特に難しいことをやっていた訳ではなく、腹式呼吸を思いっきりする、というものでした。

ただ、先程書いた通り、激痛がします。激痛はしょうが無いとして、初日にはとても不安になりました。というのも、縫合部がまだまだ生々しい状態だったからです。なので、先生に質問しました。

ボク「縫ったばかりなのにこんな事して大丈夫ですか?縫った部分が弾けてしまったりしませんか?」
先生、ちょっと笑いながら「表面の皮膚の下も縫ってあるし、普通に縫ってあれば全然問題ないですよ〜。」
童話に出てくるカエルみたいにお腹が弾けて…とかは無いみたいです。


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