ハラにペ第六回
この記事は2018年当時につけていた記録を元に書いています。なぜこの様な記事を書いているか?は、マガジンの冒頭を読んで頂ければ…と思います。
今回は専門医に再び会って手術の詳細を詰めた時の話です。
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4月9日、執刀医の先生と再び会った。今回は検査とかでは無く手術に関して疑問等を残さないための詳しい説明と予約の為。
入院の段取り。
まず、どの位の期間入院するか?
入院期間は8日間。手術の前日から入院して、術後2からは3日は集中ケア室、以降一般病棟に移るという流れ。
そして、どの病院で入院し手術を受けるか?
アメリカンホスピタルは入院費用総額の見積りが大体200万円位。それに対してもう一方のクリニックは2万円位。執刀医はどちらの病院にも勤務している同じ先生なので執刀医に支払う金額は同じで20万位。そして麻酔医に10万、という具合。こんな感じで三種類の請求が来る。執刀医と麻酔医への料金は病院が異なっても同じだけれど、病院に支払う金額が、この場合100倍違う、という事。(支払いや保険の話は日本とかなり違って少しややこしいのでまた後日…)
安いからと言って医療の設備やレベルが劣る訳では無い…。
それがフランスのミステリーなのけれど、事前にキチンと段取りすれば、高度な医療でも格安で受ける事ができる。後になってちょくちょく言われたのが「あなたの病気なら、無料で治療を受けられたのに...」だった...。看護師さんがイヤにお金の話をするなぁ…と思っていたのだけれど、どうやら患者に無理が無いような経済的負担で出来る方法を探そう…と言う事だったみたいだ。(これについてもまた別の回で書きます)
もちろん、200万なんてお金は無いので安い方に即決定。因みに”安い方”とは言っても、巷では「とても良いクリニック」として名前が知れ渡っている私立病院である。
病院が決まったら執刀医はその場でその病院の予約を取ってくれた。入院前に一度担当の麻酔医に会って話す必要があるらしく、その先生に会う為の予約もその場で。4月13日に会う事となった。
フランスの場合、それぞれの専門医と病院の段取りは別個にオーガナイズする必要があるらしく、入院となると上に書いたこの三者の予約がまずは必要らしい。上にも書いたけど、当然各者から別々に請求書が来る。
最終的な入院の日程は…
4月17日の16時から入院、翌18日朝8時に手術。以後、最初の2〜3日集中治療室で様子を見て、そこから一般病棟へ。そして24日退院。
その後、この病気についてと手術、更に術後の生活の説明をさらに受けた。
以下、先生に言われた事を箇条書きにしてみた。
・手術にかかる予定の時間は3時間。難しいというよりデリケートで重い。
・左腎臓の上半分が壊死している上に腎臓中央から伸びている大きな血管を病巣がまたいでいるので、大量出血のリスク回避のため部分摘出という事はできず、腎臓周りのユニットを全摘出する。病巣が大きい為、全開腹するしかなく、内視鏡やロボットでの手術はできない。
・左の腎臓はもちろんの事、その周りのリンパ節等、周辺ユニット一式を摘出。
・付き添いが待合室待機して術後直後に様子を覗うって言うのは無いらしい。結果は11時以降に電話で、面会は14時以降に。
病気についての説明。
・私の場合だと、病巣が肋骨の中に囲われてカバーされていたので、外部からの見た目や背中に触れた時の感覚ではわからなかったのだろう。
・国や地域によってどういう人が多いか?という傾向を示すデータはあるものの腎臓がんは、胃がんや肺がんの様に生活習慣と関連性が見いだせない。よって原因は解っていない、という事らしい。
術後の生活について。
・転移は全く無いので化学療法、放射線治療は必要なし。しかし、定期的ながん検診と、残った腎臓のコンディションを見るための検診は定期的に受ける必要がある。
・より詳しい注意事項は手術後に腎臓の専門医に会って聴く必要がある。
その他に…。
がん治療でより良い保険の効力を得るためには、主治医に治療の為の書類を作ってもらい、それを日本で言うところの国民健康保険に、その書類を送らなければならない。私は主治医がいないまま長いこと放置していたので、帰りがけに同じ病院内の日本人セクションの先生に主治医になってもらい書類を作ってもらった。(コチラについてもまた後日詳しく書きます。)