2010年のプロトタイプ
あらまし
先々月の1月にふと思い立って、ハードディスクに眠っていたこのプロトタイプ音源を聴いてみたら結構面白かったので、何らかのかたちでリリースしようかな…と思ったのだけれども、そもそもが単なるアイデアのスケッチ的に作ったので、編集が雑。なので新たに編集して作り直す事にした。
なにせ当時と使っているDAWが違うので、各トラックのWavとMidiをそれぞれファイルとして出力してサルベージする所から始めた。という事でMidiで作ったリズムトラックやオーディオ用のエフェクトは現行のDAWで作り直し、そしてミックスや音の定位はもちろん全体的な曲の構成も見直し。
新たに録音したり、そういうのは敢えて加えないで、あくまで再構成というカタチで進めた。
アイデア
コントラバスの音が交わった時に出る倍音のうねりとかは独特な質感で気持ち良いので、この曲はそういうのと空間を埋めすぎないリズムとかパルスの組み合わせで全体像を作ろうとしてた記憶がある。なのでLes Blancs 1の方ははいわゆる打ち込みでスペースがそこそこ有るようなリズムを、Les Blancsの方は何らかのパルスがどこかしらに聴こえるような構成で 作ってみた。
改めて聴いていて思ったけど、こういう路線…というかアイデアは自分的にとって一生変わらないモチーフだと思うので、更に推し進めても面白いかもね、。
「特に何かが有る訳でも無いけれど、何かが有る気がする…。」的な感じのヤツ。
実際に演奏的には何も難しい事はやって無いっス。
類似作品
今回紹介した「Les Blancs」は、2006年に夏目漱石の「夢十夜」の中の「第一夜」の為に作った作品の延長線上に有ると思う。これはインディーズのオムニバス映画、「夢十夜 海賊版」の第一夜のパート用に依頼を受けて作った作品。短いストーリーを3つの場面に分けて(主人公が妻を亡くすまで、ひたすら待ち続ける、100年経って再会する)それぞれの場面の為に計3曲作りました。
アイデアのルーツ
書いてて思い出した、こういう音楽上のアイデアの根底にあるアーチストを。
それは” サム フランシス ”でアメリカの抽象画家。
確か30年近く前に草月美術館に展覧会を見に行ったのだけど、大いにインスピレーションを受けものだったよ。
彼の作品を見て感じたことが今でも大きいなぁ。
違う色の水彩絵の具(?)が混じり合った地点の感じが凄い好きで、そういうのを音世界で出来ないかなぁ…っていうのは今でもあるねぇ。
どんな感じかは今どきググればわかりますが、ネットの写真だと色の交わりがほぼ見えないので、もし機会があったら是非生で見てみて下さい〜。