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【40冊目】時間の終わりまでブライアン・グリーン青木薫著

【諸々】 ・物理学者により、宇宙の始まり~銀河系の成り立ち~天体や地球の成り立ち~生命の誕生~(中略)~宇宙が終わるまでについて論じられた本。物理学者の専門に関しては分かりやすくかつ大変興味深く読めた。 ・記述された内容には、宗教や音楽、芸術についての記載があり、人の成り立ちをどこまで語るかという話にはなるが、外せない話題だろう。ただ致し方ない部分は多いとは思うが、その内容のほとんどが文献の引用でありかつ薄いように感じた。それらの引用について、物理現象とのアナロジーを説明

    • 【39冊目】徳川時代の宗教R.N.ベラー著池田昭訳

      【諸々】 ・翻訳が非常に上手なのかとても読みやすかった、がとても難解だった。 ・ベラーが30歳のときのハーバードの博士論文。アメリカ人でありながら、日本社会をここまで概観できるものかと驚いた。 ・数か月かけてじっくり読まないと理解できない箇所が多数あった。最初~P100くらいとP300~終わりにかけて、具体的事象よりは日本観を書いていて非常に面白かったが、数行理解するにも数分かかり、途中で断念。改めてきちんと読み返したい。 ・本著は、宗教が資本主義の発展に果たしてきた

      • 【38冊目】ラッセル結婚論バートランド・ラッセル著安藤貞雄訳

        【諸々】 ・イギリス人思想家のラッセルが記した本。思想家、なるほどそういう職業もあるのか、と読了後に表紙を読んで思った。自身の人間観を三部作で記した人だが、その思想はその広範さと思想であるが故に広く受け入れられ易いのだろう。 ・結婚とは何か、ということを、その歴史から現在の状況、そして将来どのようになっていくであろうか、ということを記しており、論とするために必要な項目を網羅している印象。 ・全般についていえるが、ラッセルは、社会課題を解決するために社会構造が成立している

        • 【37冊目】恋愛論 下巻スタンダール著杉本圭子訳

          【諸々】 ・1800年代に書かれた、男主観の恋愛の心情や行動を綴った書。「論」ではない。 【気になったところ抜粋&感想("→"以降)】 ・下記、散文的になっておりメモ程度までに記す ・心情や行動を綴った書を読むということ、それは芸出鑑賞に似ている(というか芸術鑑賞に分類されるのか?) ・一般的に、男女間での思考方法の主な相違は、男が解決型であり、女が共感型であると言われる。男女でうまくかみ合わないときは、それが原因のことが多いのだと考えていた。 ・しかし、本書を読

          【36冊目】恋愛論 上スタンダール著前川堅市訳

          【諸々】 ・1822年に書かれた、男主観で恋愛の心情を綴った書。 ・一般的に考えられる「論」の形ではない。 ・恋愛に係る論は、このように文章を綴ることで論じる、というのも一つ適した手段かもしれない。 ・感情を記すということは、論理的に説明することと違い、感情で理解できるので、頭であちこちに思考を置かずに物事を理解しようと試みることができるのだと感じさせてくれた。 【気になったところ抜粋&感想("→"以降)】 ①ザルツブルグの塩坑で、廃坑の奥深くへ冬枯れで葉の落ちた

          【36冊目】恋愛論 上スタンダール著前川堅市訳

          【35冊目】物理学とは何だろうか 下巻朝永振一郎著

          【諸々】 ・上巻では物理学のなかでも目に見える力学の話であったが、下巻ではそれらに共通するものは分子のふるまいであるということ、そしてそのふるまいのいづれにも量子力学が共通しているとのことを示し、物理学とは何かを比較的わかりやすく概観している。 ・それだけではなく、それら物理学の発展というものが、現象の観察→一般化→理論の構築→数学的理論の構築、となされていくが、数学的な解を得るのが難しい問題(未解決問題と言われるようなもの?)が出てくる。それを解決するための方法として、

          【35冊目】物理学とは何だろうか 下巻朝永振一郎著

          【34冊目】職業としての政治マックス・ウェーバー著脇圭平訳

          【諸々】 ・職業としての学問を読んだらもちろん次はこっちも。 ・3日間毎日、1日1冊読んだ! 【気になったところ抜粋&感想("→"以降)】 ①P92 ドイツ将校が出撃のたびに兵士たちに向かって、さあこれが最後の攻撃だ、これで勝利が訪れ、ついで平和が来ると言ったのと似ている。心情倫理家はこの世の倫理的非合理性に耐えられない。彼は宇宙論的な倫理的「合理主義者」である。諸君の中でドストエフスキーをご存じの方なら、この問題が的確に展開されている例の大審問官の場面[「カラマーゾ

          【34冊目】職業としての政治マックス・ウェーバー著脇圭平訳

          【33冊目】砂の女安部公房著

          【諸々】 ・安部公房の書き下ろし長編小説。安部の代表的作品で、現代日本文学を代表する傑作の一つと見なされているだけでなく、海外でも評価が高い作品。海辺の砂丘に昆虫採集にやって来た男が、女が一人住む砂穴の家に閉じ込められ、様々な手段で脱出を試みる物語。不思議な状況設定を写実的に表現しながら、砂の世界からの逃亡と失敗を繰り返していた男がやがて砂の生活に順応し、脱出の機会が訪れても逃げない姿に、市民社会の日常性や、そこに存在する人間の生命力の本質と真相が象徴的に描き出されている。

          【33冊目】砂の女安部公房著

          【32冊目】職業としての学問マックス・ウェーバー著尾高邦雄訳

          【諸々】 ・ウェーバーが学生向けに講演した際の書き起こし 【気になったところ抜粋&感想("→"以降)】 ①P27 学問の領域で「個性」をもつのは、その個性ではなくて、その仕事に仕える人のみである。しかも、そのことたるや、なにも学問の領域にばかり限ったことではない。芸術家でも、自分の仕事に仕えるかわりになにかほかのことに手を出した人には、われわれの知る限り偉大な芸術家は存在しないのである。いやしくもその仕事に関するかぎり、たとえゲーテほどの偉大な人でも、もし自分の「生活」

          【32冊目】職業としての学問マックス・ウェーバー著尾高邦雄訳

          【31冊目】風土和辻哲郎著

          【諸々】 ・勝手に期待しておいて読みづらさから落胆してしまってとりあえず目を通した感じの読書だった ・でもまたちゃんと読み直したい本 ・1カ月もかかって文字を目で追った 【気になったところ抜粋&感想("→"以降)】 ①最後の方で、他の学者による社会構造分析をよく引用しており、著者の研究との連関を示そうとしているが、私のような浅学者にとっては面白かった。ただ、どの引用もその部分だけを切り取ったら現代においては炎上しそう。でもその通りだと思うところは幾つもあった

          【31冊目】風土和辻哲郎著

          【30冊目】宗教的経験の諸相 上巻W・ジェイムズ著桝田啓三郎訳

          【諸々】 ・ハーバード大教授がヨーロッパの学生に向けて行った講義録。結構面白かった。細かい描写多すぎるけど。 ・宗教的な特異な経験を幾つかの精神的経験に分類して記述した本。そのアプローチと記述の方法からして、宗教心理学と言えるこの分野の開拓者なのであろう。 ・回心の経験談を複数記述してあり、元の心的状態と、回心によりその後の心的状態がどのようになったのかということは記述してある。それが、よくあるハッと気づいた状態であるかと推測しながら読んだが、それにしては回心の経験に対

          【30冊目】宗教的経験の諸相 上巻W・ジェイムズ著桝田啓三郎訳

          【29冊目】水墨画入門岩崎巴人著

          【諸々】 ・瀬戸芸冷めやらぬうちに一気に一通り「読んだ」。 ・入門としてはNHKの講座はとても優れていると思う ・とりあえず筆ペンで5個程度描いてみたが、筆さばきが難しくてそちらにばかり気がいってしまった。少しでもやってみると気づくことは多い。 ・描く時間も数分で描けるのでいいかなと思ったが、結局はデッサンが分からないと構図や濃淡のつけ方も分からないので早速デッサンの本を注文した。

          【29冊目】水墨画入門岩崎巴人著

          【28冊目】美術1、美術2光村図書高校美術2、高校美術3日本文教出版

          【諸々】 ・1980年代の高校美術の教科書 ・美術の教科書が何を目指して書かれているかだが、美術家の育成を目指しているような感じであった。理解としての美術ではなく、体感・創作家としての美術を目指しているように思われる ・構造的に理解するためには他の本がよさそうなのでおススメあれば教えてください

          【28冊目】美術1、美術2光村図書高校美術2、高校美術3日本文教出版

          【27冊目】投資の大原則バートン・マルキール、チャールズ・エリス著鹿毛雄二、鹿毛房子訳

          【諸々】 ・投資関連の著名な書である、「ウォール街のランダム・ウォーカー」、「敗者のゲーム」を書いた二人の共作 ・多少足りないと思うところもあるが、一般向けに、過去のデータを基に、資産形成の投資には全世界型のインデックス投資を勧めている書 ・為替ヘッジを買うべきか否かについては書かれていなかった ・1.5時間程度かつ内容も容易なので気軽に読める 【気になったところ抜粋&感想("→"以降)】 ①25年間に300人の専門家が行った8万2000の予測について検証した。教

          【27冊目】投資の大原則バートン・マルキール、チャールズ・エリス著鹿毛雄二、鹿毛房子訳

          【26冊目】物理学とは何だろうか 上朝永振一郎著

          【諸々】 ・哲学から自然学が分化独立して物理学となり、そして呪術や魔法の要素が洗い落とされたのが現代の科学である。 ・産業革命以降の科学の隆盛を見ていると、科学の発展によって技術が発展してきたのかと思っていたがそればかりではないらしい。 ・物理学専攻の学部生向けの本のようだが、物理学を概観するにはそれ以外の人でも読みやすい(数式があるので多少の我慢は必要だが)と思う。 【気になったところ抜粋&感想("→"以降)】 ①世界を奥の奥で統べているものは何かと問い、その秘密

          【26冊目】物理学とは何だろうか 上朝永振一郎著

          【25冊目】贈与論 他二篇(1924)マルセル・モース著森山 工 訳(2015)

          【諸々】 ・贈与の興りを見ることで現代における贈与・貨幣経済の形態を考察するための基礎を提示する。 ・まず、贈与には3つの段階(贈る→受け取る→返礼する)が踏まれる。 ・各民族の儀式には供え物がされるが、それには各民族の贈与に対する意識が表れている。 ・以前に飲み会の席でお会いしたときに、おごってくれるかなと周囲に冗談を言ったことがあったが、贈与論はその手の話ではなかった… ・訳者あとがきでも記しているが、扱う分野が大変に広範で、その記述説明に頁を割いているために、中盤は関心

          【25冊目】贈与論 他二篇(1924)マルセル・モース著森山 工 訳(2015)