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スカイディスクのここ2、3年の成長戦略について

ちょっと前に資金調達リリースを公開させて頂きました。記事にイイネを頂いた方、その後の各種リリース、コラムにイイネを頂いた方、大変ありがとうございます。また、個人のFacebookアカウントにも投稿させて頂いていて、そこでイイネを頂いた皆様、ありがとうございました。

投稿にも書かせて頂きましたとおり、スカイディスクは「ようやくここから」です。直近最注力している『最適ワークス』も2022年4月に正式版をリリースし、現時点で導入社数100社が見えてきたところです。そんな折でもあるので、今回は改めてスカイディスクの直近での事業戦略について書いてみようと思っています。

スカイディスクが目指す世界観

一番最初に、スカイディスクが目指す世界観を改めてご紹介します。一言で説明すると、「ものづくりを、もっとクリエイティブに」するために、「AIを誰もが活用できる世界をつくる」ことです。(ちなみに、これが会社のミッションとバリューです)汎用的人工知能が実現するまでは、当面時間がかかるであろう一方で、スカイディスクの『最適ワークス』が搭載するエンジンも含め、特定領域に特化したAIについては様々な領域で開発と活用が進んでいます。

これらのAIを効率的に活用する方法は、人が作業として行っている汎用的な業務を代替させることです。例えば『最適ワークス』を導入していただいた現場の中には、これまで3時間かかっていた生産計画立案業務が10分で出来る様になった、等という成果が出ている会社もあります。その上でAIを活用することでできた余剰の2時間50分を、人にしかできない創造的な仕事に充てほしい。日本のものづくりをクリエイティブにし、業界の持続的な成長に寄与する、そんなことをスカイディスクは考えています。

生産計画DXとは

スカイディスクは、前段でご紹介したミッションやビジョンを実現していくために、中長期的には会社が持つ最適化ノウハウを活用して、あらゆる産業の効率化を支援する会社になりたいと思っています。その為にも、製造業で結果を残すことは重要です。中期的には製造業の生産計画DXを推進することを目標としています。図で表すと下記の様な感じになります。

スカイディスクの中長期戦略

ここで言う縦軸が生産計画DXに関連してくる戦略です。事業戦略の話に入る前に、生産計画DXについてちょっと補足します。生産計画DXとは、工場運営の基盤である生産計画と、生産計画に関連するデータを可視化し経営に活用し、経営を効率化していくDXのことです。

工場の日々の稼働を規定する生産計画には、実に多くの情報が紐付いています。まず工場には何を、何個、いつまでに作らなければいけないか、というオーダー情報、あるいは受注予測データが存在します。そして、実際に製品を製造する際に必要とされる、資材の在庫情報もここに紐付いてきます。生産計画が定まると、設備稼働計画と人員配置計画が同時に設定されます。そして商品が出荷される際には、集荷・配送計画が新たに作成され、製品が出荷されていく事となります。概念的には下記の様な感じです。

生産計画DXの関連図

管理会計的な観点でこれを読み替えると、生産計画を中心として活動の可視化を行うことで、売上を創出するために必要なオーダー情報から集荷・配送情報、そして原価が紐付く在庫や設備・スタッフ稼働といった各データを、会計数値としてアウトプットされる一歩手前の段階で可視化することが出来るわけです。これらのデータを分析し、それぞれの領域で改善活動を実行する事で、現場業務の効率化だけでなく、製造業の経営革新の機会を創出していこう、というのが生産計画DXの考え方です。

スカイディスクが提唱する生産計画DXがすべて理想的な形で実現している事例はまだないのですが、生産計画DXが狙う効果が出つつある事例を一つご紹介します。

この企業が取り扱う製品は、設備稼働の準備に要する段取り時間が、どの製品を、どの順番で製造するかにより大きく異なる、という特徴を持っています。場合によっては数時間単位で段取りに時間がかかることや、これらの時間的な制約条件はベテランの暗黙知として業務が進められていたことから、目標とする生産量を実現するための計画立案は、ベテランの計画立案者でないとなかなか立案出来ない、という課題を持っていました。

最適ワークスの導入により、こういった暗黙知が可視化され、生産計画立案業務が効率化されたというメリットがまずありました。ここまでであれば、よくあるDX系のツールの紹介なのですが、凄いのは実はここからです。最適ワークスが立てる生産計画により、段取り時間が大幅に削減され、生産量が7%アップする計画が作れるようになったとのことです。これは凄いことで、例えば全国の製造業に最適ワークスが導入されて、同じように活用された場合、製造業のGDPが7%上昇する可能性がある、ということでもあります。

この様に、生産計画のDXが実現しただけで製造業で数十兆円単位のインパクトが出せる可能性があるわけです。それに最適なオーダー予測、最適な在庫管理、最適な配送計画と、関連する領域でも効率化が図られると考えると、そのインパクトはさらに大きくなるのではないかと推測されます。スカイディスクは、生産計画DXを通してそんな未来を作っていきたいと思っている会社です。

成長戦略としてのDXアライアンス

生産計画DXが浸透した世界の中では、スカイディスクも会社として成功しているだろうと考えています。生産計画DXの中で生産計画の立案効率化はまさに本丸です。ベテランの暗黙知が可視化出来て、計画立案業務が楽になる上に、ベテランが作った計画からさらに生産量が7%アップするかもしれません、更に生産に関わる経営判断も最適化されます、としたときに、最適ワークスを使わない理由が思いつきません。他のサービスも出てくるかもしれませんが、その前にスカイディスクとしてこの生産計画エコシステムを作り切っていくことが優位性になるんじゃないかなぁ、と思っています。

スカイディスクは、生産計画DXを実現するために、自社でサービスを拡大していくだけでなく、生産計画DXと関連する各領域で活動している他の企業の皆様と積極的に連携していこうと考えています。スカイディスクは50名ちょっとくらいのベンチャーでしかなく、何百億と投資資金があって、エンジニアが何百人もいる会社ではありません。すべてのサービスを自前で開発していくだけのリソースはない中で、アライアンス戦略の強化は自然な流れかなと思っています。

アライアンスを組む事で自社の強みが盗まれる、的な話は、以前は時々聞いた話です。ただし、それもあまり現実的には起こらないだろうなと思っています。最適ワークスが提供している競合優位性の源泉は、プロダクトそのものもさることながら、クライアントとの接点の中で蓄積されるサービス運用に関する様々な「データ」と、それらのデータを活用しサービスをアップデートしていく社内の「リソース活用体制」にあると思っています。スカイディスクが取り扱うデータには、色々な製造工程情報から、最適化の成果情報、オンボーディング時に出てきた課題情報や生産計画の予実情報など、様々なものが含まれます。そういったデータと向き合いつつ、日々、週毎、月毎と状況をチーム内で振返りニーズを抽出し、プロダクトやサービス提供価値を更新しています。

会社の競争優位性の源泉とは、何をサービスとして提供しているかという「点」の問題ではなく、リソースがどう相互に作用してそのサービスを実現しているかという「つながり」の問題だと捉えています。従って、最適化AIだけをまねて似たものを誰かが作っても、持続的に優位性を更新していくためのデータやリソース活用体制が無ければ模倣は維持できないものです。スカイディスクのDXアライアンス戦略は、模倣のリスクを恐れずに、この「つながり」を社内に限らず社外とも、意味のある形で多重に作っていくことで、アライアンス参加社全ての競争優位性を作っていこう、という戦略です。

この文脈の中で、PMFが成立しているプロダクトを持つ企業がそれぞれ連携して、クライアントに相乗効果のあるサービスを連携して提供することに大きな意義を感じています。クライアントにとっては、生産計画領域において全体最適に近い形でサービスの提供を受け、より大きな効果を実現する事が出来ます。また、各サービスはそれぞれの視点からクライアントに向き合い、最良のサービスを提供し、お互いの会社の中に独自の「データ」を蓄積し事業を伸ばす事が出来ます。お互いのサービスレベルが向上することで、他社と連携した新たなサービスが開発され、相互的にこのエコシステムを強化していく。そんな連携を作っていきたいと思っています。

なお、直近この文脈では、アスエネ様と工場におけるCO2の排出量可視化と最適化の観点から事業連携を図らせて頂きました。

DXアライアンスを積極的に進めていきたいと思う中で、勝手に(!)こんな連携が出来たら面白いな、と思う妄想をちょっとだけ書き出してみました。特に事前に何かをどこかの会社と話しているわけではありません。全くの妄想なのでその点ご了承ください・・!でも、ちょっと気になったら心当たりのある企業の方には連絡してほしいかもです。やっぱり、連絡なくてもこっちからしちゃうかもです(笑)

座組例①:ペーパーレス化を推進している会社との連携。生産計画に関する作業実施・確認情報をパートナーが提供するシステムから取込み、生産計画の予実・進捗確認を誰でも容易に出来る様にすることで、納期遵守率を改善させる連携

座組例②:スタッフのスキル可視化を支援している会社との連携。パートナーが可視化した人材要件と生産計画内でのスタッフの割付けを連携させる。実効性の高い精緻な生産計画の立案と、人材育成計画も連携させ人的資本経営を推進

座組例③:クラウド物流プラットフォームを提供する会社との連携。製造計画と配送計画を連動させた、サプライチェーン全体でリードタイムを最小化し業務の効率化を実現するソリューションの提供

座組案④:DXやBPOを提供するプロマネ・コンサル会社との連携。生産計画DXに必要な人的リソースをパートナー企業が提供し、最適ワークスをはじめとする生産計画DXツールの導入を中の人として支援。製造の現場業務を最適化することで従業員の負荷を大幅に軽減

座組案⑤:ERP、MRP提供各社との連携。日次の生産計画(小日程)は最適ワークスで作成し、月や年等、ある程度まとまった期間の生産計画(中日程、大日程)はERPやMRP内で作成する。両データを連携させることでシームレスな生産計画の最適化を図り経営の効率化を実現する 

座組案⑥:BIツールを提供する各社との連携。生産計画データをBIツール内に取り込み、その他の経営データと掛け合わせることで、より細部かつ網羅的に経営状況を可視化することが出来る。これにより、設備投資や従業員採用等の経営判断を支援するツールを提供する 
などなど

後藤の妄想

上記の様な妄想以外にも色々な座組があり得ると考えています。製造業の持続的な成長を支える生産計画DXというチャレンジを、同じ目的を持つ他社と連携して進めたいと思っている皆さま、お声がけをお待ちしております。DXアライアンスをパートナ―企業間での直接的なソリューション連携だけでなく、共同での広報・人材育成のための活動の実施や、更にはサービスの共同開発など双方にメリットのある有機的な仕組みにしていきたいと考えています。少しでもご興味を頂けた方は、是非後藤までFacebook等でご連絡ください・・!

現在、スカイディスクでは全職種積極採用中です!
今回の資金調達に合わせて採用サイトをリニューアルしましたのでぜひご覧ください。

4年間の軌跡を赤裸々に綴った代表内村のnote(10,000字over!!)はコチラ↓

YOUTRUSTでカジュアル面談も実施しています。少しでもご興味を持たれた方はぜひお話ししましょう!

https://youtrust.jp/recruitment_posts/9573add6d6bf3319b3e03b937904b4e1


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