遠藤健太郎 Kentaro Endo

目指すは闘う文豪。思ったこと、感じたこと、起こったことを素直に言葉にできる人になりたい…

遠藤健太郎 Kentaro Endo

目指すは闘う文豪。思ったこと、感じたこと、起こったことを素直に言葉にできる人になりたい。人生のテーマは生涯一表現者。

マガジン

  • 犬のこと、動物のこと

    大好きな犬の話や動物愛護についてのお話です。

  • ボクシング&格闘技の試合やエッセイ

    試合のことや格闘技について書いたものです。

  • オススメエッセイ集

    まず初めに読んでほしいエッセイをまとめました。

  • 愛の別名がなんであれ

    小説家志望のライター西村聡は、高校時代から想いを寄せている古橋愛夏と7年ぶりに連絡を取る。7年前に夢を追いかけて別々の道を歩き出した二人の、今と過去とが交錯する恋愛青春小説。プロボクサー遠藤健太郎が描く渾身の処女作。

  • 初恋。

    プロボクサーの遠藤は、自身のトレーニングを兼ねてスポーツクラブでアルバイトをしていた。そこに新しく入社してきたCちゃんに恋をして…… 遠藤健太郎が過去の初恋を綴るノンフィクション。

最近の記事

『オブスクラ』を観劇してきた

以前から尊敬している舞踏家の最上和子先生。 先生が公演が行うと知って昨日観に行ってきた。 前回は初めて舞踏の体験に参加させて貰い、次はぜひ舞踏を見てみたいと思っていた矢先、9月に公演が開催されると発表された。 チケットの申し込み開始日には待ち構えていたかのようにスマホを開き、すぐに申し込んで購入した。先生の舞踏とはいったいどんなものか、楽しみにしながら公演の日を待っていた。 そして9月15日。 六本木ストライプハウスビルにて、公演『オブスクラ』が開催されたから観に行ってき

    • 人生で初めて汚部屋の大掃除をした〜後編〜

      前回の続き 集めたゴミが山のように溜まっているので、まずはゴミ出しをしないと始まらない。しかしゴミ出しすら一人ではできないのが僕という人間だ。というかゴミ出しさえできる人間だったら汚部屋にはならない気がする。 そこで後日、また車で来てもらってゴミをまとめて全部出すことにした。 このゴミをまずは全部外に出す。 住人が通ったら苦情くるな…… 決行は夜中。住人からの視線が痛すぎるので人目は避ける。本当は良くないかもしれないけど多めに見てほしい。のっぴきならない状況なのだ。 ゴ

      • 友達の親が握ったおにぎりを食べたくなかった

        タイトルの通りなんだけど、小学生の頃とか友達の家に遊びに行ったり遠足に出かけた時に友達の親が握ったであろうおにぎりを食べることになる機会って結構あったよね? 断るわけにもいかないから我慢して食べていたタイプの子どもだったんだけど、本当はあんまり気が進まなかったな。 今日ふとそんなことを思い出して、あの心理を解明したくなった。 少し調べてみると同様の感想を持った人は結構いるようで、昔お世話になったトレーナーもよくそんなことを言ってたっけ。 芸能人だと有吉弘行とか田村淳もそうな

        • 最強論争と、理想と現実

          今日、Xで興味深いポストを見た。 ルール無しの殺し合いで武術門下生100人とレスラー100人で闘ったらレスラー100人が勝つ、という格闘技界隈では度々起こる最強論争に類するポストだ。それに対してある高名な武術家が、同じ才能と努力なら武術100人が勝つと反論して、ニッチな界隈であーでもないこーでもないと意見が出ていた。 もちろん、この法治国家で実際に殺し合うわけにはいかないから答えは永遠に出ない妄想話なのだが、僕の意見を言うと同条件なら僕も武術100人が勝つと思う。 身体的才

        『オブスクラ』を観劇してきた

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          12本
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          22本
        • オススメエッセイ集
          11本
        • 愛の別名がなんであれ
          20本
        • 初恋。
          15本
        • 再生
          15本

        記事

          人生で初めて汚部屋の大掃除をした~前編~

          夕方のニュース番組を見ていると、たまにゴミ屋敷や汚部屋の特集取材が流れている。 片付けができないゴミ屋敷住人の大半は中高年の独身男性で、隣人からの苦情や行政の指導が入っても本人は頑なにモノ(ゴミ)を捨てることを拒み、大抵は改善に乏しいまま終わって次の報道ニュースへと切り替わっていく。また最近は、発達障害らしき女性が片付けできずに一人暮らしで住む部屋を汚部屋化させてしまうパターンも報道されるようになった。 彼らの家を見た視聴者はいったいどんな感想を抱くのだろう。多くの視聴者は

          人生で初めて汚部屋の大掃除をした~前編~

          どこまでが環境か

          きょうだいが似る理由 僕には3歳上の姉がいる。 僕たちは子どもの頃は近所のおばさんによく間違えられるくらい顔が似ていたし、ちょっと前に流行った男女入れ替えアプリ(?)でお互いに顔写真を変えて送ったら、「これ俺やん!」「私やんけ!」となるくらい今でも似ている。 性格や価値観、感性もきっと似ていて、姉から勧められて読む漫画は大抵ハマるし、今ではきっと僕の一番の理解者でもある。 姉弟だから似ているのは当たり前といえば当たり前なわけだけど、子どもの頃は顔以外で特に似ているとも思わな

          風化した怒り

          物騒なことを話すけど高校時代にとても嫌いな人間がいて、当時は殺してやりたいと思っていたほどだった。 あの頃の僕が殺意を心の中だけで思いとどめた理由は「殺人は罪だから」とか「さすがに殺すのは可哀想」とかではなく、ただ単純に捕まりたくなかったからだ。まさしく処罰が犯罪の抑止力となっていた好例だ。 けど当時の僕は英雄に憧れて偉大な人間を目指す、肥大した夢と過剰な自意識の渦中に溺れる妄想癖の強い青年だったから、もしも殺したい相手が人類の存続を脅かす巨悪であった場合には、自己犠牲も厭わ

          新宿の片隅で七夕に

          7月に入り、日本列島はうだるような暑さが続く。 灼熱の太陽をなるべく避けつつ、僕は今週末に行われる試合に向けて減量と調整をしていた。7月初日で体重は66kgほど。6日までに62.5kgへと落とさなければならない。 過去最軽量の契約体重に合わせ、長いこと食事制限を続けて過去一と言ってもいいくらい身体は絞れていた。 この時期になると格闘系YouTubeで有名選手の減量の様子をつい見まくる。個人差があるのは当然だと頭では理解しているのに情報に振り回されて混乱してしまうのはあるあるだ

          新宿の片隅で七夕に

          原初舞踏を体験してきた

          1年くらい前にX(Twitter)で見てからずっと気になっていた人がいた。 その人は舞踏家の最上和子さん。敬愛を持って最上先生と書かせていただく。 僕が最上先生の言葉で、特に強く惹かれたのは死や無意識に対する考え方だろうか。 解像度の高い死への考察、意識の持ち方や把握。「なんかこの人すごいぞ」と直感的に思って、踊りのことなんて全然わからないまま先生の言葉を追いかけ続けてきた。 現代社会では自然の中に広がる美が隠され、世界の奥行きが覆われて久しい。死が除けられた社会の中で生

          原初舞踏を体験してきた

          遠藤、また試合するってよ

          と、昔あった映画のタイトル風に告知してみたよ(見てはいない) やっぱりまた試合に出ようと思います。もう辞めると既に2回宣言してる引退詐欺師なんだけど、結局また戻ってきてしまうのは格闘技の中毒性ゆえか、それとも他にアテがないからか。 去年の10月にKO負けして試合はもういいやと思っていたんだけど、喉元過ぎれば熱さを忘れるというわけか、試合前の辛い練習や試合で倒された苦しさだけはすっかり忘れて気がついたらまた闘いたくなっていたのが今年の初めだ。 少しずつ練習を再開していた矢先に

          遠藤、また試合するってよ

          幸福感と生命の価値

          最近思うのは、本来なら幸福と寿命はトレードオフになっているんじゃないかということ。 痛みや苦しみ、不安、緊張、不満、孤独、妬みや嫉み、その他諸々の負の感情が生じることを幸福だとは言わない。つまり幸福とは、負の感情が生じない現状を肯定できる生き方のことをいう。 では逆に、現状を肯定できない不幸な心境や状況とはなにを指すのか。 例えば刃物で指を切ったとしよう。外界から強い物理的衝撃を受けて肉体が損傷した場合、人間は患部から強い痛みを発する。その時に痛みを生じさせたのは刃物で指を

          幸福感と生命の価値

          蚊と命と共同体

          蚊が多い季節になってきた。 モスキート音が不快に感じるのは遺伝子に刻まれた本能なのだろうか、あの音に悩まされて寝付けない日が誰しもあるだろう。 緑の多い場所に行けば絶え間なく襲いくる無数の蚊が耳に嫌な音を残していき、闇雲に手を振り上げて見えない敵と戦い続けることになる。 僕はベジタリアンとはいえ蚊の不快さは我慢できず、血を吸われるのを見過ごすわけもなく、見つけ次第叩き潰そうと躍起になっていた。 しかし改めて考えてみると、蚊は勇敢な生き物だよなとしみじみ思う。だってわずか2m

          罪と罰と大人の悪意

          こないだ書いたnoteでも少し触れたけど、子どもは成長過程において大人の悪意を受けたり競争に晒されたりする中で、社会は厳しくて冷たいのだと認識して社会で生き抜くための自立心が芽生えていくのだと思う。 この説を発展させると、競争や悪意が渦巻く社会に放り込まれる時期が早いほど、自立もまた早くなるのではないか? と思った。 偏見を持ってはいけないが、家庭環境が悪かった小学校の同級生が図々しく人の家に居座り込んだり人の物を盗んだりしていたのを見た経験は大なり小なり心当たりがある人も

          罪と罰と大人の悪意

          夢と手段の交差点

          「将来の夢はなんですか?」 子どもの頃に何度も大人から聞かれ、そのたびに自分が将来なりたい職業を答えてきた。きっと多くの人がそうだと思う。 僕の場合、ある時は昆虫博士、ある時はお医者さん、そしていつからか格闘家になりたいと答えた。 僕は果たして、どんな大人になりたかったのか。 幼稚園児の頃から虫や動物が好きだった。 彼らの不思議な生態に目を見張り、自らの生を全うする健気で儚い命の尊さに心惹かれて、その背後に紡がれた悠久の息吹きに想いを馳せては夢中になってよく生き物を観察して

          近未来はどうなるのか

          今日、こんなニュースを見つけた。 かがくの ちからって すげー!(ポケモン) 精子や卵子を自由に作製することが可能になり、また人工子宮のような受精卵を生育する体外の装置が開発されたりしたら、デザイン化された人間をどんどん増やし続けることができるようになるのだろうか。もしかしたらそう遠くない未来に実現するのかもしれないね。 ということで今日は、近未来を妄想してみる。 20XX年。 人の精子や卵子を自由に安価で大量に作製できるようになり、精子バンクや卵子バンクのようなシステ

          近未来はどうなるのか

          男は加害者なのか?

          ある日のこと。 商業施設に寄った帰り道、出口カウンターに立つ案内係(?)のおばさんが家族で来園していたお客さんに、「ありがとうございました〜」と言いながら手を引かれて歩く子どもに手を振ってそのままハイタッチしていた。 別に全然良いんだけど、それを見て自分が案内係の仕事をしていたとしたら、ハイタッチは絶対しないよなぁと、ふと思った。 案内係の小柄で気の良さそうなおばさんが躊躇わずに子どもとハイタッチしたのは、今までの半生で自分が他人に警戒された経験が少ないからじゃないかと想像

          男は加害者なのか?