竹熊健太郎《たけくまnote》

「電脳マヴォ」http://mavo.takekuma.jp 編集長。

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最近の記事

「フリーランス、40歳の壁」

本日(2018年4月19日)、拙著「フリーランス、40歳の壁」がダイヤモンド社から発売されました。版元名から成功本かと勘違いし、自己啓発的なビジネス書を期待して本書を購入すると呆れる内容かもしれませんので、ご注意ください。 私は本書で「計画的にフリーランスになった人間」と、「会社員ができず、なし崩しにフリーランスになってしまった人間」を分けています。そして、本書が主眼とする読者は、後者の「フリーになるしかない」種類の人間です。まさに私がそうなので、そういうフリーランスのこと

    • 作家と編集の対立構図という一般的な誤解と、エージェントの役割について

      以下の投稿は、もとはマンガ編集者である荻野謙太郎氏のtogetterまとめを読み、私のツイッターに投稿した連続ツイートの転載である(一部修正している)。荻野氏のツイートは、ついに現場のマンガ編集者からもこういう認識が聞かれるようになったか、という感慨深いものだった。私は似た認識を、もう10年近く前から発言している。 「作家とマンガ誌の温度差がちょっとまずい域に来ている。マンガ編集が語る出版社のこれから」 https://togetter.com/li/1210081 荻野

      • 草彅剛のYouTubeに見る「業界」の境界線

        草彅剛のユーチューブを登録して見ているが、まったく違和感がない。これからテレビとネットの違いがわからなくなるんだろうな。 https://youtu.be/bQkt70TTOTc インターネットが出たときから今日の状況は予想できたが、これほど早い時期に出版や放送の技術水準がプロのそれと並ぶとは思わなかった。もちろんネットコンテンツは玉石混交で、お話にならないような素人のコンテンツも多い。しかし、凡百のプロを凌駕するようなものも多いのである。 「プロ」という言葉を私は「それ

        • 平田弘史先生の構想ノート

          昨日(2017年12月22日)、1年ぶりに平田弘史先生のお宅に邪魔した。先生は現在、『首代引受人』の新作のストーリーに頭を悩まされているらしい。いきなりストーリー展開の相談を持ちかけられた。先生の作品の作り方は、あらかじめ全ての逃げ道を塞ぐ作り方で、逃げ道とは作者にとっての逃げ道である。 首代とは、戦場で殺される寸前、相手に待ったをかけ、百両支払うから殺すのは止めてくれと命乞いをする首代手形のことである。戦の後、当然彼は手形を踏み倒そうとする。それを取り立てるのが首代半四郎

          マンガエージェントとしての電脳マヴォ②

          電脳マヴォは現在、マヴォが編集を請け負うかたちでマヴォ作家さんを他社サイト・アプリに紹介する仕事を始めています。編集プロダクションと何が違うのかというと、マヴォはあくまで作家エージェントとして仕事することです。すべて事前契約ベースの仕事です。 少し困っているのは、企業様側は当然のように「連載」を要求してくること。しかしマヴォ作家さんは作家性の強い人が多く、兼業で生計を立てている人が多いのです。そうなると、連載の要請に応えかねることもあります。勿論、マヴォも「商売」として考え

          マンガエージェントとしての電脳マヴォ②

          「スキマ」にて電脳マヴォプロデュース作品が公開中!

          現在、電脳マヴォではTORICOさんの「スキマ」をはじめ、いくつかの会社と契約して電脳マヴォの契約作家さんを紹介、原稿料をいただく形でのビジネスを進めています。第一回作品として萱島雄太さん『残夢』、小林エリコさん『エリコの失敗日記』を連載中。 萱島雄太さん『残夢』は作者渾身の勝負作! 読者の評判もすこぶる良いです。 小林エリコさん『エリコの失敗日記』は、メンヘラの女王・小林エリコさんの、戦慄と泣き笑いの精神病院入院日記! 現在、原稿料の出る配信メディアを続々と開拓中! 電脳

          「スキマ」にて電脳マヴォプロデュース作品が公開中!

          見開きの電子書籍端末は成功するか。

          先日、あるベテラン漫画家と話をしたが、彼は「見開きに対応する、軽くて折りたためる電子書籍専用端末が現れないか」と言っていた。漫画は見開き単位で描くものだから、というのが、彼がそういうハードを待ち望む理由だった。実は私も長い間、そう考えていたが、最近は少し考え方を変えている。 考え方を変えた理由は、現状、電子ビュワーで閲覧する漫画は、ほぼスマートフォンで読む方向に収斂してきており、流れは見えた、と思うからである。そしてスマホの小さい画面で一番閲覧が難しいのが「見開きを前提とす

          見開きの電子書籍端末は成功するか。

          『チャイルド★プラネット』と大江健三郎

          『チャイルド★プラネット』が大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』のプロットに似ている、との指摘を何人かから受けました。私、大江の小説を実は一冊もまともには読んでないのです。今回、ネットで『芽むしり仔撃ち』の粗筋を読み、なるほど、こんな話だったのか、と初めて知りました。 ただし大江健三郎の小説のタイトルは好きです。『芽むしり仔撃ち』は、音で聴くだけだと何だか分からない、しかし印象に残るいいタイトルだと思います。タイトルからは、全然違う内容を想像していました。 『チャイルド★プラネ

          『チャイルド★プラネット』と大江健三郎

          電脳マヴォのエージェント業務

          現在、電脳マヴォと契約した作家さんを外部の企業様に紹介して、マヴォはエージェントとして介在することで全員ウィンウィンの関係になるようとり計らうビジネスを開始しています。もちろん作家選定にあたっては、企業さんの要求が第一で、契約した作家全てが紹介できるわけではありません。 電脳マヴォのエージェント業は、作家さんから著作権を期間限定でお預かりして「著者の代理人」として取引先とギャラを含めた交渉をするところが、普通の編集プロダクションとは違います。普通の編プロは出版社の単なる下請

          電脳マヴォのエージェント業務

          「残夢」(萱島雄太)がスキマで連載開始

          残夢 第1話 萱島雄太|スキマ https://www.sukima.me/book/title/zanmu/ 身体の一部が欠けた死体。それはただの序章にすぎなかった。憎むべき犯罪の裏に隠された真実とは?「絶対に捕まえることができない凶悪犯」を巡るサイコスリラー!! 電脳マヴォが編集担当しました。 これは株式会社TORICOと電脳マヴォが組んで、萱島雄太さんに新作をお願いした最初の連載になります。TORICOが原稿料を含む制作費を負担され、漫画アプリ(&サイト)「ス

          「残夢」(萱島雄太)がスキマで連載開始

          富川国際漫画フェスティバル

          今月21日に韓国のプチョン市で開催される韓国政府主催の国際マンガ祭で2時間の講演をすることになりました。依頼されたテーマは「日本マンガ界と電子出版の現状」と「韓国マンガが日本で成功するためには何が必要か?」の2点です。前者は、どのみち私のYouTubeでやろうと考えていました。 後者のテーマは、日本マンガとマンガ市場の特殊性を説明する必要があります。戦後、日本社会はアメリカのサブカルチャーを何でも吸収しましたが、唯一、日本人が受け付けなかったのがアメリカのコミックだと言われ

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          マンガエージェントとしての電脳マヴォ

          #電脳マヴォ は現在、某社と組んで作家さんと共に完全新作漫画を制作中です。マヴォは編集担当ですが、作家の著作権を代理するエージェントとして参加してます。作品の権利は電脳マヴォが管理しますが、原稿料は某社が出してくれます。作品は英語にも翻訳され、某社の海外サイトで公開する予定です。 情報公開できる時期が来たら、詳しいことを公表します。第二弾・第三弾も準備中です。 新作を原稿料を支払って制作・発表するのは、マヴォの積年の悲願でしたが、理解ある企業と提携することで、それがようや

          マンガエージェントとしての電脳マヴォ