読書脳 新版 読んだら忘れられない読書術

 本書『読書脳 〜新版 読んだら忘れられない読書術〜』は、樺沢紫苑さんの新作です。以前、「読んだら忘れられない読書術」を発行しているが、そのアップデートバージョンと言うべきものです。
 本書の大きな特徴は、「早く 安く たくさん読める究極の電子書籍読書術」が第6章に入っていることです。前回の作品のでは、電子書籍のことに触れていなかったので、今回は、ここがポイントです。あとは、大きくは変わっていないと思います!それにしても、樺沢先生の本は読みやすい。どの章からでも読めるし、一文が短く、的確な言い回しになっている。だからこそ、わかりやすいのだろう。また、各章の中でも細かく分けて書かれています。小見出しをつけ、書いているだけにここも伝わりやすい要因です。

■読むにあたり
 本書を読むにあたり、樺沢先生が訴えていることは、「読解力と文章力をつける」ことです。本書の中では、チャットGPTの話も出てきます。そこでは、AIを扱えるようになるためには、文章力・読解力が必要であると主張しています。それは適切ない指示と理解がないと、使いこなすことができないからです。AIの言ってることを理解し、指示を出す。この一連のことができないと、AIは的確な仕事をしません。だから、文章力と読解力がより必要となる時代と言っているわけです。

■読解力と文章力を高めるには??
結論から言うと、読解力と文章力を高めるためには、たくさん本を読み・たくさん書くしかないのです。つまり、たくさん本を読んで読解力をつけ、たくさん文章を書き、文章力をつけると言うことです。ここで問題なのは、がむしゃらに取り組むとできるようになるのかと言うことです。答えは「できない」です。特に、読解力は読むことで、必ずつくのものではありません。ここに、樺沢先生の読書術があると感じています。では、どんなポイントがあるでしょうか。
 そのポイントは2つです。1つ目は何のために「読む」のかということです。2つ目はどうやって読むのかです。ここをまとめていきます。

■なぜ、読書をするか。
樺沢先生は本書で8つのことを挙げています。
①知識と情報の違い
②時間購入について
③仕事力
④ストレス
⑤脳の成長
⑥人生の変化
⑦自己成長と行動変容
⑧喜び
 この8つに分けて書かれています。中でも、最初に知識と情報の違いがあるのは、AI時代に調べてわかる情報と、自分がいつでももっており引き出せるものを「知識」としていること、そして、結局は楽しまないとだめ言っている⑧の喜びは、印象的でした。情報はインターネットがあるから大丈夫、いつもでも調べることができるから大丈夫と思える時代。確かにそうではありつつも、結局はその情報正しさや整合性というのは、知識がなければわからない。知識があり、そこに判断する材料が生まれるから、この情報の正誤がわかります。

■一番大切なことは?
 本書を読み、私が一番読書をすることがなぜ、大切かと聞かれたら、⑦自己成長と行動変容です。ですが、読書をすると自己成長と自己変容をするわけではなりません。そこには、読んだことを記憶したり、読んだことを使ってみるという行為が必要です。そのためには、読むだけ読み、成長したかどうかは判断ができないです。読んだことをアウトプットし、自己成長のために記憶しておくことは欠かせません。
 では、記憶に残す読書術とは何でしょうか。どんなことを意識すれば、記憶に残るのでしょうか。

■徹底的に意識することは3つだけ! 
 記憶に残る読書術が必要といいましたが、そんな難しいことをするわけではありません。意識することは3つことです。
①隙間時間の使い方
②週に3回のアウトプットを意識する
③「速読」より「深読」を意識する
この3つです。

■隙間時間の使い方
 隙間時間は人によって違います。樺沢先生は通勤の移動時間が隙間時間として使っているとのことです。通勤の行き帰りや、仕事の移動時間を使い、読書。まさに効率的と言えるでしょう。しかし、私の場合は、自転車通勤のため、この方法が使えないです。だから、私の場合は日常の隙間時間を見つけて読んでいます。そのため、本は持ち歩いているのが現状です。

■週に3回のアウトプット
 樺沢先生は週に3回、もっというと7日から10日以内にアウトプットすることを大切としています。それは、短期記憶から長期記憶へと添付するからです。本書で提案しているアウトプット方法は、
①本を読みながら、メモをとる、マーカーでひく
②本の内容を人に話す。本を人に勧める。
③本の感想や気づき、名言をツイッターでシェアする。
④ツイッターやブログに書評、レビューを書く。
(本書 P93に記載)

この方法を駆使して、週に3回するということです。
週に3回と書きましたが、意外と難しいです笑
だから、最初はできる範囲ですることをお勧めします。なぜなら、続かないと意味がないからです。「自分だったらこれが!」というルーティーンを身につけてしまうといいかもしれません

■速読より深読
 一般的に聞くことが多いのは、「速読」ではないでしょうか。もちろん、速読を否定するつもりはありません。速読をして、内容を理解していれば、速読に越したことはないからです。ただし、です。こんなことはないでしょうか。
①読んだけど、内容を覚えていない
②抽象的な表現で伝えている

私も実はあるんです笑 
読んだものの、結局、どんな内容で自分に生かしていけるのかなと考えることもあります。つまり、読んではいるもの「インプット」ができていないんです。また、伝えるときにも、「〇〇」がよくと言いつつも、語れるレベルではありません。だから、本書にも、「数冊読んで、完全にアウトプットをすることと、10冊読んだもののアウトプットできていない」と比べると、3冊の方が良いと言います。
 こう言ったことから、速読を重視するのではなく、まずは「深読」をし、できるようになったら「速読」も身につけるといいということが、本書に書かれていることもでもあります。

■電子書籍の良し悪し
 最後に電子書籍のことをまとめたいと思います。結論から言うと、どっちじゃいけないと言うことはありません。双方の良し悪しを知った上で、「使い分ける」と言う感覚が必要です。
 電子書籍のメリット
 ①持ち運びのこと
 ②紙の本よりもお買い得が多い
 ③購入後に読めること
 ④いつでも読める
 ⑤電子書籍のハイライト機能
 ⑥目にやさしい
 このようなことを挙げられています。中でも、私が注目をしたのは、ハイライト機能。これは紙媒体にないことです。ハイライト機能とは、マーカーで印を打ったところを、記憶し、後で見返せることです。紙媒体では、ページを探すところからですが、電子書籍は一覧になるため、すぐにわかります。ここは大きなメリットです。

■終わりに
 今回は樺沢紫苑先生の「読書脳〜忘れられない読書術〜」を読みました。本書を読み、私の一番の課題は時間の確保と、アウトプット方法です。
 月に数冊でもいいので、確実にアウトプットすること、時間を確保することが私の課題として見えてきたことです。



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