読書はパチスロみたいなものだなと思った件について

表題の通り、読書ってパチスロみたいなものだなとふと思った。

最近、よく本を読むようになった。
大学生ぶりくらいかな、月間で10-20冊くらい読んでいる。
(コロナで仕事が暇だから)

まぁここで冊数は問題ではないんだけど
パチスロと読書の何が似ているかというと
”不確実性を伴う娯楽である”という点。

パチンコって不確実性を求めて
やっている人が非常に多いと思う。

当たるか当たらないか分からない、
でも当たった時は脳汁ブッシャー、
ドーパミン大量放出、みたいな。
自分ではいくらか勝ちたくてやってるっていう人も
本能的にはドーパミンドバドバの状態を体験したくて
パチ屋に行くってのが大半なんじゃないかな。

んで最近、読書もそんなところがあるなと思った。
"点(知識)と点(知識)が線で繋がるタイミングがいつ訪れるかが分からない"
から。

例えば僕は最近、「専門知は、もういらないのか」
というみすず書房さんが出している書籍を
読んでいた時に上記の経験をした。

この本は
なぜ現代人は自分のことを実際以上に賢いと思うようになり
専門家の意見を蔑ろにするようになったのかというテーマを元に
現代人の情報への向き合い方に鋭くメスをいれてる名著だと思うのだが
ページをめくっていて
「あ、これ暗黒時代〜ルネサンス期と似たようなことジャン
という気づきがあった。

筋のいい読者さんはもう気付いていると思うが
共通項は”反知性主義”です。(この辺また気が向いたら詳しく書こうと思います)

歴史は繰り返すという名言の具体事例が
また一個増えたぞい、ウヒヒ〜と自分の知的好奇心が
すごく満たされた。
こういう経験がたまーにだけどできるのが読書の醍醐味のうちの1つだと思うし
一方でこの経験はアンコントローラブル(ある程度の傾向把握と対策はできるかもしれないが)なので
〇〇すれば確実に△△が手に入りますよ、といった確実性は存在しない。

この点において読書とパチスロは似ているな、と。

だけど違うところも、もちろん存在していて
それは”知性を伴う(可能性の高い)娯楽か否か”という点です。

パチスロの場合、とりあえず1000円札を機械に入れて
レバーを捻って球を飛ばすという
単純作業を繰り返すというのが
その娯楽でユーザ側がやることのほとんどだと思います。

一方、読書で脳汁ぶっしゃーの体験をしようと思うと
点と点が繋がるということが必要となるため
前提条件としてある程度の知識が脳内DBに入っていないと
そもそも点と点が繋がりません。(レコード0件でselect文走らせるみたいなもん)

また読書はパチンコのようにただレバーを捻ってれば良いというものでなく
目を動かし頭を働かせながら文字を追う必要があるため
アクティブな姿勢が求められます。

つまりは知的な情報処理を伴う娯楽か否かという点が
読書とパチスロを大きく区分する基準であると考えられそうです。

確かにパチプロのような店舗ごとの研究を行ったり
新台の勉強もしながら
日々いかにして収益を安定して発生させ
トータルで勝っていくかを目標に
PDCAを回しながら取り組まれる方もいらっしゃるとは思いますが
ごくごく一部でしょうし
多くのパチ屋の客は、何も考えず、ぼんやりと画面を眺めながら
機械的にレバーを捻る人が大半だと
個人的な経験から推測されます。

僕は受動的に消化しやすいよう用意された娯楽を
「流動食コンテンツ」と呼んでいます。
こちら側に前提知識や認知能力をあまり求めず
口を開けていたら勝手に食べやすい食べ物が運ばれてくるよう
配慮されたコンテンツのことを差すのですが
こればっかり食べていると頭が不健康になります。

”You are what you eat”という言葉もあるように
人間は口にした食べ物で出来上がっています。
そして脳は食べた情報で出来上がります。

どうせなら健康でいたいよね〜と思う派なので
林檎嬢が「宗教」の中で「不愉快でも味わい識れ」と
言われていたように
なるべく好き嫌いせず、健康で文化的な最低限度の生活を
送りたいなぁ、と
てりやきマックバーガー食べながら思いましたとさ。

おわり

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コラム

本文中に登場していたみすず書房さんは
非常にあたりの多い出版社だと思います。
個人的に非常にマーケティングの上手な会社さんだなと思ってて。
みすず書房の本って基本まぁまぁ値が張るんですよ。(4-6000円がボリュームゾーン)
この値段設定って多分自身のメインの趣味が読書で
新しい知見を得ることに惜しみなくお金と時間を出せる層じゃないと
買わないと思うんですよね。
多分、流行り物の知識をとりあえず仕入れたいとか
今の仕事で結果出したいとかの層は
出して3000円までじゃなかろうか。
知的好奇心を満たすことが何よりも好きな人にとっては
格好のエサを用意してくれてるのがみすず書房さんかなと思うので
本好きの方はぜひ何か1冊手にとってみてください。

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