20代デザイナー、デザイン史を学ぶ②〜ゴシックはフォント?〜
こんばんは、今日はゴシックについて少し書いていきたいと思います。ゴシックというとヒラギノゴシックなどフォントの名称に使われているイメージがあります。
ゴシック体といわれるフォントとして、明朝体と並ぶ日本語フォントの種類の一つです。このnoteのフォントもゴシック体です。特徴としては、フォントの太さが均一に見え、一瞬で読みやすいことです。
そんなゴシックという言葉のルーツはどこにあるのか、今日は調べてきたので書いていきたいと思います。
ゴシック様式
ゴシック様式とは、12世紀後半〜15世紀の中世のヨーロッパに建てられた教会の建築様式のことで、フランス発祥でヨーロッパに広がったようです。建築の特徴としては、先の尖った塔やアーチ、大聖堂の巨大なステンドグラスなどがあります。
フォント由来かと思っていましたが、建築の由来だったそうです。ゴシックと名前はヨーロッパっぽいなと思っていました。
ゴシックという呼称は、もともと蔑称であったそうです。ゲルマン系民族の「ゴート風の」に由来して言われていたそうです。これは、ルネサンス前の芸術に「野蛮な」を意味する言葉で使われていました。
ちなみにルネサンスとは、ギリシア,ローマの古代文化を理想とし,それを復興させつつ新しい文化を生み出そうとする運動で,思想,文学,美術,建築など多方面にわたった運動や時代を指す言葉のことです。
その後、中世の様多様な文化を意味する言葉として使われました。そんな18世紀後半にイギリスで広まったゴシック様式の復興を志向したスタイルは「ゴシック・リヴァイバル」と言われています。
一つの言葉でもそこには、何百年の歴史が詰まっている、そんなことを感じます。では、なぜ、ゴシック体と言われるようになったのでしょうか。
ゴシック体の由来
公益社団法人日本印刷技術教会のホームページには以下のことが書かれていました。
15世紀中期に、近代印刷術の祖といわれるのがドイツの金細工師グーテンベルクが開発した活字印刷術に用いられたラテン文字を開発しました。これは、後年にドイツの国字となりドイツ・ゴシックと呼ばれます。
その後、印刷術が各国に伝わり、この書体も普及しましたが、イタリアでは読みにくさからローマ時代の書体を元ににローマン体が創作されました。ヨーロッパでゴシックと言えばこの装飾された文字を示します。
20世紀になるとサンセリフと言う書体が開発され、これが太さが一様なセリフ(ウロコ)の無い文字なのです。アメリカのベントンは創作したサンセリフ体に「オルタネート・ゴシック」(ゴシックに替わる書体の意味)と命名しました。
この活字が日本に輸入され,長い書体名を略して「ゴシック」と呼ばれて、いつのまにか「ゴシック」として日本に定着してしまったと言われています。
当時の日本では印刷の題名や見出し書体に隷書体を用いるものがありましたが,欧文のゴシック活字が輸入されると、このデザインに触発されて和文のサンセリフ体が設計されました。これを日本ではゴシック体と呼称し「呉竹体」と漢字書きされることもありました。中国では黒体と呼んでいます。
(公益社団法人日本印刷技術教会より引用)
ということだそうです。ヨーロッパの建築から始まり、アメリカに渡り、日本にくるという長い旅がゴシックには隠されていたですね。普段、何がなく目にするものが実は世界につながる歴史があると思うと一つ一つのものにもっと目を通していかないとと思いました。
また、ゴシック体がサンセリフ体と呼ばないものゴシック建築の歴史を知ることでしっくりきました。
こんな感じでデザイン史について学んでいきたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。
<参考文献>
絵ときデザイン史
ゴシック様式の意味・解説(SUUMO)
明朝体とゴシック体の言葉の語源は?(公益社団法人日本印刷技術教会)
ゴシック建築(Wikipedia)
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