鹿児島県知事選 2020に想う
先日、鹿児県知事選の立候補者とオンライン対談をした。
幼い頃から小さな島の中では、やれ村長選だ、やれ村議選だと近所の大人たちが立候補するものだから、それなりに政治と暮らしを身近に感じて育ってきた方だとは思う。
母方の親戚と父方の親戚、それぞれが立候補した村の議員選挙では、なんだかドロドロとした大人たちの横顔をみた。普段は、それなりに仲良くやってる人々が、選挙となると血相を変えて論争し、夜な夜な集まっては、票読みをする。親戚票、組織票、友人票。政策の中身云々ではなく、地縁血縁において地域の利権を勘案する者がいることも事実だ。こどもながらに「選挙」というものは、小さな村や、家族であっても二分してしまうような大きなチカラを持った恐ろしいものだと記憶した。
大人になった今、どんな理由や信念があるにせよ、政治の場に立つことのできる人は、誰であっても素直に凄いと思っている。僕自身はというと、子供の頃の政治に対する記憶が少なからずあって、いまだに直接的な政治への態度や意思を表明することには勇気がいるし、白黒はっきりつけること、何かを二分することが苦手だから、今回の鹿児島県知事選挙もそっと開票結果を待つつもりだった。
けれども、18歳の時に大切な故郷の原風景を失ったことを僕は、思い出したのだった。その時に聞こえてきた「大好きです、大切です、愛している、守りたい、しあわせにする。」そんな言葉がとっても空虚に思えた。そうした想いは大切で、その想いを言葉にすることは、とっても尊い。けれども、その想いや理想論だけでは、未来を変えることも、今を守ることさえできないことも知った。
何事も初めからできる人などいないだろう。ましてや県知事!だなんて誰もがつく事の出来るポストではない。これまでの鹿児島県政の4年間の全てが無駄な時間や事業だったとは思わない。けれども「耳障りの良いマニフェスト」の多くが不誠実に実現することなく過ぎていった事実を僕は、重く受け止めているし、また今日も耳障りの良いマニフェストや政策ではない云々が飛び交っていることを危惧している。
今、経済の立て直しは、喫緊の課題だ。天文館だけでなく、県内各地の飲食店やホテルなどあらゆる業種の仲間たちの悲痛な声が聞こえてくる。わたしもその一人だけれど、もう時間は残されていないように思う。そして、立て直した先は、経済だけではない。刻々と変わりゆく世界情勢において、環境問題や社会課題に対しても、鹿児島にはバランスよく発信していくことのできるポテンシャルがあることや、世界に必要とされる固有な価値がたくさんある。だからこそ、目先の利益やワンイシューだけに捉われすぎることなく、世の中のルールをよく知り、先見の明を持った本物の政治家が、今は必要だと思っている。ルールを変えるには、ルールを知るものが必要です。
”これからはデザインの時代です”
これは「いとう祐一郎」さんのマニフェストの中の一文です。designの語源は、デ(de:削る)・ザイン(sign:形作る)であり、ラテン語で「私欲を削り落とし、本質を磨き上げること」を意味しています。また、表面を飾り立てることによって美しく見せるのではなく、具体的な問題を解決するために、思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することを意味しています。
鹿児島というまちをデ・ザインし、より鹿児島らしい幸せを実現する政治に僕は、期待したいし、期待するだけでなく、それを県民として一緒に実現していく一人でありたいと思います。
いとう祐一郎さんを応援しています。
彼が過去に実行してきた3期12年の様々な功績は、私が語るまでもありません。ここ甑島でも、ドクターヘリが多くの命を救ってきました。いとうさんからしてみれば、そんなもの導入して当たり前だ!と言うかもしれませんが、これまで数々の命を見送ってきた島民の一人としては、感謝してもしきれません。さらには、甑島列島を一つに繋ぐために尽力していただいた甑大橋も、いよいよ2020年8月29日に開通します。わずか人口4,000人ほどの列島の産業は乏しく、高齢化率は、およそ50%の国境の島。高校もなく、決して恵まれた立地とは言い難い島を、彼は『宝の島』と呼びます。
ある時、鹿児島県は「離島を抱える」という表現をなるべく使いたくない。と伊藤さんは、言いました。それを聞いた時、鹿児島県内の過疎地域や離島地域は、課題ではなく鹿児島の価値なんだ!と背中を押してもらえたような言葉でした。その時、伊藤さんの本音がよく表れているなぁと思ったものです。
政治が、誰のためにあるかをよく理解し、政治家自身が地味すぎるほど目立つこともなく、鹿児島県の主役はあなたがた一人一人だよ、と教えてくれる伊藤前知事。その影では、自らでは、あまり語ることのない451億円あった鹿児島県の財源不足を解消したことや、子育て支援センターや動物愛護センターの新設、児童クラブの増設、ドクターヘリの運行を開始したこと。こうしたことを実現していく「優しさの裏にある、厳しさ」を知るがゆえに、本質をついた論議が、時折偉そうに映ってしまうのかもしれません・・・
私が、こうして元知事をされていた伊藤さんを応援していることを表明することで、勘違いして欲しくないのは、いとうさんを応援することで、
過去の県政に戻るということではないということです。
なぜなら、この4年間、私の信頼する鹿児島の地域づくりの最前線にいる20代から40代の若手の仲間たちが、より身近な場所でいとうさんに学び、そして、いとうさんを支えてきたからです。新型コロナの影響を受け、変容しつつある時代の新しい4年間は、まさしく伊藤さんの政治哲学とこれからを生きる若者たちや全ての人々の個性や才能、そして創造性が発揮される時代が始まるのです。
いとう祐一郎|基本政策
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