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都市経営プロフェッショナルスクール開講式集中研修@北九州市(3)〜個人事業の発表編〜
都市経営プロフェッショナルスクールの開講式集中研修2日目、フィールドワークによるエリア分析の発表も散々な結果となりました。
続いて、個人事業の発表を行います。自分が本当にやりたいことがわからなくなった私に対して、新たな気づきを得る場になりました。
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個人事業の発表からの逃避
前の投稿で、自分自身のやりたいことがわからなくなりながらも発表資料をまとめたと書きましたが、個人発表のチャンスがあったにも関わらず、結局、今回は発表を辞退してしまいました。
個人事業の発表の前に、エグゼクティブコーチの木下斉さんから以下のようなコメントが入ります。
「やるのがこのプロフェッショナルスクールの基本です。あなた何やっているんですか?何もやっていませんという人はプロではありません。」
後ろめたい気持ちのままスタートです。
個人事業の発表は、各グループから5名程度選出されて、順次発表します。発表時間はそれぞれ3分間で、5人ずつ発表した後、コーチ陣から指摘が入ります。
個人事業の発表内容は、すでに事業を実施している人とそうでない人で、明確に差があります。そこへコーチから的確な質問がなされていきます。その状況は新しい気づきの連続で、必死になってメモを取ります。
ただ、とある発表者に対して、以下のようにコーチ陣から厳しい指摘が入りました。
思考パターンがダメ。みんなの意見、アンケートをとってというのは、違うんですよ。あなたは何がやりたいのか?あなたはみんなから認められたいのですか?みんながいいと言ったらやるのですか?みんなが欲しいものをやりたい?ちょっと厳しい言い方になりますけど、そういうことなんですよ。
みんなが良いって言ったからこの機能を入れましたっていうのも、公共施設の失敗のほとんどの始まり。住民が欲しいって言いました。誰も使わない。住民が欲しいって言ったのを作ったんだから私には関係ありません、みたいな話に最後なるわけですよ。それを自分の事業で本当にやるのですかっていう話ですよ。
自分が、このまちが良くなるためには、これが必要だ、だからまち歩きをしようっていう話をしているのです。自分はこのまちはこれが魅力だな、ここが面白いな、こうしたらもっと良いのにという主体的な思考を日頃していない。受動的に誰かがやるべきだと言ったとか、誰かが欲しいと言ったから、何かがいいと言ったからというのを軸に思考するのはやめましょう。
自分を軸に、もう他が何を言おうと、親が反対しようと、誰が反対しようと、やるっていうことはやるんですよ。そうしなかったら、まちは変わらないんですよ。
誰か一人が意を決して、店を始めたら、その通りがガラッと変わったり、何十年廃集落になっていたまちに1軒のレストランができたら予約が取れなくなったりというのは、周りは全て反対しています。そんなものはできるはずはない、潰れるはずだ、あいつは頭がおかしくなった、とかいろんなことを言われるんですよ。でも、それをやり切った人がまちを変えているわけです。
自分がもし何かやるって言った時の軸は、自分においてください。じゃないと言い訳になります、全てが。そういうアンケート結果だったからこういうことをやりましたと言われても、最終責任者じゃないという仕事をやりすぎです。自分でやるわけですから、ちゃんと考えてください。
全て自分が言われているように感じました。本当にやりたいことは、自分を軸にして考え、他が何を言おうと、親が反対しようと、誰が反対しようと、やると決意できるものでなくてはならない。その覚悟が自分には不足していました。
また、自分ではなく他人の意見を軸にしたら、全てが言い訳になってしまう。空き家対策をやりたいと思っていた自分の心の奥底に、他人の意見や願いが潜んでいたため、そのまま事業をやっていたら、うまくいかない理由を全て他人のせいにするところだったと反省しました。
ただ、自分の事業内容に対する違和感は間違っていなかったということを肯定してもらえた気がして、少し救われた気がしました。
自分は本当に何をやりたいのか?
しっかりと向き合うことをこの時決意しました。
個人事業の発表の講評
エグゼクティブコーチの清水義次さんの講評
個人発表が終わり、全体の講評に移ります。まず、エグゼクティブコーチの清水義次さんからお言葉をいただきます。
長時間連続で皆さんの話を聞いていると疲れます。初回なのでまだまとまっていない方が多い事は否めないんですけども、自分は何をやりたいんだってところだけははっきり意識して、明確化することから、まずは始めてみてください。
やりたくないことを嫌々やるのはやめてください。無駄です。そういう無駄なことを考えている暇があるんだったら、まぁのんびり楽しく暮らしてください。それしかありません。
本当にやりたい事が見つからないって時は、悩んで悩んで悩み抜いてください。そのぐらい悩まないと多分ダメなんじゃないかなと思う。
工夫があまりにも足りません。あまりにも単細胞的な発想。これをやりたいって事はわかっても、そのやり方も含めて、あまりに工夫がない。これは皆さん自身の体験量の不足が多分物語っているんじゃないかなと思います。
世界中に良いまちがいっぱいありますよ。皆さんはまだまだ若いんですから、ちょっとでも時間が空いた時に、必ず今まで行ったことがないところを体験してみて、それを元にして物事を考えていくって癖をつけて欲しいなと思います。
それぞれのテーマごとに自分のやりたいことがわかったら、それが世界中、日本の国内も含めて、どんな街に行ったらその良い事例が見られるんだろうかってことをまずは徹底的に調べ上げて、それを1つずつ、休みが取れるごとに全部試してみて、コンテンツを練り上げていくってことをやってほしいですね。そのぐらいの努力をしなければ、面白いことができるはずもないです。
体験なきことを紙の上だけで計画して、あたかもやったかのごとく発表するなんていうことやっちゃダメです。それはただ単なる寄せ集めに過ぎませんので、そこから何も新しいものは生まれないだろうと思います。
もっとシビアに物事を見極めて、それで自分自身の体験量を増やしながら、この問題に立ち向かっていくんだっていう決意が、皆さん自身の中に生まれていって欲しいなと思います。
都市経営プロフェッショナルスクールは、大変面白い場所だとは思いますけども、これが皆さんにとって苦労の場になって欲しくないです。ここを体験したことによって、次のステージが自分の中で見えてくる場になって欲しいんです。そうでなかったらこんなところに来る必要性もありません。
これから先、今日終わった後からは、皆さん自身の勝負です。次に皆さんとお目にかかるときに、どの程度まで、皆さん自身が考えていることが明確にされて、それが面白いプランとして、周囲の人たちを惹きつけることができるプランにまで高められているかどうかっていうところを頑張って磨いていってほしいと思います。
厳しくも温かい言葉をいただきました。本当にやりたい事が見つからない時は、悩んで悩んで悩み抜かなければいけない。今の自分にとって一番必要なことだと思いました。
そして、面白い事業が思いつかないのも、自身の体験量の不足よるものであり、体験なきことを紙の上だけで計画しても、そこから何も新しいものは生まれないという指摘は、これから事業を考え直す上での指針になると思いました。
さまざまなまちに行って体験することが全てのスタートだと感じました。
エグゼクティブコーチの木下斉さんの講評
その後、エグゼクティブコーチの木下斉さんから以下のように続きます。
意識してほしいのは、自分が逆の立場で聞いたときに、さっきメンバーがだんだん退屈してくるのはわかったと思うんですね。これは協力者が集まらないプランの発表の典型的な例です。
やっぱり自分が関わりたいな、ぜひとも仲間に入れてくれっていうように思ってもらうとか、この人は本当にそれを今やりたいと思っていて、そこで一生懸命やってんだなってことが情熱を持って伝わってくる。かつ、この人はいろいろともがいているけど、プロとしてエキスパートの分野があって、それを活かしながらやっているんだなっていう人じゃなかったら、みんな協力したいと思わない。
なんかどうでもいいプランを発表していて、その人は何者でもなくて、自分の領域も持ってないって言う人が、何かダラダラ話をしているものに皆さん手を上げて、お金を出したいです、一緒にやりたいですって言わないですよね。
発表するときは、少なくともこの人が今やっているこのプロジェクトに関わりたいと、いかに思ってもらうかっていうのが、自分の事業を形にできる人とできない人の差だなって思うんです。
実現するためリソースを集めなきゃいけないので、協力者が少ないよりは多い方がいい。そうかと言ってプランを捻じ曲げてまで協力者を集めても本質ではない。
他の人たちが信頼を持ってプロジェクトに協力してくれるっていうトレーニングだと思って、チームでもやっていただきたい。
地元で説明する時に一番心配なのは、私はこれをこういう理屈で考えて、だからこういうふうにするんですっていう話を冒頭に言った上で、皆さんの意見を聞かないといけないんです。それを、何も自分はわかりませんので、皆様のご意見を聞きたいです、なんていう意見の聞き方をしたら、全て他人の適当な意見にプランを惑わされるし、ろくでもない奴が集まってきます。
多くの人は自分の考えている内容が間違っているかもしれないとか、指摘されると嫌だなぁって言う恐怖感を恐れて、みんなの声を聞いている。聞く前に自分はこう考えるんだっていうことをちゃんと徹底的に考える時間を持っていただければなと思いました。
自分のプランをどのようにして仲間と作っていくのか。他の地域でもどのチームでも、コーチで来ていようと、受講生として来ていようと関係ないわけですよ。リソースを全部使って自分のプランを何がなんでも形にするための時間だと思っていただければ、何かしらリソースとして使えるオプションになると思います。
今回の集中研修において、個人事業の発表を行う本当の目的は、自分の事業の協力者を募ることであると改めて認識しました。つまり、プレゼンテーションは自分自身を売り込むための営業に他ならないのです。
そのため、相手に興味を持ってもらえない、退屈させてしまうプレゼンテーションでは話にならないのです。自分自身の認識の甘さを痛感しました。
しかも、実際のプロの世界においては、チャンスは一度きりで、最初に興味を持ってもらえなければ、次はないのです。下手すると、最初の印象によっては、業界内に悪評が広がる恐れすらあるのです。
今回はスクールとして、何かしらコーチ陣からフィードバックをもらえますが、実社会では誰も何も言ってくれないまま、そこで関係は終わりになるのです。コーチ陣からいただけるフィードバックの有り難さを思い知りました。
他のエグゼクティブコーチからの講評
時間が限られていることもあり、最後に他のエグゼクティブコーチから一言ずつお言葉をいただきます。
何をやるかというのを問われていなくてですね、あなたはやるのかやらないのかを問われていることを、もう少し思ってやってもらいたい。役所の方のプレゼンは、毎年思うのだが、やらないといけないことと民間のやりたいと思っていることの、事業の作り方というか、接点の作り方がほとんどうまくやれていない。すごく人ごとのようなプレゼン。もう少し、自分事。当たり前のことなんだけど。倒産したら背中に罰がつけられるんですよ。舐めんなっていう感じですよね、正直。借金するつもりがあるのか?マジでバツをつけられたら、家庭崩壊、下手したら息子、娘の人生まで狂わせる。そういうところに事業をやっていく覚悟があるんだったらやりゃいいし、覚悟がなければ時間の無駄なんじゃないかと毎回思う。
最初は小さくていいのでやるってことですよ。考えていないで体が動くっていうのも、本当に何も考えていない人もいるのであれですけど、小さくやって、小さくやったことがどうやったら大きなことに繋がるか考えながらでいいので、とにかく小さくていいからやって欲しいなと思います。
毎回思うんですけど、まちづくりとかって余計なおせっかいなんですよ、正直いうと。それぞれ個人の人生があって、みんなそれなりに楽しく生きている人がほとんどなわけで。それを何かアクションを起こす、その部分ですごいエネルギーがかかる話だと僕は常に思っているんですね。それを、どれだけ楽しく自分ごととして、ワクワクしながらできるか。それを、妄想で、自分で抱えながらやっていたらうまくいかない。なので、できるだけ自分がやりたいことを、夜まちとかいろんなところに出て、少なくとも楽しく話す。それで、次のステップにどんどん進んでいってほしいなと。11月会う時に、やっぱり、自分がやったことによって、少しでもまちが、人が変わったという、そういう体験も踏まえて、次はもっと楽しい話を皆さんとしたいと思います。
もう少し物事を頑張って高い視点から見て欲しいなというのが全体に対しての意見。目先のことにこだわっちゃって、計画してなかったら私はできませんっていうのがある。自由な発想でいいと思う。縛られてんな、みんな。やっちゃえばいいのに。是非最後はやっていますという人がいっぱい出て、俺にも参加させろっていうようになって欲しいなと思いました。
まちで事業をやるということは、当然倒産して全てを失うこともある。そうなれば、自分の都合に家族を巻き込んで家庭が崩壊することもある。こんな当たり前のことに意識が向いていないという現状に恥ずかしくなってきました。もう公務員ではないので、自分を縛るものはありません。ただし、全ては自己責任です。自分ごとでやるのは当然な話なのです。
それと同時に、答えがある話ではないので、どれだけ苦しくても続けられるよう、楽しくワクワクしながらできる方法も自分次第で自由に見つけることができる。そのために、実践を繰り返して挑戦し続けることができるよう小さく始める。縛られないということは、選択肢が増えるということでもあるというのも新たな気づきでした。
「もっと自由な発想でいい」というコーチの言葉を受けて、心が軽くなりました。
全体をとおして感じたこと
今回、自分の事業について作業を進める中で、本当にやりたい事がわからなくなってしまい、発表することを断念してしまいました。これも、清水さんがおっしゃったとおり、体験量の不足が影響していると思います。
また、前職の空き家対策担当を務めていた時に、結局は口だけで何も変えられなかったことへの後悔があり、ありもしない「みんな」や「在るべき姿」に自分がとらわれていたのだと思いました。
みんなではなく、自分は何がやりたいのか。親が反対しようと、誰が反対しようと、自分を軸にやることを見定めたいと思います。そうでなければ、倒産したら背中に罰がつけられ、借金を負い、家庭崩壊が崩壊するリスクを覚悟しながら事業に臨むことはできないと思います。
起業の99%は辛いことの連続だと思います。だからこそ、自分ごととして、どれだけ楽しくワクワクしながらできるか、もっと自由な発想いいんだということに気づくことができたので、胸のつかえがとれた気がして心が軽くなりました。
自分が本当にやりたいことに考えるときに、自分が体験したこと以上のものは出てないと思いますので、まずは、多くのまちにダイブして、さまざまな面白いことを吸収していきたいです。
この2日間の研修は本当に良い体験になりました。ここで得た学びを次に活かしていくよう、今まで以上に努力することを決意しました。
まずは質より量。口先だけでなく実践していきます。