総合型地域スポーツクラブの1年を細分化する

総合型地域スポーツクラブ マネジャーの上杉健太です。埼玉県富士見市ゼロから総合型地域スポーツクラブを作ると発信した瞬間、『富士見市 総合型地域スポーツクラブ』と検索したら、上から3番目にこのnoteが出てきて、もうチャンスありまくりだな、とヨダレを垂らしています。ヨダレは嘘です。

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 『日本一の総合型地域スポーツクラブのマネジャーになる』を実現する為に、とりあえず「総合型地域スポーツクラブ」と言いまくるという、誰でもすぐにできる作戦を実践しているのですが、行政としての富士見市はこれから総合型地域スポーツクラブを作っていく段階にあるようなので、もしかしたら私の発信が行政担当者のかたなどの目に止まることもあるかもしれません。そろそろ富士見市の行政にもこちらからコンタクトを取らせていただく必要がありそうです。

 その話は一旦置いておいて、また接触させていただいたら発信します。
 今日は、『総合型地域スポーツクラブの1年間を細分化する』というテーマでお話をしたいと思います。

 おそらく、年度を4月から3月にしているところが多いと思うのですが、その年度の準備というのは前の10月あたりからスタートしているので、10月から話を始めてみます。

計画を練る10〜12月

 10月から12月は、4〜9月までの結果を分析して課題を設定したり、理想のクラブに近づく為にやりたいことを洗い出したり、次の4月からどうして行こうかという計画を練る時期です。大切な事は、『たくさんの人の意見を聞く』ということと、『数字で判断する』ということ、『ビジョンを持つ』ということかなと思います。
 一番大切なのはビジョンです。まずビジョンがないと、いくら数字やたくさんのアイデアが揃っていても、それをまとめ上げることはできません。「それいいね」「それもいいね」「あー、それもいいね」などと言って、結局よく分からない計画になるのがオチです。それの目的なに?ってなっちゃう。それは回避しなければいけません。例えば、もっとクラブを大きくしないと従業員を雇い続けるのは難しいと思うなら、クラブの収入はこれくらいまで増やさないとな、というビジョンを描かなければならない。すると、「じゃあその為には、この赤字の活動は値上げさせてもらおうか」となるし、「この部門は伸びてるからもっと活動を増やそうか」、となる。その時に、「そういえばあの人がこういうのやりたいと言っていたな」となって、それを計画に入れてみる。こんな感じですよね。
 現在私がマネジャーを務めている一般社団法人たかぎスポーツクラブでは、クラブミーティングという会員との意見交換の会、指導者ミーティングという指導者との意見交換の会、理事会、総会をこの時期にやって計画を固めています。私が思うに、一年でもっともマネジメントが力を入れるべき時期です。

プロモーションの1〜3月

 1月から3月は、固めた計画を地域にお知らせしまくる時期です。「次の僕たちはこんなことをやるので、仲間になりませんかー!?」って。もう、1年でここしかチャンスはないというつもりで、コストをかけます。現在の会員に継続を呼びかけ、パンフレットを作成して大量に配布し、メディアに出て、とにかくたくさんの人に呼びかけて新規会員も集める。ここでこけると1年コケ続けてしまう可能性が高くなるので、凄く大切な時期です。
 また、プロモーションとは別ですが、4月から新しい活動を始める場合は、具体的な指導内容を固めたり、用具を購入したりする、準備期間でもありますし、この時期に前倒しで活動をスタートさせるというやり方もありますね。

調整する4〜6月

 さて、4月になると既存会員の子供たちも学年が1つ上がり、さらに新規会員もたくさん入ってくるので、クラブの中ではたくさんの人の入れ替えが発生します。クラブが一番不安定な時期です。指導者は、「今年のメンバーはどんな人だろう?」と不安になり、会員も同じ不安を抱えます。
(毎年メンバーがほとんど変わらない活動もありますが)
 この時期に一番大切なのは、『調整すること』です。計画していたことが、やってみたら上手くいかないなんてことは、ある意味当たり前です。特に、企画段階で調査やテストにコストをかけないスモールビジネスの場合、やってみてからが勝負で、始めてから改善していくことが大前提です。指導者の相談に乗り、会員からの相談に乗り、あるいは現場を見て課題を顕在化させ、場合によっては定員の数を変更したり、時間や会場を変更したりします。計画通りにやる大切さはありますが、計画を変えることを恐れてはいけません。そういう時期です。この時期はまだ数字で判断するのが難しい場合が多いので、特に現場に目を向けることが大切です。現場が多すぎる総合型地域スポーツクラブの場合は、指導者や会員と運営(マネジャーなど)のコミュニケーションが重要になってきます。「やっぱりこういう風に変えたいんだけど」という具体的な提案が上がってきたら、その方法を検討し、可能だと判断すれば実行する。「なんかうまくいかない・・・」というボンヤリした相談だったら、スタート時期なら当たり前のものとして存在している緊張感やメンバー間のコミュニケーション不足が原因なのか、設計の問題なのかを見極めます。何でもかんでも計画を変えるのが良いというわけではなく、設計に問題がないならヒトの力で調整をするべきです。そういう判断をして、変えるところは変える。耐えるところは耐える。そういう時期です。

盛り上げる7~9月

 ここはもう、四の五の言わず盛り上がればいい時期だと思っています。もうちょっとちゃんとした言い方をすると、クラブに所属していることの満足感を上げて、それを継続率や友達の勧誘につなげていって、会員数の増加にしていく時期ということです。ただここはあまり打算的なことをやらず、とにかく指導者や会員のやりたいことをやっていって、「楽しい」を生み出しまくるといいと思います。スポーツだと大会なども多いですし、夏休みもありますしね!
 マネジャー兼コーチの私とすると、このあたりから時間的にも余裕ができ、4月入会の子ども達も安定してきて、やっとクラブを楽しめる!っていう感じな気がします(笑)
(ただ、10月にはすぐ分析的なこととか始まるので、この3か月をいかに楽しむかって本当に大事)

 この後も10~3月まで年度の活動は続くわけですが、クラブ経営的には打ち手はあまりなくて、むしろ予算の執行状況をしっかり見極めて、赤字にならないように収支を合わせにいったりすることが大切になったりします。(コストをかけるべきところと、カットするべきところの見極め)
 現場から上がってくる要望の調整は年がら年中行いますし、トラブルの処理なんかも一年中の話なので、そういうものは当然あるわけですが、やっぱり10月以降は次の年度に目がいきますね、運営の人(マネジャーとか理事とか)は。そこをなめると本当に経営的にはまずいことになると思います。

上杉がつくる総合型地域スポーツクラブの初年度は

 ここからが次の挑戦の話です。1月からは埼玉県の富士見市総合型地域スポーツクラブをゼロから作ろうとしているわけですが、いかんせんゼロからなので、既存のクラブの1年間の考え方とちょっと異なります。これを考えるともうドキドキです(笑)

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5