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すべての新聞は「偏って」いる ―”五輪翼賛会”記事から―

Twitter上などで、こんな記事が話題になっています↓↓↓

『週刊ポスト』の記事のWEB版・NEWSポストセブンで公開された記事です。

<記事の概要>
◆ 読売・朝日・毎日・日経・産経・北海道新聞の6社が、それぞれ15億円~60億円の協賛金を支払う五輪スポンサーに名を連ねている
◆ 海外の五輪では大手メディアをスポンサーに入れないのが原則
◆ どの新聞社も五輪の中止を主張しない
◆ 週刊ポストからのアンケートには誤魔化しの回答か無回答
個人的に、見出しの「大新聞6社」を見たときは、読売・朝日・毎日・日経・産経の大手5社に加えて6社目は東京新聞あたりかな?と思っていましたが、まさか道新とは... こんなところで全国区になるなよ...

つまり、これだけ”開催反対”の世論が大きいにもかかわらず大手メディアが五輪の中止を主張しない(できない)のは、彼らが東京五輪に対して”スポンサー”という名の推進する立場であるため、と報じています。

これらのメディアと政府・組織委員会を「国民世論を無視して強行開催に突き進む」翼賛体制と表現するのは流石ですが(^^;
利権が絡みメディアの中立性が失われる手本のような事例といれるでしょう。

もともと、完璧に中立なメディアは存在しないし、メディアとは多かれ少なかれ必ず情報を屈折させるもの、という前提は忘れてはいけませんが

軽減税率報道も似た状況だった

先に紹介した週刊ポストの記事を読んで、こんな本を棚から引っ張り出してきました。

評論家やラジオパーソナリティとして活躍されている荻上チキさんの著書『すべての新聞は「偏って」いる』でも、過去の軽減税率導入議論に際し、新聞各社の問題点を指摘しています。

2015年頃、消費税を8%から10%に引き上げるのに伴い、食品などの特定の品目の税率を8%に据え置く「軽減税率」を導入する議論がされていました。

当時の軽減税率導入の議論では、大手新聞各社は
◆ 軽減税率の導入には基本的に賛成だった
◆ 軽減税率の対象に新聞を含めることが妥当か、という議論には消極的だった

とされています。

仮に増税そのものに強く反対する主張を進めても、批判が実らず増税が実行され、新聞紙の消費税も10%に上がるとしましょう。新聞紙の値上げが発行部数の減少に繋がりかねません。そこで各社は保身のために、増税ありきで、とにかく新聞が軽減税率の対象となることを確実に押さえに行った、と見て取れます。

当時の国会と新聞社の間には、こんな利害関係が生じていた訳です。

新聞社も商売です。今回、五輪スポンサーとして開催賛成の立場を取っていることも、自社の利益のため、と考えれば当然かも知れません。大事なのは、どのメディアも完全に中立ではない、ということを忘れないことでしょう。


<書籍紹介> (Amazon より)
評論家・ラジオパーソナリティとして活躍する著者による、分断の時代のメディア論。本書では、安保法制や軽減税率など過去の新聞記事を引用しながら、あるいは独自データを用いながら、各メディアの「クセ」が示される。
それを見て、「やれやれ」「やっぱり」と溜飲を下げるかもしれない。が、本書の目的は、むしろ、そうした“ふるまい"へのリハビリにある。「バイアスのないメディアなど存在しない」という前提に立ち、その「クセ」を詳らかにすることで、分断する社会で溢れる情報とつきあう具体的スキルを提示する一冊だ。 


最後までお読みいただき、ありがとうございました! ぜひ、またお立ち寄りください!有意義な時間を過ごしていただけるように精進します^^