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【雑感】札幌集中のリアル*第2部

北海道が抱える課題【札幌一極集中】を取り上げた特集が、昨年末から定期的に北海道新聞に掲載されています。年明けから第2部が連載されました。

全6本の記事に関連して、私が思ったことをつらつらと書き留めておきます...

①人口最小の村こそ最大のポテンシャル

道内最少人口の音威子府村についての記事から関連して。

岡山県西粟倉(にしあわくら)村は人口約1,300人の中山間村ですが、地道な取組みから近年人口増に転じ注目されています。そんな西粟倉村が地域内で循環する経済を創り出せた理由の一つに、自治体・地域の規模が大きすぎなかったことがあるとされています(西粟倉村に限らず一般論的に、かも)。

地域経済が発酵しやすい「地域のスケール」があります。対象とする自治体や地域の規模が大きすぎると、プレーヤーがたくさんいて、どう手をつけていいのか、つかみにくくなるからです。
(牧 大介『ローカルベンチャー 地域にはビジネスの可能性があふれている』木楽舎)

(▲Kindle Unlimited で読めます)

つまり、小さな音威子府村にこそ大逆転のチャンスがあるのではないでしょうか?この西粟倉村の「ローカルベンチャー」は、私が実現したい起業のモデルケースのひとつです。他の自治体のケースを短絡的に真似するのは慎むべきですが、「西粟倉村だからできたこと、音威子府村にはできないこと」と決めつけるべきでもないでしょう。実際、音威子府村は木質バイオマスプロジェクトに取り組んでいるようです。
 間違いなく言えることは、プレイヤーが不足していることです。本来はこうしてnoteを書いている暇があったら、私が現地へ行ってみるべきなのです。しかしコロナ禍と自分の無力さがもどかしい...

ところで道内最少人口の音威子府村(全国では下から25番目くらいのよう)は、合併を検討していないのでしょうか。音威子府村は平成の大合併で周辺の中川町等との合併協議が一時進んだようですが、結局破談しました。その中でも音威子府村は合併に対して比較的前向きだったようですが、自立の道を選んだからには行けるとこまで行く、という姿勢のようです。「森と匠の村」を掲げ、おといねっぷ美術工芸高校の取組みなどは評価されているので「間に合って欲しい...‼」というのが率直な思いです。

▼ ついでに、調べ物中に見つけた村名の理由について


②人口ビジョンで移住者争奪戦の消耗戦

「地方創生」政策で長らく指摘されていることですが、人口増そのものの目的化は本質的な課題解決にはならない。住民”争奪戦”...は過激な見出しですが...自治体同士が競っているつもりはなくても、どこかが増えればどこかが減るのは当たり前です。
▼ 記事から引用していますが、こんな当たり前のことを政府が想定していなかったとは悲しい...

人口減少を受け容れた施策を!との声は各地で上がり続けています。

また、人口問題と似た構図として、特産品のブランド化に注力し過ぎるのも消耗戦に繋がりかねないと危惧しています。結局、差別化しているつもりが、どこの自治体もブランド化を目指すので、かえって差別化できなくなってしまう。皆が付加価値を上げたら、相対的に付加価値が上がらなくなる。地域の”外貨”獲得はもちろん重要ですが、それよりも地域の”自立”こそが必要と考えています。


③ベッドタウンのジレンマもポジティブに

(江別市について)膨張都市・札幌がもたらす恩恵を受けながら、「わがまちらしさ」をどう守り、育てるか。道都の衛星都市は「二兎(にと)」を追う難しいかじ取りを迫られている。(記事より)

江別市のアイデンティティは揺らいでいるのかも知れません。でも何事もポジティブに捉えましょう!例えばこんな風に▼


④田舎にないものさがし< あるものさがし

三井美唄炭鉱閉山により、多くの炭鉱関係者が札幌市南区・真駒内に移住したという記事から、こんな逸話を思い出しました。

個人的には正直、石炭を採るために作った町は、石炭が採れなくなったら町ごと撤退すれば良かったのではないかと思ってしまいます。しかし現実には町が続いている中で、記事で紹介されているように、小さな町だからこそできることがあればいいですね。私自身の幼少期を振り返ってみても、少人数ならではの手厚い教育は、かけがえのない価値あるものです。

ここで「いくら教育が充実していても、親世代の雇用はあるのか!」とツッコミが飛ぶのがお決まりです。しかし『田舎に仕事がない』...というのはウソ。

つまり、一般的な「仕事」の定義が狭すぎる。ローカルにこそ起業家精神は求められていると思います。「ない」ことばかりを嘆かずに「ある」を創っていける人でありたいものです。


⑤帯広一極集中 言ったらキリがない

近年の農業の好調さが際立つ十勝地域ですが、製造業も人口減少を抑える要因となっているとは意外です。一方で十勝管内では「帯広一極集中」的な構図が生じているとのこと。これは言い出したらキリがないと思いますが...

元々「地方創生」が指す「地方」の規模感がフワッとしています。日本全体で人口減少を受け容れる中で、どの規模の集落・町は人口対策を諦め、どこがダム機能を果たすべきなのかは、はっきり役割分担した方が良い気がします。

▼ (ちなみに)私が尊敬する、十勝が生んだ大西シェフ


⑥時代の変化に追いつけないこと

(旭川市について)「札幌との格差の根本は戦時統制にある」(中略)太平洋戦争時、国はあらゆる分野の中枢機能を東京に集め、コントロール下に置いた。札幌も道内の司令塔と位置づけられ(中略)道内各都市の経済力が集約された。(記事より)

戦時体制→成長社会→成熟社会→衰退社会...
当時は時代に即していた社会の仕組みも、今も仕組みだけ残されているが故に諸悪の根源となっていることは多々あるのではないかと思います。

地方交付税などの仕組みも再編が必要なのでは?この辺りはまだまだ勉強が必要です...


以上、無責任にも色々と書き綴ってみました。次回の特集も楽しみにしています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました! ぜひ、またお立ち寄りください!有意義な時間を過ごしていただけるように精進します^^