ネガティブ・ケイパビリティとは
ネガティブ・ケイパビリティとは、成果を生む過程で生じる不安や苦悩といったネガティブな感情を受け入れる能力の可用性を指す用語です。
現代社会は、数値や理論による科学的アプローチのおかげで文明が大きく発展しました。このような考えを実証主義と呼びます。
始まりはイギリスの産業革命であり、その後、アメリカの重工業産業が発展しました。これにより、成果を出すためには効率化やマニュアル化が必要不可欠となり、現在ではAI革命によりマニュアル業務のコモディティ化が最速で進んでいます。これにより、私たちは少ないコストで大量の便利なものやサービスを生み出すことが可能となりました。
しかし、現代社会は実証主義が実態以上の評価をしています。それにより、私たちは結果をすぐに求めすぎる傾向にあります。例えば、企業活動においては、ROEや総資産などのデータによって良し悪しを判断することが一般的です。ビジネスの現場でも、理論やデータを用いた問題解決が重要視されています。もちろん、この考え方に反対しているわけではありません。むしろ、文明の発展には必要不可欠な考え方であり、これがなければ地動説を発見することは不可能だったでしょう。
ただ、すぐに結果を求めたり、テキスト上のみで意思決定をするだけでは大きな発見や成果には辿り着きません。その過程では理論などでは定義できない苦悩や葛藤が必ずあります。この考え方を共通概念にしたのがネガティブ・ケイパビリティです。
これは余談ですが、「イシューから始めよ」という書籍でもこの考えを重要視していました。デジタルに物事を判断するのではなく、物事を観察して、思考を繰り返して深い教養を身につけることが問題解決をするためには必要だと書いてありました。
ネガティブ・ケイパビリティについてもっと知りたい方は下記の書籍をぜひ呼んでみてください。