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誰が聞いても当たり前のことからスタートすることの大切さ
古い本からの紹介でごめんなさい。
ワールドシリーズを見ていたら、選手の出身国がアメリカ合衆国だけではなく、プエルトリコ、パナマ、メキシコなど多岐にわたることに気づきました。こうした国からアメリカにやってきて、マイナーから育てられメジャーでプレイするようになる。
田舎育ちの野球少年を球団はどのように育てるのでしょうか。
それが気になっていたところ、本棚に面白い本がありました。
タック山本氏の『プロは反省するな』です。
タック山本氏はエンジェルスなど3つのメジャー球団でチームマネジメントに携わりました。この本でメジャーリーグはどうやって人づくりをするかをページを割いて、語っています。
ポイントはプロの第1歩を踏み出したときのマイナー教育にあるのようです。
マイナーリーグのチームルール
1 シーズン全般のルール
1-1 門限を守らなかった場合--試合への出場停止、罰金
1-2 モーテルのバーには、許可がない限り立ち入り禁止
1-3 モーテルやホテルの施設や備品を壊してはならない
1-4 自己管理を怠った場合--
日焼け、睡眠不足、飲酒、ガールフレンドとの交際など--試合への出場停止、罰金
1-5 服装--分別のある服装を心がける
1-6 お互いのルールは守る
1-7 ドラッグの使用--解雇
1-8 ボール、バット、その他の用具を盗んだ場合-用具代の支払い、試合への出場停止
1-9 すべての料金等支払いをしっかりとすること
1-10 負傷した場合-速やかに届け出、テーピングをして治療してもらうこと2 移動バスに関するルール
2-1 バスの時間に遅れた場合-15ドル、25ドル、50ドル……交通費は自己負担
2-2 バスはきれいに使用すること-ゴミを捨てない、落書きをしない、ツバを吐かない
2-3 バスの中ではスパイクを履いてはならない
2-4 音楽を聴く際はボリュームを下げ、イヤホンをすること
2-5 カードゲームー目的地に到着するまでは可
2-6 バスに乗車しない場合は、許可をとらなければならない
2-7 車内から外に物を投げてはならない
2-8 バス内では喫煙、飲酒は禁止-違反者は100ドルの罰金、試合への出場停止
3 ホテルに関するルール
3-1 チェックアウト前にすべての支払いをすますこと
3-2 メイドを困らせるようなことをしてはならない
3-3 ロビーをうろうろしてはならない
3-4 大きな物音を立てないようにすること
4 寮に関するルール
4-1 他人には敬意を払い、礼儀正しく接すること
4-2 むやみにうろうろしてはならない
4-3 下品な振る舞いをしてはならない
4-4 スパイクを履いてはならない
4-5 借りたお金はすべて返すこと
4-6 GMを困らせてはならない
もし私-オーナーにできることならば、相談に乗るので直接会いにきなさい
5 ロッカールームに関するルール
5-1 きれいに使用すること-紙クズ、ゴミ、トイレ、用具類
5-2 用具類は壁にかけるか、汚れた物はかごの中に入れること
5-3 クラブハウス使用料--期日通りに支払うこと
5-4 試合前は、ロッカールーム内での飲食禁止--試合中は可
5-5 クラプハウス内での喫煙、飲酒は禁止
誰が聞いても当たり前のことからスタートする。
ただ、そうした小さな積み重ねが、プロ選手として年月を重ねるにつれ、大きな「人間力」の差として表れてくることになる。
当たり前のことでもルールとして徹底しなければ、知らず知らずのうちに実行しなくなってしまうのが人間というものだ。
引用元『プロは反省するな』から
こんなことまでルールで明文化するのかと、驚きます。
しかし、小さなルールを守れない選手は大きなルールを破ります。
団体生活・団体行動の規範を守れない選手は試合でもチームプレイができません。そして、それを躾けるのは学校を卒業してきて球団に入ってきたときしかできないのです。
このマイナー選手へ提示されたルールを見ると、私たちが行っている新入社員育成もルールの明文化と厳守としてもよいのかと考えてしまいます。