夢分析入門-漱石の「夢十夜」-
「第一夜」-要約①「こんな夢を見た。腕組みをして枕元に座っていると、あおむけに寝た女が静かな声でもう死にますという。女は長い髪、真っ白なうりざね顔だが、頬は暖かい血の色が差し唇の色も赤い。長いまつ毛に包まれた真っ暗な瞳はすきとおってつやがある。とても死にそうには見えない。
自分(漱石)はまくらのそばに口をつけて死ぬんじゃなかろうね、と女にきいた。女は死ぬんですもの仕方ないわ、と言ってにこりと笑って見せた。その真っ黒な瞳の奥に、自分の姿が鮮やかに浮かんでいた。」
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