尼-ロ】狂言で頭を飾るモノは
和ろうてござるか〜
和ろう門には福の神が参りまする
このブログでは狂言でもっとも狂言らしい登場人物“太郎冠者”が
能舞台においでになった皆さまを案内するつもりで描いてござる
なにとぞそのお心もちにて読うでくださりませ〜
狂言面は装束のひとつでもござるが
狂言と云う芝居で身に付ける衣装を
伝統芸能らしゅう装束と呼びまする
番組によっては小道具ともなりまする
すなわち、変身のアイテムでござる
例えば『仏師』や『六地蔵』ではスッパが仏像に、『清水』や『伯母が酒』では太郎冠者、男が鬼に早替わり👹するために遣うてござる
さて少し戻しまして装束でござる
そのうちにも頭に遣うものがいくつかござる
まずは上で福の神様も被っておられるモノ
これは烏帽子と申しまする
大名は黒い洞烏帽子
『鶏婿』という狂言に遣う紅色のものもござる
そして僧侶が被る角頭巾
この頭巾は上端が真っ直ぐで脱いで平らにいたせば四角くなりまする
これに対して上端の両側が尖って燕の尾の如くなったがござって
鬼や神鳴(雷)様などが被ってござる
タイトル写真の髭面男もこれでござった
かくのごとく
被っているものはその役独特のモノが多く
その頭部から何者かが判るようになっているのやも知れませぬ
頭に特徴と申してはいまひとつござった
タイトル写真で髭面の男を長刀でもって脅しているのは
おっさんではござるが、着ている物からしても女であるとわかりましょうけれども、それ以上の特徴として、頭に白く長い布を巻きつけてござる
これは美男鬘(びなんかづら)と申して
5メートルほどの長い木綿の晒し布を細く畳んで頭に巻いているのでござる
両端は左右に垂らし、その端を腰帯に留めておりまするが
この左右に垂れた晒布が思いのほか左右の視界を遮るものなのでござる
これは、やってみてこそ知ることができたのでござる