狂言でいろいろ言いつけられる太郎冠者でござる
和ろうてござるか〜
小さい頃、仮病を遣ってやりたくないことをやり過ごそうとすると
ほんとうに具合が悪くなってしまう経験をしてござる
以来病気をウソの言い訳にしないようにしてござる
このブログでは狂言好きのわたくしけんすけ福のかみが、もっとも狂言らしい登場人物“太郎冠者”の名を借りて皆さまを狂言の世界へご案内するつもりで描いてござる。なにとぞ和らいだお心もちにて読うでくださりませ〜
狂言では主人や大名が太郎冠者たちに言いつけをするお話が幾つもござる
その中で大きく分けますれば
⚪️言いつけを素直に実行する太郎冠者と
⚫️言いつけを守らぬ横着太郎冠者がござる
言いつけを素直に行う太郎冠者は
おおかた、疑うことを知らず
人のよい太郎冠者でござる
そのままでは面白くなりまするまいが
遠く都までおつかいに行くも
言われたモノがどんなものか知らなかったり
訪ねる先を知らずに行ったり
挙げ句に嘘を教わって偽物を掴まされる
相撲取りを雇うはずが蚊🦟の精を連れて来る
彼らはだいたいうっかり者なのでござる
一方言いつけ守らぬ太郎冠者は
お遣いに行かずとよいよう
詐病(さくびょう:仮病)を起こしたり
水汲みを頼まれたが
鬼に逢うたと嘘をついたり
留守中に酒を盗み飲むやら
砂糖を盗み食うやら
ちゃっかり者な風なれど
通じそうの無い言い訳をする楽天家のようでござる
きっと最後は赦される
主人の希望は叶わないのが狂言でござろう
うまくいかない中
それでも主人は太郎冠者を赦し
太郎冠者は主人に仕えていくのでござる
それが和らぎの芸能
狂言の真骨頂なのだと存ずる
こんにったこの辺りにいたしましょう
またお目に掛かれましたら嬉しゅうござる🤗
この狂言noteはけんすけ福のかみが
大蔵流 茂山千五郎家の狂言を中心に学んだことや思うことを描いてござる