どんな狂言でも決まって着けて出ねばならぬモノがござる
和ろうてござるか〜
能舞台で演じられるのは主に能、狂言でござるが
他の芸能が演じられることもござる
箏など和楽器の演奏会や日本舞踊など伝統芸能はもちろん
現代劇やオペラの上演もあるようでござる
また能狂言の公演でも
トークショーが同時にある際には装束や着物でない出演者が
現代の衣装を着て舞台に上がられまする
そんなおりでも唯一決まって着けて出ねばならぬモノがござる
それは 足袋 でござる
和装の足に履くものとして草履や下駄の鼻緒を親指と人差し指(第一指と第二指と云うそうでござるが)で挟みやすい造りになってござる
能舞台では、この足袋を必ず着けて出ねばならぬのでござる
舞台を観られる折に確認してもらえるものと存じまするが
役も装束も勤めもさまざまではあれど
みな足袋を着けておりまする
ただ狂言方は唯一見た目が違うてござる
能狂言に関わる職分シテ方、ワキ方、囃子方、狂言方とある中
狂言方だけは白くないのでござる
遠くから見ると淡い黄色でござるが
よく視れば黄色と薄い茶色の縞でござる
かつては鹿の革を遣うたそうでござる
裃の中でももちろん
装束には裾が長く引き摺るように歩く裃など長い袴もござる
この裃の中は見えることはまずないのでござるが
しかと足袋を着けてござる
狂言においては(能も然りと存ずる)上演中みな
足袋を着けていると云うことでござる