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呂-ホ-ろ】カルチャー教室の狂言を続けてござる
和ろうてござるか~
一貫してわたくしの語るところは
‘ござる調'となっておりまする
これはおおむね狂言の登場人物が
客席に向こうて話す口調を旨としてござる
数十年を経て狂言に再会し
そのままカルチャー教室にて習い始めてござる
子どもの頃に教科書で読んだことも
能舞台で観たことも
いったんリセットしてのお稽古でござる
台詞の発音からして
舞台で観る(聴く)だけでは解らないものでござる
お稽古では
実際の玄人の発声を聴き
具体的な解説を聴き
真似をして発声しましてござる
狂言では独特な発音をいたしまする
二文字目(例外あり)を強調して発声するのでござる
これを二字上がりとか二文字上がりと申しまする
文章で説明するははなはだ心許ないことではござるが
例えば
最初の名乗り(自己紹介)でよくある台詞
「これはこのあたりに住まいいたす者でござる」
文節ごとに二音目を揚げて
れ の ま た. の
「こ⤴︎は,こ⤴︎あたりに,住⤴︎い,い⤴︎すも⤴︎でござる」
といった具合でござる
こうして先生のことばをひと鎖ずつ
鸚鵡返しに繰り返しまする
このやり方は
そもそも口伝と申して
古来より台詞を伝えてきた方法でござる
いまはレコーダーという便利な道具がござるが
自身の頭にすべてを納めねばならなかった時代のことを思えば
録音音声を繰り返し聴いて学べるのは
有り難い限りでござる
狂言師である先生の口伝を
受けると申すは
いちばん近くで生の声を聴ける
ということでもござる
それだけでも
狂言好きには有り難い
ものなのでござる