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和泉流狂言方のお話を伺ってござる

和ろうてござるか〜

今日は観世流分林道治師の主催されてござる
和の道サロンへおじゃましてござる
北大路駅東側にござる真謡会館の地下に能舞台が設えてあり
白木の能舞台はとても美しゅうござった

今日はサロン十二回目で
〜狂言を楽しもう〜と云うお題
千五郎家の誰かがお話されるかと思いきや
和泉流から来られるとのこと

能楽師には能のシテ方、ワキ方と狂言方、囃子方の四つの職分がござって
その狂言方には二つの流派がありまする
一つはわたくしの習う茂山千五郎家の属する大蔵流
もう一つが和泉流でござる

かつては三流派あり大蔵流和泉流と今ひとつは鷺流と申しまするが、大政奉還ののち明治期に途絶えてござる
いまも山口では民間伝承と云う形で残ってござる

野村姓を名乗る家は二家ござってその中でも和泉流野村萬家の元から西國へと遣わされたのが
今日のお話をされた小笠原由祠師でござる

高校の授業で狂言に出逢い
初めて能舞台で狂言を観たところから
縁あって野村萬師(当時は七世野村万蔵師)に逢い、その長男万之丞師に師事されて…
玄人となるまでのお話が興に乗り語る姿は実に楽しそうにござった

二十歳をすぎて始まった狂言方の修業を勤め
やがて釣狐を披いていざ独り立ちと云うところで
上方へ行くよう打診されたそうでござる

釣狐は狂言方の大切な演目【極重習】の一つ
狂言の卒業証書などとも云うそうでござる
狂言案内草紙「南無三寶」より一部改

上方は茂山千五郎家だけでなく大蔵流の家が多ござるため始めは完全アウェーだったそうでござるが
徐々に足場をかためておられるそうでござる

この後は狂言の特徴や
狂言独特な所作や舞台のルールなどを実演交えて解説されてござる

概ね大蔵流と変わらぬようにも見えまするが
ようよう観ますると
基本の手の形や扇の遣い方
擬音など似て非なるところもさまざま見受けられてござる

このような表現の違いも味わいながら
今後は小笠原師の舞台も観に参る楽しみができましてござる

また小笠原師は永年狂言面を打っておられるそうで最近は能面も打ち
舞台で遣える、後年に遺る面創りもされているそうでござる

その志も自身と重なるところあって
たいへんに刺激をいただいた会でござった

この狂言noteはけんすけ福のかみが
大蔵流茂山千五郎家 島田洋海社中にて
狂言を学んだことをモトに
実際に狂言を(できれば生で)観て
和らいでもらいたいと願うて描いてござる🖋

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