局所麻酔だけで「クマ取り」「埋没法」はできるか?
『脱脂(だっし、クマ取りのこと)や埋没法の手術の際、
なぜ先生によって局所麻酔だけですごく痛い場合と全く痛くない場合があるのでしょうか?
Aは局所麻酔・笑気で受けてすごくすごーく痛かったらしいのですが、Bは別の先生に手術してもらい、あまり痛くないと言っていました。
同じ手術なのに痛みの差が極端なのはなぜなのでしょうか?』
といったたぐいの質問をよく受けます。
埋没法二重術や、全切開二重術、眼瞼下垂の手術である挙筋前転法、
脱脂(クマ取り)を私は局所麻酔(眠らない、歯医者さんと同じ麻酔)でやっていることを公表しています。
そのため他のクリニックで静脈麻酔(眠る麻酔)で受けた方などが質問してくるわけです。
結論は、上手な医者の手術は痛くないです。
当たり前のことですが、
術者によって手術によるダウンタイムの出方や結果がものすごく変わります。
例えば、同じ料理を作っても料理人によって全く違う見た目、味になるのと同じです。
僕は埋没や脱脂、全切開二重や眼瞼下垂の手術の挙筋前転法などの目周りのオペは局所麻酔だけで十分だと思っています。
手術を上手にやれば局所麻酔だけでほとんど痛みなく手術できます。
麻酔による追加料金も取られたりしません。
最大のメリットは
手術中に患者さんに細かく確認してもらいながら手術の結果を調整できる
ことです。
例えば、
二重の幅を確認してもらったり、
「目の下のふくらみをどのくらいとるか、涙袋の出し方はこのくらいでよいか」
「目の開きの大きさはこのくらいでよいか、もっと大きくすると目が見開いたような感じになって怖いと言われるかもしれませんよ?」
というようなことを手術中に患者さん本人に確認してもらいながら手術をするわけですね。
形成外科医として保険医療の世界で手術をしていた時は
ある程度、術者の感覚だけで患者さんに確認することなく手術を終わらせていました。
美容の手術は完全に患者さんのものなので、患者さんの希望通りに手術をすること、結果を求めることが大事だと思うんですね。
ですのでこのようなやり方に落ち着きました。
局所麻酔で患者さんに確認してもらいながら手術をやるやり方は、
・結果に妥協できないし、
・痛みを出すわけにはいかないので麻酔にも気を使うし、
・手術時間は長くなって売り上げ(正しい言い方かはわからないが)は上がらないし、
利益を追い求める医者はやりたがらないと思います。
しかし、本来美容外科医は患者さんの幸せのために働いているはずなので、結果を求めるならこのやり方がベストだと思うのですね。
逆に異常に静脈麻酔(眠る麻酔)を進めてくる場合はいろんなパターンが考えられます。
・患者さんが動くのが嫌だ
・痛がられると手術の邪魔になる
・別途料金がかかるので売り上げが上がる
・途中で別の医者が手術に口を出しやすい、ひどいと術者が途中で変わる
・手術の途中で別の患者の診察に行けるのでたくさんの患者さんを診ることができる
など、いろんな可能性が考えられるんですね。
術者によって考えていることが違うので、
どうしてその麻酔を使うのか聞いてみてもおもしろいかもしれませんね。