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SCM用語:カントリーリスク
カントリーリスクとは、その国が持つリスクのことを指します。
調達・加工・販売などを行う際に、その国で政治・紛争・ストライキなどいろいろな要因で安定した活動ができない場合に、「カントリーリスクがある」と表現します。
SCMにおいて、原料から消費の終了までの全てのサプライチェーンを最適化することを考えた場合、そのサプライチェーンが1つの国の中で収まるケースは少なくなります。
何かの原料や、人や、機械が、どこかの国のものであることがほとんどになっていると思います。
例えば、日本で捕れた魚を、国内で加工して、スーパーで購入するようなサプライチェーンを考えてみても、その魚を取るための餌・船・ガソリン・網・トラック・包装容器・加工労働者・物流拠点の作業員・スーパーで関わる人、などなどがすべて日本人・日本産であることは稀であると思います。
カントリーリスクへの対応というのは、SCMにおいては非常に重要なテーマになります。
SCMとしては、全体最適を目指すことと、中長期的に継続できる仕組みの構築が必要であるので、どの国からの人・モノ・金・情報を使うのかは、重要な選択肢になります。
当然、短期的には1つの国から集中購買をすることによってコストメリットが出るわけですが、中長期的に考えると1つの国に依存することはリスクそのものになります。
コストを取るのか、リスクを避けるのかはトレードオフになります。
つまり、経営陣がどれくらいカントリーリスクを見越して、どういうバランスで複数の国で取引していくのかを設計する必要があります。
そうしないと、短期的な思考だけで安いところから調達したり、逆に担当者判断で安定調達だけを追い求めてコストが割高になっていたりします。
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