『追憶の翼』と『八咫烏様は願わない』を書いた理由~漫画と歩いた人生~
泣きたいときに、笑いたいときに、常に漫画がそばにありました。
ひとは、誰だって孤独になるときがあります。趣味で発散しても、大量に飲み食いしても、癒せない感情を胸の奥底に持ってしまう瞬間があります。
そんな時に、助けてくれるのが「物語」だと思うのです。
今回、私はジャンプラに2つの作品を応募しました。孤独で、つらくて、寂しくて、でも、わずかに見えるわずかな灯に手を伸ばしている……そんな人に、届けたいと強く思います。もちろん、純粋に楽しんでくれる人にも、楽しんでもらえるのが一番です!
『追憶の翼』(読み切り部門応募)
この作品を書こうと思ったきっかけは、ガンの闘病している方の日記を見たことです。病気と言うのは、人間の苦悩の中でも大きなものだと思います。私は父と母が離婚しており、10年ぶりに再会したときに涙がボロボロ流れたことがありましたが、それよりももっと、闘病生活は辛いものでしょう。
10年ぶりに父に会った時、私は、何かが腑に落ちた気がしました。自分の寂しさとか孤独とかに、決着がついたような気がしたのです。そのころ、私も浮き沈みが激しい時期で、人生に迷いを持っていた時期だったということもあります。
その当時の私より大変な状況に置かれている人に、全面的な救いをお渡しすることは不可能でしょう。でも、一瞬だけ、何かの本を読んでいるときだけ、ほっとしてくれたら……。そう思って書いたのが、『追憶の翼』です。現実は変わらないし、辛いことも人生には多い。それでも、人は生きていくしかない。できれば笑って、生きていければいい。
そんな思いで書いたのが読み切り部門の『追憶の翼』です。
『八咫烏様は願わない』(連載部門応募)
こちらは、連載部門応募のため、3話あります。ぜひ、読んでいただけると嬉しいです。
『八咫烏様は願わない』を書こうとおもったキッカケは、「守りたいものがある」人が、「全てを捨ててでも、絶対にその願いをかなえる」という気持ちを描きたかったためです。
そのため、第二話でヒロインが衝撃的な目にあいます。主人公が、絶望に陥ってしまうのが二話目のラストです(これ以上はネタバレになるので、本編をご覧ください)。三話目からは、主人公がこれからどう動いていくのか、という点に重きを置いております。
まるでゲームのように、沢山の世界線があって、どのヒロインとどんなやり取りをすれば、ヒロインを救えるルートに入れるのか。それを模索しながら、何度も、何度もループしてヒロインを助けに行く。それが、この作品『八咫烏様は願わない』です。
願いをかなえるのは、簡単なことではありません。主人公もこれから、辛い目に沢山あいます。何より、大好きな子が目の前で何度も死ぬなんて、胸が引き裂かれるようなことですから。それでも、主人公は戦い続ける。ヒロインが、笑っていられる未来のために。
その思いは、きっと、現代を生きる私たちにも共通したものでしょう。辛い現実があって、でも立ち上がって生きていく。そんな日々のなかで、この作品が勇気つけの一つになればうれしいなと思っています。
想えば、私の人生はジャンプに励まされ、ジャンプとともにあり続けました。
小学校時代は『るろうに剣心』にはまり、絵でなんども友達と張り合い。友達と三人で漫画を描いて。公園でも一人でペンと紙をもって楽しく絵を描いて。
そして母と偶然見た『スラムダンク』に感激して、熱い漫画の虜になり。
中学校では『封神演義』にはまり、コミケデビューして。
『ワンピース』の臨場感の凄さ、引き込みの強いストーリー、見たことのない構図、濃いキャラの面々に圧倒されて。
『ハンターハンター』も周りに勧められて読み始めて。
『ジョジョの奇妙な冒険』にハマって美術部全員でコミケに出展して。
大学でも『銀魂』でコミケに出展して順調なオタクライフを送り……。
結婚した人も、漫画マニア。
私の人生は漫画とともにあるのです。そしてできれば、漫画とともに人生を終わりたい。
夫の収入もあり、子どももお金がかからない子なので、お金には困っていない現状。
あとは『君は作家になれ!』といいながら鍋を磨いてくれているような家事の得意な夫のために、物語を紡ぎだして世に出したい。
可能なら、漫画家という看板をひっさげて、漫画家を目指す若者たちにも教鞭をふるいたい。漫画スクールの講師は給料が低いとも聞きますが、それでもいい。漫画にかける熱い思いをもつ若者たちの助けになりたいと思います。
そして、皆さんがどんな漫画に救われてきたのか、そんな話も、聞いてみたいなと思います。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!
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