メールマーケティングはいつから始めるべきか
メールマーケティングエバンジェリストの安藤と申します。
お客様からのご相談の中で「メールマーケティングを始めるタイミングが分からない」というお話が頻繁に出てきます。
特にBtoB企業の方からは、「まだリストが数百と少ないのですが、どれくらいリストが溜まったら始めるべきですか?」という風にご相談いただくことがあります。
しかし、メールマーケティングをはじめるための基準は ”リスト数” ではないのです。
ではメールマーケティングを始めるべき正しいタイミングは何なのか。今回はこちらについてお話いたします。
そもそも何のためにメールを送るのか
ここが一番重要なのですが、貴社が見込みのお客様にメールを送ろうとしている理由は何なのでしょうか?
「自社のリストから1件でも多く営業案件を生み出したい」
「今後のためにお客さんとの関係性を維持していたい」
このような目的・理由がほとんどでしょう。
つまり、目的から考えるにメールマーケティングを始めるタイミングは早ければ早い方が良いということになります。
先延ばしすればするほど、生まれるはずだった営業案件は生まれず、顧客との関係性を結ぶ糸はどんどんと細くなっていってしまうからです。
メール配信システムは使わなくたっていい
これは結構勘違いされるのですが、この目的を達成するためにはメール配信システムは使わなくたって大丈夫です。
そうです。営業担当がいつも使っているメールソフトで1通ずつメールを作ればいいのです。隙間時間が出来たら、過去の失注案件や購入いただいたお客さんにメールを出すのです。この地道な作業で確実に目的は達成できます。
この時間を営業担当が確保するのが難しくなってきたときに初めてメール配信システムを検討するのです。
つまり、メール配信システムを導入するタイミングは、リスト数ではなく、営業担当が作業時間を確保出来ているかどうかという事になります。
メール配信システムなら何が出来る?
メール配信システムを導入することで、これまで1通ずつ書いていたメールを一斉に送ることが出来るようになるので、営業担当の作業負担は大幅に軽減されますが、それ以外にも「反応の可視化」という大きなメリットがあります。
メールソフトを使ったメール配信では、「誰が開いたのか」「誰が文中のリンクをクリックしたのか」という事が分かりません。
読んでるか読んでいないのか分からないメールを出し続けることは、送り手のモチベーションの低下にもつながります。
マネジメント層はメールを出していると思っていたのに、実は肝心の担当者は「もういいや」と、いつの間にかメールを送るのをやめてしまっていたなんて話はざらにあります。
また、相手の反応が読めないと、営業としても次の一手が打ちにくいんですね。
これが反応が分かるようになると、例えばメールを開封した人だけをグルーピングして特別なオファーを出したり、リンクをクリックしてサービスサイトを閲覧した人に架電してアポイントにつなげたりと、様々な打ち手が可能になるのです。
リストエイジングという考え方
メールマーケティングで成果を出すために必要なのは、リストの量ではなく質だというお話は以前のnoteにも書きました。
例えば、あなたのサービスに興味のある1,000人のリストと、あなたのサービスを知らない10,000人のリストとどちらが成果が出ると思いますか?というお話です。
しかし、サービスに興味のある濃度の濃いリストというものは、簡単には手に入りません。
では、どうするのか。
作るんです。時間をかけて。
どの企業でも、リストの中には「興味のある人」と「今は必要としていない人」、そして「まったく興味のない人」が混在しています。
メルマガを配信すると購読解除する方が一定数出ますが、この方々が「まったく興味のない人」です。まったく興味のない人は、見込みのお客さんではありません。
リストに新しく人が加わっていく一方で、興味のない人が抜けていく。これを繰り返すことで、貴社のリストはどんどん濃度が濃くなっていきます。
これを私は「リストエイジング」と呼んでいます。
メールマーケティングで成果を出すリストを作るには、このエイジング作業が必要なのです。
始めるのに気合いはいらない
この記事を読まれている方は、メールマーケティングを始めようかどうか悩んでいる方だと思いますが、ひとつ大事なことを言いますと、メールマーケティングを始めるのに気合いは不要です。
素晴らしいデザインも文豪のような文筆力も必要ありません。
ただ、お客さんと会話をするだけです。
目の前に一人のお客さんを想像し、そのお客さんが喜びそうな、価値を感じてくれそうな話題を文章にするだけです。
開封率やクリック率という各種KPIは頭の片隅に置いておいた方が良いのは間違いありませんが、数値に一喜一憂する必要はありませんし、前回の数値を超えるためにPDCAを回す必要もありません。
そういうのは、メールマーケティングが社内に定着してからで十分です。
まずは定期的にお客さんにメールで連絡を取る。そこから始めてみましょう。