スパイス効いたカリー屋のママの恋のハナシ①
その路地裏はなんというかありふれたワードで言うならアジアっぽい。
ちょうど19歳の時に沢木耕太郎の深夜特急に夢中になって訪れたバックパッカー的香港というのが僕の中では当てはまる。
その日は暑い吐き気のする夏の日のランチタイムだった。連日ニュース番組では”最高気温更新”をお届けする。各番組の気象予報士をトップ項目のスタジオに自慢気に並べるラインナップ。そらそうよ、夏はピークに向かって気温が高くなるんだから。ある種、日本が平和な証拠がそこにあると思いながら構成を組んだりもする。僕