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スイッチOTC医薬品

OTC医薬品はすっかり定着しました。
over the counter(カウンター越しに購入できる)医薬品、略してOTC医薬品は"医師の処方箋なしで購入可能な医薬品"の総称です。ドラッグストアで購入可能な風邪薬や胃腸薬などがイメージしやすいと思います。
休日や旅先などでの体調不良の時には普段受診しておられるクリニックや病院にもかかれないため、重宝すると思います。
そんな中、スイッチOTC医薬品なるものが増えてきていることをご存知でしょうか?私も最近までこの分類を知りませんでした。


スイッチOTC医薬品

スイッチOTC医薬品は元々医師が普段処方箋を作って処方する薬(成分)の中で、安全性が高く扱いやすいものを、そのままOTC医薬品として購入できるように転用したものです。
OTC医薬品には、それならではの混合物や病院では処方しないもの(非スイッチOTC)もあり、それと区別するための名称です。
OTC医薬品で扱える幅が年々確実に広がっているといえます。

具体的なスイッチOTC医薬品

では最近スイッチOTC医薬品に加わったものには何があるでしょうか。
(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001212743.pdf)
以下のようなものが2019年以降でもありました。カッコ内は主要な商品名、その後ろは主な対象疾患です。

2019 フルチカゾン(フルナーゼ点鼻) アレルギー性鼻炎
2020 精製ヒアルロン酸(ヒアレイン) ドライアイ
2020 ベタメタゾン(リンデロン軟膏) 種々の湿疹
2021 プロピベリン(バップフォー) 過活動膀胱、頻尿
2021 ナプロキセン(ナイキサン) 解熱・鎮痛薬
2021 イトプリド(ガナトン) 胃炎
2022 ポリカルボフィル(ポリフル) 過敏性腸症候群

これだけ眺めても、比較的多くの方が困るであろう病気に対しての薬が揃ってきていると感じます。

良いところ・悪いところ

良い点はなんといっても手軽に、御自身ですぐに薬が購入できるところでしょうか。クリニックなどで待つ必要はありません。ドラッグストアの薬剤師さんに、症状に対して適した薬の提案や使う上での注意点もしていただけると思います。

一方で、これはどうかなと思うところは、まず正確な診断なしに使える薬が増えることです。安全性が高いとはいえ、"みなし"で薬を使うのはどうでしょう。なんでもかんでも詳しく調べてバチッとした診断をして薬を選ぶというような余裕がある時代ではなくなったということなのでしょう。また、セルフメディケーション税制はありますが、医療保険を用いた購入ではないため、薬の値段自体も高くつきます。医師の診察を受けると薬代以外に諸々費用がかかるため、一概には言えませんが、長期間使用するものであれば高く付く可能性があります。

じゃあどうすれば良いのか、に対しての答えは持ち合わせていませんが、日本の医療体制が、"自分のちょっと困ったくらいの症状や病気は自分で何とかしましょう"、という方向へ向いていることは確実なのだろうと印象を受けました。


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