紅麹サプリメント
小林製薬の販売していた紅麹を含むサプリメントを摂取した方の中に重篤な腎臓の障害が起きた方が出たということで自主回収されたことが大きなニュースになっています。麹菌は発酵食品を通して日本人との関わりは本当に長いものがありますが、紅麹がサプリメントとしてブームになっていたことをこのニュースで知りました。
紅麹に関する注意喚起は以前からされていた
実は紅麹菌が有害成分を産生しうることは以前から指摘されており、日本の内閣府附属機関である食品安全委員会からも以前に注意喚起されていました(https://www.fsc.go.jp/sonota/kigai_jyoho/benikouji_supplement.html)。
菌が作るシトリニンという成分が摂取量が多くなると腎臓に有害であると知られており、1gの紅麹あたり0.2μg以下しか含まれていないことが必須となっています。
小林製薬のサプリメントに含まれる紅麹
今回のサプリメントに含まれる紅麹はシトリニンを産生しない種類と確認され、生産に用いられていました。
そのため、十分に上記の基準をクリアしていたはずですが、同じロットのサプリメントを摂取した方13人に腎障害がみられたということで、シトリニンを産生してしまう菌が混じったか、産生しない菌が変異を起こして産生するようになってしまったなどが考えられます。
生物を用いたサプリメントに絶対はない
摂取する対象が生物である以上、小さなレベルではあれ、作っているうちに品質のゆらぎは必ず生じます(化学的に合成される薬剤も0ではありませんが)。
そのため、今回のようなリスクが0ではないということは改めて認識しないといけないと感じました。
紅麹に関しても代替医療の観点からも価値はあると思いますし、利用するという選択肢が間違いとは思いません。
ただ、サプリメントだから無害とか、薬だから副作用が怖いとか、そういった当てはめは絶対でないことを改めて考えないといけないと思いました。