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【労働経済学🍀】静学的労働経済モデルとその応用:Chapter②

【労働経済学】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である
「ミクロ経済学・労働市場の分野」について
アウトプットしていきたいと思います👍

今回の記事は「労働供給の理論の応⽤🔥」
について解説していきたいと思います

考えていきたい問いは、以下の通りです📝
「人種差別的な賃金是正措置は企業の利益に繋がるのか? ?」

労働経済学の基礎的な考え方を学び
実際の企業行動に応用するモデルを
理解することによって

世の中の労働問題、企業問題
ひいては、自分自身の労働環境について
より深い視点で考察できるようになるはずです👍

静学的労働経済モデルの概要🔖

静学的労働経済モデルを使って
様々なトピックを経済学的に考えていきたいと思います
⼈々は、所得によって実現する財・サービスの消費と余暇の消費の両方から満足を得ます

また、個⼈は消費財の消費が多いほど
そして、余暇時間が多いほど、満⾜度が⾼くなると仮定しましょう

満⾜度あるいは幸福度を効⽤と呼び
各個⼈の行動が次のような
効⽤関数の最大化問題に直面しているとします

ただし、この個人が行動するには
2つの制約があります
①時間制約⏰②予算制約💰です

これらの制約の下で、効用最大化を実現する
ように行動するという問題を考えることこそ
静学的労働経済モデルなのです

説明に登場する記号や定義は
以下の通りとします

$$
Endogenous  Variable  of  the  Model\\
Leisure:  ℓ \\
Consumption:  C\\
Labor  supply: L\\
$$

$$
Exogenous  Variables  of  the  Model\\
Wage: w\\
Price: p, where [ p=1] \\
Time: T \\
Wealth  Asset \\ or  Non-working  income: I \\
$$


$$
Utility  Function:  U(C,ℓ)・・・①\\ ————\\
where  the  Marginal  Utility \\=  [ ∂ U(C,ℓ)/∂C >0 , ∂U(C,ℓ)/∂ℓ >0 ]\\
———-\\ two  times   differential \\ ∂''U(C,ℓ) / ∂ (C  or  ℓ) ''<0
$$

$$
Time  Constraint:L + ℓ≦T \\
Budget  Constraint: C ≦w ( T-ℓ) + I・・・②
$$

$$
Static  Labor  Supply  Model\\
Max: U ( C, ℓ )\\s.t  C ≦w (T-ℓ) + I ・・・③
$$

$$
Labor  Demand  Function :  L^D(w)\\
Labor Supply  Function : L^S(w)\\
Social  insurance  premium: t \\
------------\\
Elasticity  of  labor  demand\
ε_D =(ΔL/L)/(Δw/w)\\
=(ΔL/Δw)/(w/L)\\
----------
The elasticity of substitution\\
σ=[d(K/L)/(K/L)]/[d(w/r)/(w/r)]\\
=[%change  in  K/L]/[%change  in  w/r]
$$

この問題について考えていきたいと思います
参考資料は、以下の通りです

差別是正措置と⽣産費用の関係性

差別是正措置 (Affirmative action) とは
⼈種や⺠族、ジェンダーなどについて
企業の採⽤率の変更を義務付ける施策です

以下では、米国における⿊⼈の採⽤促進施策を例に挙げて考えていくことにしましょう
アメリカの人口構成は、サラダボウルといわれるように

多様な民族や文化が共存した社会構成ですね
また、過去の歴史に基づく人種差別や移民と
いった国境を越えた労働移動問題が
起こっていることも忘れてはなりません

今回は、実際の企業行動でも想定され
うる差別是正措置 (Affirmative action) に
ついて考えていくことにしましょう

理論モデルの概要

差別是正措置 (Affirmative action) を説明するために以下の想定をします
静学的労働供給モデルに登場する記号表記に加えて、説明に必要な記号や条件を記述します

まず、資本は⼀定です
(労働移動のみが起こりうる、短期の想定と考えてください)
⽣産要素は、⿊⼈と⽩⼈の労働とします

ここでポイントになるのですが
両者は完全代替の関係性を満たさないということです
すなわち、白人と黒人で識字率、体力、人的資本の蓄積度合いに差があり、労働生産性が完全に一致していないということです

また、原点に対して凸な等量曲線を仮定します👍

$$
The  model  of  Affirmative  action\\
Capital: K  is  constant\\
Labor:  White  and  Black\\
※Not a complete replacement\\
---------\\
Convex  for  the  origin  point\\
Isoquont  Curve= F (K,L_i)   i= B,W  \\---------\\
Cost  Function: \\C = Wage_i \times{L_i} + r\bar{K}\\----------\\
Important  Assumption\\
Wage_{white}  > Wage_{black}\\
⇔MPL_{white} > MPL_{black}
$$

以下では、⿊⼈採⽤の拡⼤を義務づける施策を実施した場合の効果
を一緒に分析しておきましょう

差別的企業への効果


以下の図解を用いながら
企業の差別是正措置 (Affirmative action)は
利益拡大につながるのかを解説します

差別是正措置の比較静学分析

Before:差別是正措置の実施前

高い賃金払ってでも生産性を高めたいなど
なるべく白人を採用したいとする偏見を持つ企業の解は上図において、点Pで決定されます

しかし、ここでは(生産量一定の条件で)
費用最小化が図られていません

双対性より、この企業は労働投入を調整することで利益を最大化できる余地があるということですね📝

After:差別是正措置の実施後

Beforeでは、まだ費用最小化は実現できていません
よって、この企業は最適化行動を図ろうとした結果黒人の採用が増えることになるでしょう

同じ生産量を達成するのに
より低い労働コストで実現できるのですから
企業にとってはメリットです

よって、費用最小化を達成している
点Qに最適点が移行します☺️
このプロセスにおいて労働の代替が発生します

$$
Substitution  of  Labor  Input \\
P(L_w) > Q(L_w)… ΔL_w <0\\
P(L_b) < Q(L_b)…  ΔL_b >0\\
—————\\
thus, the  profit (Δπ)  will   increase.  
$$

企業の差別是正措置 (Affirmative action)の効果

以上の議論より
差別是正措置は、偏見を持つ企業に対して
利益をもたらすことになる
のです

本来、人種差別や人権を阻害するような雇用慣行をしてはならないとされています

今回の応用理論モデルを冷静に考えてみると
黒人の方は、安価な労働力を搾取されているのです

一見、黒人の労働力が拡大して良いを思える結論ですがこの方々は貧しい生活を強いられている懸念を忘れてはならないのです

今回の解説はいかがだったでしょうか?

労働経済学を理解することで、世の中の問題
ひいては、自分自身の労働環境について
法的な制度や基礎的な経済学の概念から考えることができるようになると思います

なぜ、労働問題が発生するのでしょうか?
ということを心得ておくだけでも
何かビジネスや生活において
有利になることは間違いないと考えます

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます💘


マガジンのご紹介🔔


こちらのマガジンにて
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚


最後までご愛読いただき誠に有難うございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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