小鷹研理

注文の多いからだの錯覚の研究室(主宰) https://lab.kenrikodaka.com

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最近の記事

(INTRO) 『新写真論』との対話、私の中にいる座敷童をめぐって(大山顕 × 小鷹研理)

はじめに 来たる11月22〜24日に、小鷹研究室asによる錯覚展示として、注文の多いからだの錯覚の研究室展3『ミーのドーン!!』が開催される。場所は名古屋・栄。詳細は以下をご覧いただきたい。 スペシャルプログラムの一つ、恒例のゲストトークには、写真家の大山顕さんにお声がけして、ありがたいことに快諾をいただいた。「なぜ写真家が錯覚の研究者と話すの?」と不明になることもあるかもしれない。まさに、そうした「?」の組み合わせを設計することこそが、ゲストトークの趣旨であるからして、

    • パレイドリア、そして他人の視線に対する怯え

      (高橋康介先生のパレイドリア本刊行記念イベント予習) ▶︎▶︎▶︎ この本で紹介されている、パレイドリア現象に関わる種々の実験が物語るものの中で最も注目すべきは、自己の認知にとって、他人の顔が(他のモノや他人の別の身体部位と比して)、極めて特殊で不気味な位相として現象する、この点にあると思う。 これは、おそらくは他人の顔こそが、(自己の自由にならないものとしての)他者性が濃縮的に発現する場所であることと関係している。レヴィナス的な、根源的に了解不能な、他者の絶対的な他者性

      • 「はじめに」を公開します。

        以下は、4月13日発売の『からだの錯覚 脳と感覚が作り出す不思議な世界』の冒頭「はじめに」です。講談社の許可を得て、転載しています。  本書は、からだの錯覚を扱う本です。よくある錯覚本かというと、おそらくはそのようにはなっていません。  錯覚というと、視覚の錯覚を想像する人が多いのではないでしょうか。実際、検索サイトで「錯覚」という語を入力すると、「動いていないのに動いているようにみえる」「同じ長さなのに、長さが違うようにみえる」といった類の画像が大量に出力されます。こう

        • 小鷹研究室の錯覚論争、10年代後半における身体の耐えられない軽さ(第一報)

          以下の文章は、「小鷹研究室の錯覚論争2016-20」(オープン・スペース2021 ニュー・フラットランド, 2021.10.30 - 12.19, NTTインターコミュニケーション・センター[ICC])において、壁面に展示されていた3つのパネルに記されていた文章を転載したものである。 本稿は、本格的にアバターの時代へと突入したと言われて久しい2030年以降の現代社会のカオス的狂乱を読み解くうえでの一つの信頼たり得る視座を確保するべく、2010年代後半における小鷹研究室最初期

          [趣旨文2] 注文の多い「からだの錯覚」の研究室展2:言語学との対話、ことばとからだのイビピーオ(伊藤雄馬 × 小鷹研理 on 金井学)

          趣旨文1につづいて、この投稿では、月末に迫った錯覚展示のゲストトークに焦点を当てる。ゲストトークは、3日間の展示の中日にあたる26日(土)に、有料(1500円)で開催される。ゲストとして言語学者の伊藤雄馬さんをお招きし、アーティストで僕の古くからの友人でもある金井くん(金井学)が、司会を引き受けてくれた。以下では、この異色の組み合わせに至った背景について触れていこうと思う。参加に迷っている方は、どうか参考にしていただきたい。 まずは、既出である、チラシの紹介文を再掲する。

          [趣旨文2] 注文の多い「からだの錯覚」の研究室展2:言語学との対話、ことばとからだのイビピーオ(伊藤雄馬 × 小鷹研理 on 金井学)

          [趣旨文1] 注文の多い「からだの錯覚」の研究室展2:人体の幾何学的転回

          11月25〜27日に、ナディアパークにある名古屋市青少年文化センターにて、研究室展示『注文の多いからだの錯覚の研究室展2:人体の幾何学的転回』[公式HP]を開催する。前身の研究室展フォーマットである、岐阜で開催していた(2015年が初開催の)『からだは戦場だよ』から数えると7回目、名古屋に場所を移して、『注文の多いからだの錯覚の研究室展』と名前を変えてからは、2年ぶり2回目の展示となる。だから、本展は、『注文の多いからだの錯覚の研究室展2』であると同時に、『からだは戦場だよ7

          [趣旨文1] 注文の多い「からだの錯覚」の研究室展2:人体の幾何学的転回

          めまいの症状を持つ集団、OBE率が高い。(Cortex, 2018.7)

          Lopez, C., & Elzière, M. (2018). Out-of-body experience in vestibular disorders – A prospective study of 210 patients with dizziness. Cortex, 104, 193–206. https://doi.org/10.1016/J.CORTEX.2017.05.026 Abstract Out-of-body experiences (OBEs

          めまいの症状を持つ集団、OBE率が高い。(Cortex, 2018.7)