夫のへんなクセ その1

わたしの夫(けんさん)には
へんなクセがある。

それは、あごのヒゲを抜くこと。

ヒゲを抜くこと自体は
おかしいことではない。

でも、彼がいつも抜こうとしているのは、
伸びたヒゲではない。
まだ皮ふの下に隠れているような
触ると少しその存在が確認できる程度のヒゲ。

つまり、抜かなくてもいいヒゲ。

おもむろにあごを触っては
ヒゲ予備軍を探す。
小さなヒゲさんは見つかったら最後。
必ず抜かれる。

けんさんがターゲットとするヒゲは
すごくすごーく短い。
ヒゲが短すぎて手では簡単には抜けない。
毛抜きでもなかなか苦戦する。

「明日までほうっておけば
もっと抜きやすくなるんじゃない?」

わたしの助言はいつもスルー。
挙げ句のはて、自分でヒゲの位置が確認できないから
わたしまでヒゲ抜きに参戦させられる始末…
べつにいま抜かなくてもいいのに。

そしてやっとの思いで引っこ抜かれたヒゲは
けんさんの目でしっかり確認されたのちゴミ箱へ。

ナゾのヒゲ抜きは今日も続きます。

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