社会人になっても大学に行きたい
平日5日働いて、土日休んで、また平日になったら働いて、、の繰り返しの日々。
決まりきったタイムラインの中で生かされている。
社会人ってお金を得て使うことができても、時間を得ることができない、そんな生き物だな、って1年働いてみて思った感想です。
こんにちは。ケニアPです。
今日はつい最近考えていることを綴っていきます。
私は理系として学士、修士まで進み、社会人として働くという選択をしました。
ですが、正直なところ、これでよかったのか、そんな思いを抱きながら働いています。
修士卒業後の進路についての悩み
修士を卒業したら、そのまま大学に残って博士を取るか、それとも社会に出てビジネスマンとして働くか、非常に悩みました。
私は研究が好きで、当時の研究テーマについてもっと追求していき、博士まで進むのもアリだなという思いがありました。
一方、3年半くらい研究室にいて、狭い世界の中で生きているのではないか、もっと社会という大きな世界を見てみたいという気持ちと、経済的に安定した生活がしたいという思いから、就職をすべきなのではないか、強く考えるようになりました。
修士1年の3月には就職活動が一斉に始まり、タイミングを逃せば行きたい会社の選考も終わってしまう。そんな焦りも抱えたまま、就活を始めることとなりました。
思い返すと、修士1年の7〜9月にはインターンが始まり、3月には就活が本スタートするというように、就職という社会の入り口の手前で、すでに「決められたタイムライン」の中で生かされ始めていたのだと、つくづく感じます。
なぜ研究が好きなのか
研究がなぜ好きなのか。それは
「知りたいという探究心に素直に向き合えるから」です。
学生時代、研究をしていた日々はなかなか一筋縄で行かないことも多くあり、辛い時もありましたが、最後まで諦めなかったのは、自分が研究している事象、メカニズムについて知りたい!!という探究心、好奇心があったからだと考えています。その気持ちに素直になれていたことが、自分らしく生きていることができていたのだと、今では思います。
また、明らかにしたい、確かめたい命題に対し、仮説を立て、検証し、得られた結果に対して考察し、また新たな仮説を立てて検証を繰り返していくというアプローチを主体的に行うことができる。一連の研究サイクルの中で全ての場面でイニシアチブを持って取り組めることも、研究をしていて楽しい、好きだなと感じる要素でした。
仕事だけの日々の充足感のなさ
社会人となり思ったことは、
「1日の密度の低さ」
です。
学生の頃は、1日の時間の使い道を決めるイニシアチブが自分にあり、好きなことを好きなだけできました。
そのため勉強や研究、趣味、といった日常のあらゆることに時間を割くことができ、充実した日々を過ごすことができていました。
一方、社会人生活が始まると、一日のスケジュールは決まり切ったものとなり、
(起床→仕事→帰宅) x 5日
となり、フリーに使える時間が極端に短くなり、やりたいこと、やれることに制限ができ、優先順位を考えざるを得なくなりました。
それが社会人だよ、と言われてしまえばそれまでですが、そんな生活サイクルの中で圧倒的に足りないものがありました。
それは「学び」です。
研究は「学び」そのもの
自分にとって一番学びを体感できていたのが、研究をしている時でした。
・実験がうまくいかなかった時の原因を調べる
・研究者がどのようなトピックに疑問を持ち、研究を進めてきたかを考えながら論文を読んでいる時
・教授とディスカッションをしている時
・研究成果を発表し、それに対する質疑応答の時間
など、すべての時間において「学び」だと実感してました。
正直、仕事をしていてこのような学びを実感しているなと、学生の頃より思うことがなくなってしまいました。
今の仕事は研究の補助をするような実験業務なので、自ら研究の指針を決めたり、ディスカッションしたりすることはありません。
研究の現場にいると、どうしても思ってしまうのです。
「自分のテーマを持って自ら研究を進めたい!」
働きながら大学に通って研究者になるという茨の道
そこでふと最近思ったのが、働きながら大学に通う、
つまり
社会人ドクターという選択肢です。
身の回りでもちらほらそのような方がいらっしゃると耳にして、自分もアリなのではと思ってきています。
本来であれば仕事をやめて大学院に戻り、研究に没頭したいというのが本音です。
ですが、経済的にもそのようにはいかず、働き始めたからには自立した人間になるためにも、社会で働くという道は歩んでいきたい。
社会人と学生という二足の草鞋を履いて歩んでいくことは、きっと茨の道となります。
でも、社会人だからと言って学び続けることをやめたくはないし、博士という学位を取って研究者になりたい夢を諦めたくはない。
まずは、今の会社の上司に説得したり、実際に社会人ドクターとして働きながら大学で研究している方のお話を聞いてみようと思います。
近年、日本の博士課程に進む人口の数は減少しています。日本の研究業界の未来は思いやられるばかりです。
修士から学生のままストレートに博士に行くだけではなく、社会人が大学に通いやすくなるような環境作りも、今後必要になっていくと、私個人としては思います。
その先駆けに、自分がなれたらいいなと、心の奥底で願っています。
長くなりましたが、今日はこの辺で終わりにします。
もし、私のように社会人ドクターを考えている方、もしくは働きながら大学に通われている方がいらっしゃいましたら、ぜひお話し聞かせていただきたいです。
コメント、ご意見お待ちしております。
それでは、ありがとうございました。