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カナダの森で働こう。

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林業学校を卒業後してから、カナダで働いていた日々について。
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#エッセイ

カナダで空を飛ぶ

梅雨の雲はどんよりして分厚い。あの雲すごく重そうだな、とつぶやく。時折、黒い雲が空に立ち込める。家の窓から見る分には、雲がどうであろうが関係ない。でも、雲の中を飛ぶ際は、できれば雲とは友達になれたら最高だ。 見た目ほどフワフワで優しくはない。パンみたいに柔らかでもない。羽毛布団みたいに包み込んでもくれない。彼らとはすこぶる仲が悪かった。僕は、空を飛ぶのには向いていない。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_

カナダで病院に行く

Covid-19の状況は、相変わらずだ。もし、今この状況でカナダに留まっていたら暮らしはどうだっただろうか。仕事は、続けられていたか。海外はロックダウンが厳しいから、アパートに閉じこもりきりだろうか。もし体調が悪くなってしまったら、どうすればよかっただろうか。ビジネスビザは持っていたから、病院には行けたかな。家族が体調を崩したら病院に連れていくのは、難しかったのではないか。子どもが生まれた時、住み慣れた土地以外で安全に出産できただろうか。 生きていく、生活していくのには、様々

寮からの引っ越し

7月から働き始めた測量会社での研修が始まった。オペレーターの仕事は、飛行機内で空間情報を集めるためのレーザー機器の操作。初日の研修では、空港の片隅に停めらた飛行機の中で機器の操作方法を教わった。新しい情報ばかりであっぷあっぷだったが、忘れないように必死でメモをとった。異なる言語や文化の中で働く際、メモを取る習慣は非常に有効で自分の強みになっている。操作を教わりながらも、頭の片隅では「早くアパートを見つけないと」と考えていた。 この研修には、同じくオペレーターで採用されたロー