【バイク】125ccのバイク「XSR125」で最高にハッピーな話～前編～【原付二種】
今年の6月にSNSやnoteを始めようと思ったが、そのキッカケのひとつが10年ぶりのバイク購入だ。1か月前にヤマハの「XSR125」との運命的な出逢いがあり、俺の相棒となった。なお、俺は普段バイクのことを「単車」と呼ぶが、今回はとりあえず「バイク」と書く。
俺は19歳のときに中型二輪免許を取得して、真っ赤な「Ninja250R」に乗っていた。バイク免許を取った主な理由は、単純にバイクに憧れがあったから。中学時代に仲が良かった不良が無免でバイクに乗っていて、俺はその姿に憧れていた。
そのほかの大きな理由は、どこにでも行ける移動手段が欲しかったことだ。なぜ四輪にしなかったかというと、四輪は面倒で維持費が高く、爽快感があまりないというイメージがあったからだ。32歳になった今でもそのイメージは変わらず、未だに四輪免許はない。
ニンジャはカッコ良くて楽しいバイクだった。当時はMotoGPにハマっていたから、フルカウルの流線的なフォルムと情熱的な赤い色に惚れた。スペックにも大満足で、一般道でも130～140km/hくらいは簡単に出せた。
しかし、当時の俺はほとんどニートのような生活を送っていたこともあり、維持費がキツくなったり精神的にダルくなったりして、バイクに乗らなくなった。結局ニンジャは3年くらい乗ったあとで売却してしまった。
それから10年近く俺はバイクから離れていた。不思議なことに、あれほど好きだったバイクに「乗りたい」と思うことはなかった。やがてフリーランスでライターの仕事を始め、紆余曲折はあったものの、経済的に多少の余裕が出るようになった。
俺のバイク人生に大きな転機が訪れたのは、今年に入ってからのことだ。『東京卍リベンジャーズ』の映画/アニメ/原作をすべて見て、学生時代に仲が良かったヤンキーの友達や、10年前にイキって単車を転がしていた日々のことを思い出した。
さらに、そのすぐあとに『チェンソーマン』とも出逢い、俺は自分にとっての「幸せ」と「普通の生活」について考えた。俺はミニマリストで人生に最低限のものしか求めないが、バイクは俺の幸せのために必要だと思われたのである。
まずは400ccのバイクを検討した。昔のニンジャつながりで、まずはカワサキのバイクを調べたところ、「Eliminator 400」に強く惹かれた。しかし、エリミネーターは納期がエグいらしく、すぐにでもバイクに乗りたい俺は諦めざるを得なかった。
続いてライバル車の「Rebel 250」だ。こちらも見た目が気に入ったが、腰痛持ちの俺としては適度な前傾姿勢が理想的だ。だから、直立姿勢のアメリカンスタイルのバイクは向いていない。「俺にとっての理想のバイクとは何だろうか」――ふと俺は考えた。
どうやら年を取った俺はバイクの好みが変わり、フルカウルには興奮しなくなったようだ。ネイキッドでも現代的なデザインは好みではない。現代的ではないバイク――俺は真っ先に「CB400SF」を思い浮かべた。しかし、スーフォアはすでに廃盤となっていた。
スーフォアがあれば、俺は確実にスーフォアを選んでいた。ほかの選択肢も探るが、400cc以下では選択肢が限られる。俺は「バイクは見た目がすべて」だと思っている。しかし、国内4メーカーのラインアップをすべて見たが、どれにも一目惚れしなかった。
そこで俺はついに妥協して、125ccも含めて検討することにした。実のところ俺は125ccのバイクを「単車」と認めておらず、そればかりか「ダサい」と見下していたのだ。しかし俺は好奇心が旺盛なので、とりあえず各メーカーの125ccを見てみることにした。
俺の目にあるバイクが俺の目に飛び込んだ。それがXSR125だ。どうやら125ccシリーズのひとつで、「ネオレトロ」がテーマのモデルらしい。俺はコイツに一目惚れした。とても125ccとは思えない立派な車格と、少し旧車的な雰囲気があるデザインに。
単車は見た目がすべてだと信じる俺にとって、XSR125は理想の単車だ。125ccで50万円というのは高額だが、当初の予算が100万円だったうえに、この充実した装備を考慮するとむしろお得なように思われた。赤と黒が好きな俺にはカラーリングも完璧だ。
何事も行動が早い俺は、信頼できそうなヤマハ販売店を検索して電話をかけた。メーカー在庫があるので1週間前後で納車できるそうだ。これだけ惚れ込んだのだから、実車を見て跨がらなくても問題ないと確信した俺は、すぐに契約することにした。
