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大手企業で活躍する”運用人”と、ベンチャーで活躍する”戦略人”

「今大手企業にいて、ベンチャー企業への転職を悩んでいる全ての人へ」


いきなりですが、
あなたは今の仕事が好きですか?

  • YES

  • No

  • 好き嫌いで仕事を選んでいない…


この質問の回答によって、あなたが運用人(うんようびと)か戦略人(せんりゃくびと)か判断出来ます。


結論は
「Yes」「No」で答えた人は運用人
「好き嫌いで仕事を選んでいない…」で答えた人は戦略人
の傾向があります。

さて、これから順を追って運用人戦略人について語らせて頂くので、
ぜひご自身のキャリアに活かして頂ければと思います。


運用人と戦略人の存在に気付いた経緯

私は日系大手企業の電通に新卒で入社し、外資系企業のボストン・コンサルティンググループに転職し、現在は小さなベンチャー企業を経営しています。

この3つの組織に属してみて、それぞれの組織における”優秀”とされる人物像が異なる気がするぞ!と思ったことが、このブログを記す発端となりました。

さて、それぞれの組織の”優秀な人物”とは、下記の様な特徴を持っている気がしませんか?

  • 日系大手企業

    • 「体力があって深夜残業も厭わない」「メールの返信が早い」「飲み会の盛り上げが上手い」「コミュニケーション能力が高い」「プライベートが仕事に侵食されていてもOK」「上司に言われたことは絶対に全力で取り組む」

  • 外資系企業

    • 「学歴に加えて地頭が良い」「暗算が早い」「英語が話せる」「作るパワポやエクセルが綺麗」「仕事とプライベートを明確に分けて考えている」「リーダーシップがある」「マネジメント力がある」「上司が間違っていれば堂々と指摘する」

  • ベンチャー企業(社長以外)

    • 「数字の成果を出してくる」「マルチタスクが得意」「仕事とプライベートの境目が曖昧でも気に留めない」「初めての仕事でも何とかする」「自ら仕事を作れる」「上司からの指示を待たずに動く」

どうでしょう?
ある程度共感して頂けましたかね?

共感して頂いた前提で話を進めると、
この様に個人的には組織の種類によって”優秀”とされる人物像がかなり異なると思っています。

さらに、日系大手企業と外資系企業は一部被っており、外資系企業とベンチャー企業は一部被っている気もするのですが、日系大手企業とベンチャー企業では最早”優秀”の定義が何も被っていないとすら思えてきませんか?
(少なくとも僕は両方経験した上でそのように思っています)


言葉を選ばずに表現すると、日系大手企業の”優秀”とは「上司や顧客に言われたことを早く正確にやる」ことで、ベンチャーの”優秀”とは「自らやるべきことを見つけて勝手に動ける」ことだと私は思っています。


そこで僕は日系大手企業で”優秀”と称される人物像を”運用人”、ベンチャー企業で”優秀”と称される人物像を”戦略人”と命名し、運用人がベンチャー企業に転職して挫折しまったり、戦略人が大手企業に居続けて才能を無駄使いしてしまわないことを願い、ブログを書いてみました。


運用人と戦略人の違い

Q.1

あなたは上司からある仕事を任された。
その時あなたはどう思っただろうか?

  1. 「よし、やるぞ!」

  2. 「この仕事って何のためにやるんだろう…?」


1を答えたあなたは運用人、2は戦略人の傾向があります。


運用人は今自分の目の前にある仕事について
「何のために?」
のような疑問を持ちません。
自分に与えられた仕事を兎に角全うすることに全力を注ぐ特徴があります。
そして早く正確にやることが自分の評価に繋がると信じています。

一方で、戦略人は全ての仕事、いや仕事以外のプライベートも含めてやらなければいけないことを全て”作業”として捉えて、
「作業とは何かしらの目的達成に必要な要素に過ぎないのだから、その目的を教えてくれよ…じゃないとやる気出ないよ…」
と思ってしまうという不器用な特徴があるのです。


Q.2

あなたはリモートワークで働いている。
午後3時に任されている仕事が終わってしまったが、その時どの様に思っただろうか?

  1. 「よし!今日はもう仕事なんか忘れて遊ぼ!」

  2. 「嬉しいはずなんだけど…なんか不安。上司に他に仕事が無いか聞こうかな…?」


1を答えたあなたは戦略人、2は運用人の傾向があります。
(1には窓際族を狙うクズも含まれますが無視します)


運用人は常に(少なくとも定時までは)ちゃんとパソコンの前に座って手を動かしていなければならないと思っており、
サボるとクビになるのでは無いか?と思ってしまう不安症的な特徴があります。

要は運用人は「仕事とは、仕事をしていることである。」と思っているのです。


一方で、戦略人は「成果出しているんだから、仕事してようが遊んでようかどっちでも良いでしょ?」と考えている。
ただし、サボっていてもクビにはならないが、成果を出せていないとクビになると思っているので、成果が出ていない時は死に物狂いで頑張ります。

ちなみに評価制度が健全なベンチャー企業だと、個人の成果が個人の給料や自己実現に繋がっているはずなので、
ベンチャー企業にいる優秀な戦略人は求められていた成果を出してもダラけることなく、より高い成果を求めて頑張る傾向がある気がしています。

要は戦略人は「仕事とは、成果を出すことである。」と思っているのです。


Q.3

これまでの話を聞いて

  1. 自分の周りにいる人が、運用人か戦略人か見定められる気がする!

  2. いまだに運用人と戦略人の違いわからない…こいつ何言ってるの?

どちらでしょうか?


1の人は戦略人、2は運用人の傾向があります。

実は、運用人から戦略人は見えないのです。
なぜならば運用人から見ると戦略人は、与えられた仕事に対していちいち「何のためにこれやるんですか?」といちゃもんをつけていて、与えられた仕事以外の仕事を勝手に始めたり上司に言われたことを無視しているため、よーく観察しないと窓際族を目指しているクズと区別がつかないからです。

一方で、戦略人から運用人は見えるのです。
なぜならば戦略人から見ると運用人は、成果に繋がらない作業を永遠にこなしており、上司の言いなりで動く人の心を持たないマリオネットに見えているからです。


なぜ日本には運用人が多いのか?

おそらくこのブログを読んでくれている人全員の総意だと思うのですが、個人的には日本には戦略人よりも運用人の方が圧倒的に多い気がしています。

ここで僕のスタンスを示しますが、僕は運用人の人は早急に戦略人に変わった方が良いと思っています。

理由は運用人の仕事こそがロボットやAIや安い人件費の海外の労働者(=運用人)に代替されやすく、戦略人の仕事は代替されにくいからです。


AIでイメージすると分かりやすいです。
AIは膨大なデータから命令に従って数学によって最適解を導く機械のことですけど、この命令を正しく決められるのは戦略人であり運用人には無理です。
なぜなら運用人は言われたことは出来るので数学の問題は解けますが、そもそも何をやれば良いのか(何の命令を与えるべきか)を考えることは日常的に行っていないからです。
一方で、戦略人は自然と目の前の作業を「何のためにやるのか」と日常的に考えているため、必然的にやるべきこと(=与えるべき命令)が導けるのです。

そして運用人でも出来る数学は人間よりコンピューターの方が圧倒的に得意なので人間からコンピューターに代替されますが、命令はAIに蓄積されたデータから導くことが出来ないものなので、人間(戦略人)がやり続ける必要があるのです。

ではなぜ日本には運用人が多いのでしょうか?
この答えは「日本は、物質的豊かさが乏しかった時代に教育システムを確立してしまったから」だと僕は思っています。

戦後の日本はとりあえず生きていくために必要な”物”が圧倒的に足りませんでした。
この”物”を作りまくるのに必要だったのは
「何の物を作るべきか」を考える少数の戦略人と、その物を作る多くの運用人だったはずです。
当時は仕事の機械化が進んでいなかったため、今以上に大量の運用人が必要だったことでしょう。
運用人になれたであろう若い日本人は戦争で沢山死んでいたので尚更。

つまり、
戦争によって教育システムが一度崩壊した日本は「物を大量生産するために、たくさんの運用人を生み出さなければ!」という思いから、
運用人が量産できる教育システムを0から確立したのでは無いでしょうか?

これは日本をアジア進出の軍事拠点&生産拠点(運用国)としたかったアメリカ(戦略国)にとっても都合が良かったことと思います。

その結果、「出された問題を解く」ことを義務教育では徹底されていて、みんなが無思考で高学歴を目指す社会の空気感を作り上げて、「出された問題を早く正確に解く人が優秀」という文化を作ったのだと思えてきます。

「何のために受験する必要があるのですか?」という疑問を持つ戦略人が大量に生まれても困るのです。
だって「何の物を作るべきか」を考える人(戦略人)が大量にいても、作れる人(運用人)がいなければ意味ないですし、そもそも何を作っても売れる時代だった考えることの重要性が低かったのです。


アメリカのアイビー・リーグの受験においてエッセイや面接によりその人の人生自体を深ぼって定量評価して合否を決める戦略人発掘型受験とは全く異なる「出された問題を解く」つまり「言われたことをやる」運用人量産型受験のシステムを日本が採用しているのはこのためだと思っています。


運用人のお勧め人生

ここまででご自身が「あ、私運用人だわ…」と思われた方。
短期的な幸せを求めるならベンチャー企業への転職はお勧めしません。
ベンチャー企業に転職してもしばらくは成果を出せずに苦しい日々を送ることでしょう。
もし結婚や出産を直後に控えているのならば、一旦大企業に留まっておいた方が無難です。

ただ、その苦しい日々の先に戦略人へ変化する可能性はあるので、変化の意欲がある場合は苦難を覚悟して転職してみましょう!

転職の際の注意点は下記です。

  • 社長が戦略人のベンチャー企業を選ぶ

  • 仕事が仕組み化された後のメガベンチャー企業は選ばない

社長が運用人の会社は最悪です。
おそらく受託系の仕事がメインとなっており、低単価にも関わらず社員の膨大な労働時間によって何とか生きながらえているゾンビ企業と化しているので気をつけましょう。

また、メガベンチャーは大企業と同じで仕事の仕組み化が終わっており、運用人でも活躍出来るフィールドが設けられています。
現在運用人のあなたはおそらくその運用人用のフィールドに配属されるので、戦略人に変化するチャンスを得られないでしょう。


また、「運用人のまま幸せになれないの?」という人は下記人生パターンがお勧めです。

  1. 現在の会社の仕事が楽しいなら居残る

  2. 現在の会社の仕事が楽しくないなら、別の大企業に転職する

  3. 組織が嫌いならフリーランスになる

  4. 仕事が嫌いなら、分散投資による長期的な資産運用を仕込む

間違っても起業して社員を雇用しない方が良いです。
自分だけで無く社員も不幸にしてしまいます。

また一点集中的な投資も、才能が無いので辞めた方が良いです。
それよりも時間はかかってしまいますが正攻法でローリスクローリターンの分散投資を教科書通りに着々とやった方が向いています。
なぜならば運用人は言われたことを早く正確にやるのが得意なのですから!

運用人


戦略人のお勧め人生

今すぐにベンチャー企業に転職しましょう。
このまま大企業にいるとあなたの戦略人としての才能は潰されて、運用人に染められてしまいます。

きっとあなたの上司は運用人でしょう。
運用人の下に戦略人がついてしまった場合、その部下である戦略人の戦略性は運用人の上司からは見えないため全然評価されないはずなので不幸です。

決してあなたが無能な訳ではなく、環境が合っていないだけなので、いますぐベンチャー企業に転職して下さい。

繰り返しになりますが、転職の際の注意点は下記です。

  • 社長が戦略人のベンチャー企業を選ぶ

  • 仕事が仕組み化された後のメガベンチャー企業は選ばない


また、もしアイデアと人脈があれば自ら起業しても良いかもしれません。
あなたが本当に戦略人ならば、最初失敗してもいずれ成功出来ます。

なぜならば戦略人は自らやるべき仕事を見つけることが得意なのですから!

戦略人


サポートありがとうございます! もっと面白い記事を書いていきたいと思っているので、ぜひコメントで率直な意見を頂けると嬉しいです!